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第五章
第二十六話
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♢♢♢
焦げた臭いが充満した部屋の中で、俺はパンパンと手を叩いた。
「骨折り損のくたびれ儲けだったな、こりゃ」
「……」
煙を上げながら返事をしなくなった男に対し「事が終われば出してやる」と告げ、部屋を後にした。
聞こえてるか、聞こえてないかはわからないが、一応約束は守ったということで。
「お疲れ様でした、イットー様。成果はございましたか?」
部屋に戻ると、テーブルを囲んでシルク、ネイシア、シリウス、そして新メンバーのファンシィが俺を待っていた。
椅子に座り、シルクからタオルを受け取ると、額の汗を拭き情報の整理を始める。
「いや、奴は王国に利用される側の人間だった。黒幕の情報は本当に知らないみたいだ」
「そうですか……残念ですね」
「だが、俺たちが奴に手を出した以上、黒幕が行動に移るのも時間の問題。つまるところ、少ない情報でも先手を打つ必要がある」
「ご主人様の力なら、過去大戦時に活躍していた上級魔族でも片手間で倒せるかと思います」
「イットーの潜在能力は、マジで伝説の勇者並だったからなぁ」
強引に攻めても、牙城を崩せる自信はある。だが、情報はあったことに越したことはない。
俺たちが今、一番必要としている情報、それは──
「シルク、俺が旅立つ前に言ってたろ。フレア様の御加護をって……なんで、お前がその名を知ってるんだ?」
「え? フレア様、ですか?」
「あぁ、ネイシア達によると、そのフレアってのが魔族に支配される前、魔王を圧倒した女勇者の名前なんだ」
そう聞くと、シルクは「うぇ!?」と珍妙な声を上げて驚いた。
無論、俺たちの中である程度答えはでている。
けれど、にわかには信じ難い『予想』であるため、答え合わせを必要とした。
「ふ、フレア様は、私たち女の始祖。所謂、女神様みたいな存在と聞いていますが……」
「やはり、ご主人様」
「間違いないみたいだな」
「ぇ、え!? どういうことですか!?」
困惑するシルクに、俺とネイシアは修行中に組み上げていた現在の世界の予測を説明した。
まず、殆ど女しか生まれないという呪いが世界中に広がっている原因に、魔力の中心であるユグドラシルに何らかの呪術が施されていると予測する。
だが、ユグドラシルに魔法を掛ける為には人間だと100万人分の魔力を必要とするそうだ。
そして、そんな途方もない魔力を持つ存在、それが女勇者フレア・マナ・アース。
恐らくは、魔王は勇者の力を使い、この世界を歪ませているのである。
「ここから導き出される答えは二つ、一つはフレアがまだ生きていて、この100年間呪術を掛け続けている」
「流石にそれは……もうお婆ちゃんもお婆ちゃんじゃないですか」
「そうだ、だからこの線は薄い。もう一つが、女勇者の子孫を作りユグドラシルに呪術を掛けているというものだ」
「子孫、私のことですね」
「魔力ってのは、産まれによって決まるらしい。転生という特殊な手順を踏んだ場合は別だが、血族に依存するとネイシアが教えてくれた」
「じゃあシリウスに勝てた理由って……」
「勇者の血族だから、だろうな」
「私が……勇者の血族……」
まぁ、信じられないだろう。この間まで、男の為なら死んでも構わないと思ってるくらい奴隷根性を焼き付けられていたのだからな。
「で、でもなんで勇者の血族なんて作る必要があるんですか!? せっかく倒せたのに」
「俺が魔王の立場だったら、こう考えるかな。『次の勇者がいつ現れ、自分の命を狙いに来るかわからない』と」
「なるほど……おおよそ理解しました」
目には目を歯には歯を、勇者には勇者を。
フレアの血族を大量生産し、本能レベルで服従させることにより、魔族直下の勇者軍団を作るのが、魔王の目的だろう。
そして、一番危険な人間は監視の容易いところに置き、その人間に他種族を侵略させる。正直、完璧な策だ。
俺という存在がなければ。
「勇者軍を作り上げた後は人間もお払い箱だろうし、この世界の男てゆーのはダメダメな奴らの集まりだよ」
「うむむ……前にネイシアさんから聞いた話だと、人間が魔族と手を組んだと。何故、自ら破滅の道へ……」
「上層部の男達には都合がよかったんだろう。なんせ、自分達は女を喰い物にいてりゃ贅沢な生活ができるんだからよ」
男の醜い欲望が生み出した惨状。それがこの、アヴダールの真相だ。
