週末の金曜日

立樹

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「俺は男だ」
「分かっている」
「青木はそのゲイなのか?」
「違う」
「なら、俺じゃないほうがいいんじゃないのか」
「興味がない。俺はお前の答えが欲しい」
「今すぐか?」
「ああ、この機会を逃したら、きっと佐藤はうやむやにするだろ?」
「……。なんで俺より、お前の方が俺に詳しいんだよ」
「それは、それだけ惚れているっていう証拠だろ」
知れっと恥ずかしいことを言う青木をこっそり見ると、妖艶に優しくほほ笑む青木の顔があった。

俺の気持ちか……。

テーブルとにらめっこしながら、自分の気持ちと対峙する。
奥底にある、自分の気持ち。
青木をどう思っているのか……。
頭の中には、青木の笑う顔が、妖艶に微笑む瞳が、艶っぽくてかる唇が思い出されてくる。


「青木、正直に言う。わからない」
「わかった」
そういうと、青木は椅子から立ち上がり、背を向けた。

けれど――。

ガタン!

俺は椅子から勢いよく立ち上がると、立ち去ろうとする青木の目の前に立ちはだかった。
対峙すると俺の方がわずかに高い。
青木は、目を大きく開け、俺を見上げた。

「佐藤、答えは『NO』だろ? 行かせてくれない?」
俺は首を振った。
「どうして? ここにいてもお互いによくない。というより、俺が辛い――。行かせてくれ」
無理やり俺を押しのけていこうとする、青木の肩を掴んだ。
「青木、最後まで聞け。俺は『わからない』と言ったんだ」
「うん、聞いた。わからないってことは、俺では恋愛の対象として見れないということだろ?」
「だから、わからないって、言ったんだよ」
青木は、わからない、というように形のいい眉を寄せる。

俺は確かめるように両肩に置いた手を滑らし、片方の手を青木の首にもう片方を頬に当てた。
丸く大きく見開かれた目が俺を見つめる。
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