不思議体験・外伝。

ポンポコポーン

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「保険金はベンツの価格」狙いは人身事故。

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彼女が亡くなった日に交通事故にあった。


・・・・そして、翌月も・・・・そして、翌月も。


3カ月連続で交通事故にあった。


言ってみれば、


「命日」ごとに、


ボクは、交通事故にあわされたことになる。



ボクは、

彼女が亡くなったことを知らなかった。


だから、

最初、



「カズくん・・・カズくん・・・・

早く気づいて・・・・」



そう、彼女が訴えかけての「3カ月間」だと思った。


・・・・じっさい、

彼女の死を、お母さんから聞かされて、事故は終わった・・・


ここからも、


今回の事故が、

彼女が引き起こしたんだと思う理由だ。




「カズくん・・・カズくん・・・早く気づいて・・・・」



そこからの、


「3度の交通事故」だと思っていた。



・・・・違った。



「彼女の狙いは人身事故だった」



・・・・そう気づいた。



彼女が亡くなった。


「メルセデスベンツ・AMG」を遺品としてボクに譲る。



話は、


そう、簡単な事じゃない。


なんといっても、



「高価な車」だ。



新車価格で1,000万円という車だ。



「遺品で貰ってください」


「わかりました」



そんな簡単な話じゃない。



・・・・事実、

ボクは、逃げてしまった。



1, 000万円もの車を、

「遺品」とはいえ、


「タダ」でもらうわけにはいかない。


いや、

お母さんとかは、

「お金はいりません」


そう言うかもしれない。


しかし、

いい大人が、


「遺品」とはいえ、

そこまでに高価な品だ。

まったくの「無料」で貰い受けるわけにはいかないだろうと思う。


ボクが考えたのは、



新車価格1,000万円。


現状での中古車価格が、600~700万円ってとこだった。・・・・まだ、比較的新しい車だったからな。


・・・・ということは、買取とか、下取り価格は500万、600万円ってとこだろう。


だったら、


「遺品」


として譲り受ける。


その半額の「300万円」くらいが、

全てが丸く収まる金額かと思った。



・・・・そして、


その金額が、


とても用意できないボクは、


逃げ出すように、彼女の邸宅を後にしたんだった。



「3度の交通事故」



彼女の狙いは、


その「費用」を捻出することにあったのではないか。

・・・・今は、そう考えている。



リハビリに約1年通った。


その後に、


事故の清算をおこなった。


損害賠償。

慰謝料・・・・



それら諸々で、ボクが受け取った金額は、


300万円強といった金額になっていた。



・・・見事に、

彼女の遺品、

ボクが支払おうとした代金に合致していた。



・・・・・・話ができすぎている。



金額を見て、震えた。



・・・・・そうか、


彼女の狙いはこれだったんだ。




ボクが、


「彼女のAMG」を譲り受けるには、


「300万円強」の金額を手にしなければならなかった。



それを捻出することが、

彼女の狙いだったんだろう。



・・・・しかし、

ここにも、


「不思議な話」が出てくる。



「保険金300万円強」



その金額に到達するには、

いくつかの「偶然」が・・・・「条件」が重ならなければできなかった。



まず、

ボクの車が「全損」・・・・廃車となること。

・・・・・これによって、


車両に関しての、

最大限の、


「損害賠償」が受けられる。



・・・・しかし、


そもそもが、


ボクが乗ってた、

中古アクアでは、


どう転んでも「300万円」の金額はつかない。



「物損事故」であるかぎり、


300万円には、とうてい到達しない。



そこで、


「人身事故」が必要だった。



しかし、


じっさいに、

ボクに「大怪我」をさせてしまっては、元も子もない。



「救急車を呼ぶ」


「人身事故」となる、


その「最小限の事故」が必要だった。


彼女は、


これを狙ったのではないだろうか。




「1度目の交通事故」



車はグチャグチャだった。


とても、自走できる状態じゃなかった。・・・・ハンドルが変な方向を向いていた。



「救急車を呼びますか?」


加害者からも、

警察官からも言われた。


しかし、


ボクは、



断ってしまった。



仕事がたてこんでいたからだ。


救急車を呼ばれてしまっては、

強制的に入院させられる。


それを避けたく、

救急車を呼ばなかった。



・・・・彼女の目論見が外れた。




・・・・・それで、



「2度目の交通事故」が起こった。



・・・・しかし、


これは、「不発」に終わる。


互いのミラーだけを弾き飛ばした「物損事故」に終わる。



考えてみれば難しい。



救急車を呼ぶほどの「人身事故」でありながら、

ただし、

ボクに、大怪我を負わせてはならない。



・・・・それで、



「3度目の交通事故」だった。



軍用車ほどの「重車両」を、


ボクの車に突っ込ませた。



車は、

後ろ部分がグシャグシャになっていた。


ボクは、


意識はあったものの、


さすがに、


「立てなかった」


自力で、

車から降りられなかった。


腰。首。背中に強烈なダメージを受けていた。


問答無用で「救急車」となったんだった。



彼女の目論見は、

最初のハードルはクリアーした。



・・・・しかし、

これだけでは、


「保険金300万円強」には届かなかった。



このあと、

いくつもの条件が、

いくつもの偶然が重なって、


目的が達成されていくんだった。


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