「そんな腐った世界で上に立ったって意味がない。だからまず、ユグドラシルに掛かった呪いを解く」
「王城へ突入するのですね」
「まず、俺とシリウスで内部に潜入し、敵の数を調べてくるつもりだ。ネイシアには何かあった時の為に、ここに残ってもらう」
「ですが、王城の中はどんな風になってるのかさっぱり分からないのですよ? 二人では危険すぎるのでは?」
「問題ない。えっと……ファンシィ、例の物はあったか?」
「…………ぁ」
俺が問いかけると、彼女は綺麗に巻かれた紙をテーブルに置き、おどおどと広げた。
ファンシィは、声を封じられていた期間が長すぎて言葉を発することができない。
「イットー様、これは……!」
「あぁ、あの男が持っていた王城の内部地図だ。ファンシィの奴隷権を俺に移させる前に、無理矢理持ってくるよう命令させた」
そうすれば、主人の命令で地図を取りに帰った、ただの奴隷だからな。怪しまれる心配もない。
「凄いです、これさえあれば……けど、あれ?」
「見て分かる通り、黒塗りされてる箇所がある。多分ここが、魔族と繋がってる場所なんだろう」
地下へ進めば進むほど、男に与えられる情報は少なくなっている。
幾ら尋問しても、この場所について答えることはなかった。
「城の中心部地下、過去にユグドラシルがあった箇所と一致する。ここで間違いないだろう」
「私がいれば例え鍵を掛けられても、開けることができっから。皆んなはここで待っててくれ」
「……また、お帰りを待つのですか」
シルクの表情に陰りが混じる。
「すまない、だが今回は人数が多い方が危険なんだ。見つかってしまった時の事を考えると、逃げる時に少人数の方が動きやすいからな」
「……わかっております」
「それに、決戦の時は近い。内部構造を把握し、俺たちの予想が確信に変わった時……デカイ戦いになるだろう。その時、回復役はお前と、この宿の皆んなしかいない。だから──」
「はい、私を頼って下さい。イットー様を待っていて気が付きました……やはり、私はこれ以上、貴方が遠くなることに耐えれそうにありませんから」
「わかった」
俺はシルクの手を握りしっかりと頷いた。
どの道、そうのんびりとはしていられない。
「出発は今日の夜、シリウスよろしく頼むぜ」
「あぁ、任せときな」
そうして、俺たち二人はその日の晩、王城へと潜入したのだった。
焦げた臭いが充満した部屋の中で、俺はパンパンと手を叩いた。
「骨折り損のくたびれ儲けだったな、こりゃ」
「……」
煙を上げながら返事をしなくなった男に対し「事が終われば出してやる」と告げ、部屋を後にした。
聞こえてるか、聞こえてないかはわからないが、一応約束は守ったということで。
「お疲れ様でした、イットー様。成果はございましたか?」
部屋に戻ると、テーブルを囲んでシルク、ネイシア、シリウス、そして新メンバーのファンシィが俺を待っていた。
椅子に座り、シルクからタオルを受け取ると、額の汗を拭き情報の整理を始める。
「いや、奴は王国に利用される側の人間だった。黒幕の情報は本当に知らないみたいだ」
「そうですか……残念ですね」
「だが、俺たちが奴に手を出した以上、黒幕が行動に移るのも時間の問題。つまるところ、少ない情報でも先手を打つ必要がある」
「ご主人様の力なら、過去大戦時に活躍していた上級魔族でも片手間で倒せるかと思います」
「イットーの潜在能力は、マジで伝説の勇者並だったからなぁ」
強引に攻めても、牙城を崩せる自信はある。だが、情報はあったことに越したことはない。
俺たちが今、一番必要としている情報、それは──
「シルク、俺が旅立つ前に言ってたろ。フレア様の御加護をって……なんで、お前がその名を知ってるんだ?」
「え? フレア様、ですか?」
「あぁ、ネイシア達によると、そのフレアってのが魔族に支配される前、魔王を圧倒した女勇者の名前なんだ」
そう聞くと、シルクは「うぇ!?」と珍妙な声を上げて驚いた。
無論、俺たちの中である程度答えはでている。
けれど、にわかには信じ難い『予想』であるため、答え合わせを必要とした。
「ふ、フレア様は、私たち女の始祖。所謂、女神様みたいな存在と聞いていますが……」
「やはり、ご主人様」
「間違いないみたいだな」
「ぇ、え!? どういうことですか!?」
困惑するシルクに、俺とネイシアは修行中に組み上げていた現在の世界の予測を説明した。
まず、殆ど女しか生まれないという呪いが世界中に広がっている原因に、魔力の中心であるユグドラシルに何らかの呪術が施されていると予測する。
