ジィジ宮・バァバァ宮

士鯨 海遊

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 追手はしばらく川の奥にある森で捜索をしていた。すると森の奥から頭に頭巾を被りながら着物を着用して走る女の姿が見えた。

 「おい、誰かいるぞ!」
 追手達はすぐにその女を追いかけ始めた。
 「そこの女、待て!」
 そう言うが女は言うことを聞かずにそのまま逃げようとしているのである。
 「逃すな、捕まえろ!」
 森の中を走り、追手達は必死に頭巾の女を追いかけ続け、やっとのことで捕らえることができた。

 「そういえばさっき討った行村という奴には娘もいるそうだぞ」
 「よし、この女の頭巾を奪え」
   一人の追手が女の頭巾を取り上げると顔が見えた。しかしそれは行村の娘ではなく、老けた顔をした姥だったのであります。
 「こいつ……、娘ではないぞ!」
 すると姥は隙をついて隠し持っていた自分の懐剣で頭巾を取り上げた追手の胸を刺す。
 「グワァ……」
 姥は一人の追手を殺した。
 「この姥、やりやがったぞ」
 追手達は刀を構える。
 姥は立ち上がり、懐剣を持ちながら鬼の顔のような赤い目をして叫ぶ。

 「姫様の所へは行かせぬ!!!」
 そう言うと姥は叫びながら追手達に突撃するように走った。
 「構わん、その姥を斬れ!」
 追手は刀を握り突撃する姥の前で刀を振り下ろす。刃は姥の上半身に当たりそのまま斬った。
 姥は倒れ込み、斬られた上半身は大量出血を起こしてしまい付着する地面の土はすぐに血に染められた。急所を斬られもう動くことも呼吸することも困難になり、姥は最後に小さく「姫さま……」と言うと息を引き取って死んだ。——
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