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【2】2006年6月6日 時間・場所・天候不明。頭痛(レン視点)。
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《痛ッ。つー・・・》
突然、頭が痛む。
ザーーー・・・。
《何だろうこの音・・・》
どこからか聞き慣れた音が聞こえてきた。
ザーーーパチパチ、パチパチ・・・。
《何かが壁を叩いているような。・・・砂?イヤ、違う》
私はしばらく音の正体を探ろうと耳をそばだてた。そして数秒もしないうちにあることに気づく。
《あ、そうか。雨だ・・・。6月だもんね。昨日、ニュースで梅雨入りしたとかって言ってたっけ。・・・どうりで頭が痛いわけだ》
昔はそうでもなかったのに、3年くらい前?イヤ、一昨年くらいからだったか、梅雨の時期になると頭痛が不定期に起こるようになった。
この頭痛は残念ながら調子が良くなった好影響には含まれておらず、いくつかある悩みの1つとして今も私を苦しめている。
痛みが軽度で短時間だったり重度で長時間だったりと頭痛の程度は毎回バラバラで厄介なことにいつ頭痛が襲ってくるのか分からず、こちらの状況なんてお構いなしのおまけつきだ。
どんなに気分が良くても一瞬で不快な気分に叩き落としてくれる。
ただ、唯一の救いというか、このおかしな頭痛は梅雨の間だけ起こるという不思議な特徴があった。
梅雨以外はまるで何ともなく、あとはたまに引く風邪が煩わしいくらいだった。梅雨の頭痛とたまに引く風邪以外は特に問題なく健康的に過ごしている。
頭痛に関しては頭痛薬だって飲んでいる。市販されているモノではなく病院できちんと処方された薬を。
しかし、まったく効果がない。
病院を変えたりもしてみたけど、いまだに頭痛を鎮めてくれる薬に出会っていないのが現状だ。こうも効果がないと、何か特殊な病気なのではないかと疑いたくなってくる。
実際、何度か医者から検査入院を勧められたこともあった。
ココまで原因不明で効果のある薬もないとなると医者としては当たり前の行動だと思う。
だけど、梅雨の約1ヶ月半という微妙な期間に加えて頭痛の程度もかなり振り幅があり、もしかしたら、ただの低気圧による頭痛の可能性もあるわけで・・・。
でも、低気圧が原因なら頭痛薬でどうにかなるんじゃないかとも思うし。かと言って、頭痛薬で治せてないこの現状。
そうやって色々考えていると、思考が堂々巡りになって面倒臭くなり、そこまで深刻ではないだろうという結論に至っては毎回やんわり断っていた。
それに『色々考えられる』時点でまだ余裕があるという証拠なのかもしれない。
毎回頭をギチギチに絞め上げられるような激痛が襲ってくるなら即入院も考えたけど・・・。
ちなみにネットに載っている頭痛解消法とかも色々試してみた。が、やはりどれも解決には至らなかった。
という諸々の理由があって、私は梅雨が大嫌いになってしまった。
「き!!・・・まぁ!!!」
《き・・・ま・・・??男の声・・・?》
どこからか聞こえてくる男の怒号が脳内を駆けめぐり頭痛と相まってガンガン響く。
というか、スゴイ耳障り。
《人がせっかく気持ちよく眠っているのに・・・。ん??・・・眠っている?私が?・・・どこで・・・?》
「貴様ぁ!!また宿題を忘れたのかぁ!!!??」
《!!??》
男の怒号がはっきり聞こえて自分の状況を理解する。
《あー、思い出した。自分が現在どこにいて何をしているのか完全に思い出した。最悪な思い出し方だけど・・・》
私は今、ルドベキア女学園にいて現在死ぬほど嫌いな倫理の授業中だった。
《あぁそうだそうだ、間違いない。危うく居眠りするところだったんだ。・・・危な》
男の怒号で現実に引き戻された私はすっかり気分が悪くなってしまった。しかし、今はそんなことを言ってる場合でもなかった。
いきなり顔を上げると危険なので、念のため自分の机の周囲に絞って薄目を開いて確認する。
「・・・・・・・・・・・・」
《・・・・・・よし》
どうやら怒られているのは私ではないらしい。
もう1つ幸運なことに無意識に頬杖をしていたらしく、何とか首の皮一枚のところで助かっていたことが分かった。
もしも、おでこと机がキスするような居眠りをしていたらと思うと・・・、ホントに危なかった。
私は頬杖をやめて教科書をパラパラとめくり、それとなく授業に集中している風の態度に切り替え何事も無かったかのように振る舞う。
・・・頭を腕一本で支えていたせいか少し腕が痺れている。何回か腕を回して痺れを和らげたいところだがそんなことしたら教師に即ロックオンされてしまう。むしろ、腕の痺れ程度で済んで良かったと思うべきだ。
私の席は真ん中より少し後方の窓側にあり、窓の外を横目で見ると大雨が降っておりパチパチと雨が力強く窓を叩いていた。
さっきウトウトしているときに聞こえた音の正体はこれだったらしい。
グラウンドにはいくつもの大きな水たまりが現れ、尚も容赦なく降り続く雨が水たまりをさらに巨大化させている最中だった。