だが、ユグドラシルに魔法を掛ける為には人間だと100万人分の魔力を必要とするそうだ。
そして、そんな途方もない魔力を持つ存在、それが女勇者フレア・マナ・アース。
恐らくは、魔王は勇者の力を使い、この世界を歪ませているのである。
「ここから導き出される答えは二つ、一つはフレアがまだ生きていて、この100年間呪術を掛け続けている」
「流石にそれは……もうお婆ちゃんもお婆ちゃんじゃないですか」
「そうだ、だからこの線は薄い。もう一つが、女勇者の子孫を作りユグドラシルに呪術を掛けているというものだ」
「子孫、私のことですね」
「魔力ってのは、産まれによって決まるらしい。転生という特殊な手順を踏んだ場合は別だが、血族に依存するとネイシアが教えてくれた」
「じゃあシリウスに勝てた理由って……」
「勇者の血族だから、だろうな」
「私が……勇者の血族……」
まぁ、信じられないだろう。この間まで、男の為なら死んでも構わないと思ってるくらい奴隷根性を焼き付けられていたのだからな。
「で、でもなんで勇者の血族なんて作る必要があるんですか!? せっかく倒せたのに」
「俺が魔王の立場だったら、こう考えるかな。『次の勇者がいつ現れ、自分の命を狙いに来るかわからない』と」
「なるほど……おおよそ理解しました」
目には目を歯には歯を、勇者には勇者を。
フレアの血族を大量生産し、本能レベルで服従させることにより、魔族直下の勇者軍団を作るのが、魔王の目的だろう。
そして、一番危険な人間は監視の容易いところに置き、その人間に他種族を侵略させる。正直、完璧な策だ。
俺という存在がなければ。
「勇者軍を作り上げた後は人間もお払い箱だろうし、この世界の男てゆーのはダメダメな奴らの集まりだよ」
「うむむ……前にネイシアさんから聞いた話だと、人間が魔族と手を組んだと。何故、自ら破滅の道へ……」
「上層部の男達には都合がよかったんだろう。なんせ、自分達は女を喰い物にいてりゃ贅沢な生活ができるんだからよ」
男の醜い欲望が生み出した惨状。それがこの、アヴダールの真相だ。
「そんな腐った世界で上に立ったって意味がない。だからまず、ユグドラシルに掛かった呪いを解く」
「王城へ突入するのですね」
「まず、俺とシリウスで内部に潜入し、敵の数を調べてくるつもりだ。ネイシアには何かあった時の為に、ここに残ってもらう」
「ですが、王城の中はどんな風になってるのかさっぱり分からないのですよ? 二人では危険すぎるのでは?」
「問題ない。えっと……ファンシィ、例の物はあったか?」
「…………ぁ」
俺が問いかけると、彼女は綺麗に巻かれた紙をテーブルに置き、おどおどと広げた。
ファンシィは、声を封じられていた期間が長すぎて言葉を発することができない。
「イットー様、これは……!」
「あぁ、あの男が持っていた王城の内部地図だ。ファンシィの奴隷権を俺に移させる前に、無理矢理持ってくるよう命令させた」
そうすれば、主人の命令で地図を取りに帰った、ただの奴隷だからな。怪しまれる心配もない。
「凄いです、これさえあれば……けど、あれ?」
「見て分かる通り、黒塗りされてる箇所がある。多分ここが、魔族と繋がってる場所なんだろう」
地下へ進めば進むほど、男に与えられる情報は少なくなっている。
幾ら尋問しても、この場所について答えることはなかった。
「城の中心部地下、過去にユグドラシルがあった箇所と一致する。ここで間違いないだろう」
「私がいれば例え鍵を掛けられても、開けることができっから。皆んなはここで待っててくれ」
「……また、お帰りを待つのですか」
シルクの表情に陰りが混じる。
「すまない、だが今回は人数が多い方が危険なんだ。見つかってしまった時の事を考えると、逃げる時に少人数の方が動きやすいからな」
「……わかっております」
「それに、決戦の時は近い。内部構造を把握し、俺たちの予想が確信に変わった時……デカイ戦いになるだろう。その時、回復役はお前と、この宿の皆んなしかいない。だから──」
「はい、私を頼って下さい。イットー様を待っていて気が付きました……やはり、私はこれ以上、貴方が遠くなることに耐えれそうにありませんから」
「わかった」
俺はシルクの手を握りしっかりと頷いた。
どの道、そうのんびりとはしていられない。
「出発は今日の夜、シリウスよろしく頼むぜ」
「あぁ、任せときな」
そうして、俺たち二人はその日の晩、王城へと潜入したのだった。
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