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数日後、四人は少しずつこの場所での生活に慣れてきた。行村は狩猟に折花姫は飯の支度、翁と姥は畑の開拓と洗濯とそれぞれの役割をして静かに生活をしていたのである。
しかし、そんな静かな生活は長くは続かなかった。翁は山から薪を持って長者舎の小屋へ帰る途中、森の周りに不自然な格好をした人達が歩いていた。だがそれは近づくにつれてはっきりと分かった。鎧を身に付け刀を持っている、そう織田の追手であったのだ。
翁は気づかれないように森を進んで急ぎ小屋へと戻ると家にいた行村と折花姫、姥に知らせるのであります。
「行村殿! 姫様! 織田の追手がこちらまで迫っておりまする!」
「な、何じゃと⁉︎ ここまで来るとは……」
「と、とにかくお逃げ下さい」
すると行村は姫の所へ行くと肩に手を触れながら言った。
「娘よ、お前は爺やと婆やと一緒に逃げなさい」
「——嫌です、嫌です父上! 一緒に逃げようよ……」
「それは出来ぬ、奴らの狙いはこのワシじゃ。いいかい、ワシが敵を引き寄せる間に逃げるんだ。——たとえ小山田が滅ぼうともせめてお前だけでもどうか生き延びてほしい……」
追手はもうすぐ小屋の方まで迫ろうとしている。
行村は姫を優しく抱きしめて、別れを告げた。
「さらばじゃ」
刀を持って行村は小屋の外に出ると、山へ入り大きな声で叫んだ。
「織田の者よ、ワシはここじゃ! 打ち取りたければここへ来て戦うがいい!」
叫び声を聞いた織田の追手達は急ぐように声のする方へと走る。そして一人の追手が行村の姿を見つけるとすぐに仲間へと伝えた。
「いたぞー! 小山田の残党じゃー!」
行村が囮となっている間に折花姫と翁、姥は小屋を出て、神之川へと逃げた。刀を持った翁が先導し、次に折花姫、そして姥が後ろを見るようにしながら三人は走り出す。
すると山の方から叫び声が聞こえた。
「グワァァァ! ……」
それは行村の声だった。行村は追手達との交戦中に放たれた矢が胸に刺さって息を引き取ったのです。
その叫び声は逃亡する三人にも聞こえて後ろを振り向き、それが行村であることをすぐに分かった。
「ち、父上ーーー!」
そう叫んだのは姫であった。もし声を出してしまえば追手にバレてしまうのは姫自身にも分かっていたけれども、父が今殺された瞬間が耐えきれなくなってしまい、つい涙を流して声を出してしまったのです。
奥から聞こえた声に追手達はすぐに気がつき、他にも小山田の者がいることを分かると、急ぎ声のする方へと走り出した。
「他にもいるぞ、探せ!」
逃亡している事をバレた三人は急いで神之川沿いを進んで逃げ始める。
「姫様、急ぎましょう。行村様の為にここは生きて逃げるのです!
「……はい……」
翁は折花姫にそう言うと姫の手を掴みながら走り、姥もそれに続くようにして走った。姫は父の死を弔うように念仏を唱えながら奥へと消えていくのであります。——
しかし、そんな静かな生活は長くは続かなかった。翁は山から薪を持って長者舎の小屋へ帰る途中、森の周りに不自然な格好をした人達が歩いていた。だがそれは近づくにつれてはっきりと分かった。鎧を身に付け刀を持っている、そう織田の追手であったのだ。
翁は気づかれないように森を進んで急ぎ小屋へと戻ると家にいた行村と折花姫、姥に知らせるのであります。
「行村殿! 姫様! 織田の追手がこちらまで迫っておりまする!」
「な、何じゃと⁉︎ ここまで来るとは……」
「と、とにかくお逃げ下さい」
すると行村は姫の所へ行くと肩に手を触れながら言った。
「娘よ、お前は爺やと婆やと一緒に逃げなさい」
「——嫌です、嫌です父上! 一緒に逃げようよ……」
「それは出来ぬ、奴らの狙いはこのワシじゃ。いいかい、ワシが敵を引き寄せる間に逃げるんだ。——たとえ小山田が滅ぼうともせめてお前だけでもどうか生き延びてほしい……」
追手はもうすぐ小屋の方まで迫ろうとしている。
行村は姫を優しく抱きしめて、別れを告げた。
「さらばじゃ」
刀を持って行村は小屋の外に出ると、山へ入り大きな声で叫んだ。
「織田の者よ、ワシはここじゃ! 打ち取りたければここへ来て戦うがいい!」
叫び声を聞いた織田の追手達は急ぐように声のする方へと走る。そして一人の追手が行村の姿を見つけるとすぐに仲間へと伝えた。
「いたぞー! 小山田の残党じゃー!」
行村が囮となっている間に折花姫と翁、姥は小屋を出て、神之川へと逃げた。刀を持った翁が先導し、次に折花姫、そして姥が後ろを見るようにしながら三人は走り出す。
すると山の方から叫び声が聞こえた。
「グワァァァ! ……」
それは行村の声だった。行村は追手達との交戦中に放たれた矢が胸に刺さって息を引き取ったのです。
その叫び声は逃亡する三人にも聞こえて後ろを振り向き、それが行村であることをすぐに分かった。
「ち、父上ーーー!」
そう叫んだのは姫であった。もし声を出してしまえば追手にバレてしまうのは姫自身にも分かっていたけれども、父が今殺された瞬間が耐えきれなくなってしまい、つい涙を流して声を出してしまったのです。
奥から聞こえた声に追手達はすぐに気がつき、他にも小山田の者がいることを分かると、急ぎ声のする方へと走り出した。
「他にもいるぞ、探せ!」
逃亡している事をバレた三人は急いで神之川沿いを進んで逃げ始める。
「姫様、急ぎましょう。行村様の為にここは生きて逃げるのです!
「……はい……」
翁は折花姫にそう言うと姫の手を掴みながら走り、姥もそれに続くようにして走った。姫は父の死を弔うように念仏を唱えながら奥へと消えていくのであります。——
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