水たまり同士がアメーバみたいに繋がっていく様は梅雨のどんよりとした雨雲の灰色と悪い意味でマッチして、見ていてあまり気持ちの良い風景ではなかった。
突然、頭が痛む。
ザーーー・・・。
《何だろうこの音・・・》
どこからか聞き慣れた音が聞こえてきた。
ザーーーパチパチ、パチパチ・・・。
《何かが壁を叩いているような。・・・砂?イヤ、違う》
私はしばらく音の正体を探ろうと耳をそばだてた。そして数秒もしないうちにあることに気づく。
《あ、そうか。雨だ・・・。6月だもんね。昨日、ニュースで梅雨入りしたとかって言ってたっけ。・・・どうりで頭が痛いわけだ》
昔はそうでもなかったのに、3年くらい前?イヤ、一昨年くらいからだったか、梅雨の時期になると頭痛が不定期に起こるようになった。
この頭痛は残念ながら調子が良くなった好影響には含まれておらず、いくつかある悩みの1つとして今も私を苦しめている。
痛みが軽度で短時間だったり重度で長時間だったりと頭痛の程度は毎回バラバラで厄介なことにいつ頭痛が襲ってくるのか分からず、こちらの状況なんてお構いなしのおまけつきだ。
どんなに気分が良くても一瞬で不快な気分に叩き落としてくれる。
ただ、唯一の救いというか、このおかしな頭痛は梅雨の間だけ起こるという不思議な特徴があった。
梅雨以外はまるで何ともなく、あとはたまに引く風邪が煩わしいくらいだった。梅雨の頭痛とたまに引く風邪以外は特に問題なく健康的に過ごしている。
頭痛に関しては頭痛薬だって飲んでいる。市販されているモノではなく病院できちんと処方された薬を。
しかし、まったく効果がない。
病院を変えたりもしてみたけど、いまだに頭痛を鎮めてくれる薬に出会っていないのが現状だ。こうも効果がないと、何か特殊な病気なのではないかと疑いたくなってくる。
実際、何度か医者から検査入院を勧められたこともあった。
ココまで原因不明で効果のある薬もないとなると医者としては当たり前の行動だと思う。
だけど、梅雨の約1ヶ月半という微妙な期間に加えて頭痛の程度もかなり振り幅があり、もしかしたら、ただの低気圧による頭痛の可能性もあるわけで・・・。
でも、低気圧が原因なら頭痛薬でどうにかなるんじゃないかとも思うし。かと言って、頭痛薬で治せてないこの現状。
そうやって色々考えていると、思考が堂々巡りになって面倒臭くなり、そこまで深刻ではないだろうという結論に至っては毎回やんわり断っていた。
それに『色々考えられる』時点でまだ余裕があるという証拠なのかもしれない。
毎回頭をギチギチに絞め上げられるような激痛が襲ってくるなら即入院も考えたけど・・・。
ちなみにネットに載っている頭痛解消法とかも色々試してみた。が、やはりどれも解決には至らなかった。
という諸々の理由があって、私は梅雨が大嫌いになってしまった。
「き!!・・・まぁ!!!」
《き・・・ま・・・??男の声・・・?》
どこからか聞こえてくる男の怒号が脳内を駆けめぐり頭痛と相まってガンガン響く。
というか、スゴイ耳障り。
《人がせっかく気持ちよく眠っているのに・・・。ん??・・・眠っている?私が?・・・どこで・・・?》
「貴様ぁ!!また宿題を忘れたのかぁ!!!??」
《!!??》
男の怒号がはっきり聞こえて自分の状況を理解する。
《あー、思い出した。自分が現在どこにいて何をしているのか完全に思い出した。最悪な思い出し方だけど・・・》
私は今、ルドベキア女学園にいて現在死ぬほど嫌いな倫理の授業中だった。
《あぁそうだそうだ、間違いない。危うく居眠りするところだったんだ。・・・危な》
男の怒号で現実に引き戻された私はすっかり気分が悪くなってしまった。しかし、今はそんなことを言ってる場合でもなかった。
いきなり顔を上げると危険なので、念のため自分の机の周囲に絞って薄目を開いて確認する。
「・・・・・・・・・・・・」
《・・・・・・よし》
どうやら怒られているのは私ではないらしい。
もう1つ幸運なことに無意識に頬杖をしていたらしく、何とか首の皮一枚のところで助かっていたことが分かった。
もしも、おでこと机がキスするような居眠りをしていたらと思うと・・・、ホントに危なかった。
私は頬杖をやめて教科書をパラパラとめくり、それとなく授業に集中している風の態度に切り替え何事も無かったかのように振る舞う。
・・・頭を腕一本で支えていたせいか少し腕が痺れている。何回か腕を回して痺れを和らげたいところだがそんなことしたら教師に即ロックオンされてしまう。むしろ、腕の痺れ程度で済んで良かったと思うべきだ。
私の席は真ん中より少し後方の窓側にあり、窓の外を横目で見ると大雨が降っておりパチパチと雨が力強く窓を叩いていた。
さっきウトウトしているときに聞こえた音の正体はこれだったらしい。
グラウンドにはいくつもの大きな水たまりが現れ、尚も容赦なく降り続く雨が水たまりをさらに巨大化させている最中だった。
水たまり同士がアメーバみたいに繋がっていく様は梅雨のどんよりとした雨雲の灰色と悪い意味でマッチして、見ていてあまり気持ちの良い風景ではなかった。
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