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暇つぶし
騒動②
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心に傷を負った麗華が、お風呂を目指して歩いていると、
深夜から今朝まで見た物や、味わった感触が全身をざわつかせる。
そのときに味わってしまった――諦めとは違う、あの感情。あの快感。
子宮に溜まっていた熱が広がり、下半身がそれを求めて小刻みに震えた。
(まだ……まだなの。早く乾いて……どうして、濡れていくの?)
麗華は火照る身体を必死に抑えながら、
背筋を伸ばし、胸を張り、膝を軽く曲げて、ゆっくり歩いている。
そうやっている理由は、粘液が飛び散らないようにするためだったが、
今では火照った場所に刺激を与えないようにと足を運んでいた。
そんな目立つ歩き方に、
異性の視線は、胸元や太腿へと興味深く絡みつき、
同性は、苛立ちや殺意までもが混じった顔で麗華を見ていない。
――……見ないで……いや……はあ、はあ。もう、止まって……
首筋を伝った汗が、背中を滑り、お尻を伝って、やがて女性器へ。
もちろん汗が、お尻の谷間から割れ目に流れてきた事に焦ってしまい、
――これは粘液? それとも汗? まさか体液? 臭いのは…愛液?
心臓は速く打ち、頬は赤くなり、一段と子宮が疼き、男の肉棒を求める。
やっと早朝のざわついた脱衣所に辿り着いた時も、
周りからの視線はなおも絡みつき、そんな中で浴衣の帯を解く。
「パリ…ペリ……カサ」
――肌に貼りついた布が、嫌な音を立てて落ちていく。
床に散ったのは、ほつれと穴だらけの布切れ。
しかし、それを周りの男達が見ることもない。
「すみません…色々あって…あはは…いやぁ~、なんででしょうね」
麗華は、自分の裸が周りから見られているのに、少しも隠さず、
大きな乳房が垂れ下がっていくのに、腰を大きく曲げて、
濡れた割れ目が見えているのに、お尻を突き出すように、
必死に落ちた残骸を拾う。
その時にも…また布が破れ…拾い…濡れた場所を、
自分の裸体を誇るように、腰や乳房を振って視線を集めた。
――あぁ……やっぱり……仕方ない。溶けてた……やっぱり……
麗華は苦笑を浮かべているが、心の奥には焦燥や興奮が渦巻いていく。
(今も見られている…そんなに変? やっぱり臭うの?)
老人ほど近くで、自分の身体を覗いてくる人はいないが、
少し離れた場所から、熱い視線を送る男達はいた。
麗華は絡みつく視線を感じながらも、ユックリ洗い場へ足を進め、
鏡に映る自分の姿を見た瞬間に、優越感と緊張が走った。
――やっぱり……そうよね。ふふ……。
麗華は、どこか嬉しそうに笑いながら腰を下ろし、
前に一人で身体を洗っていた時の事を思い返す。
服は溶ける――なら、全裸で挑めばいい。そう、溶けなかった。
大型ナメクジ――もう少しで倒せた。けれど小型が群がって邪魔をした。
もしまた、あの小さな群れに囲まれたら…
巨大な二匹を同時に、それ以上の数が出てきたら…
実は、それ以外の色々なナメクジがいるのかも…
(無理……無理よ。斬撃耐性。自動修復。軟体動物。そして……体液に粘液)
想像しただけで背筋に寒気が走り、同時に全身が震える。
――正面突破はない。一瞬で倒せなければ……あの、あれが……あの中に。
桶の湯面を見つめて、額に手を当てると、
ナメクジに囲まれて、全身が粘液まみれになった状況を思い出す。
その想いの中に、怒りとは別の熱い感情が混じっていた。
(エロナメクジ……絶対に許さない。お前に溶かされた髪!
陵辱された心! 本当に、それだけ? 本当に? 実は……)
熱めのお湯を全身に浴び、
石鹸を泡立て、首筋から腕、指の間まで丁寧にこする。
――あのヌルヌル……あぁ、この蕩けてるような……あの感触……
騒動②
深夜から今朝まで見た物や、味わった感触が全身をざわつかせる。
そのときに味わってしまった――諦めとは違う、あの感情。あの快感。
子宮に溜まっていた熱が広がり、下半身がそれを求めて小刻みに震えた。
(まだ……まだなの。早く乾いて……どうして、濡れていくの?)
麗華は火照る身体を必死に抑えながら、
背筋を伸ばし、胸を張り、膝を軽く曲げて、ゆっくり歩いている。
そうやっている理由は、粘液が飛び散らないようにするためだったが、
今では火照った場所に刺激を与えないようにと足を運んでいた。
そんな目立つ歩き方に、
異性の視線は、胸元や太腿へと興味深く絡みつき、
同性は、苛立ちや殺意までもが混じった顔で麗華を見ていない。
――……見ないで……いや……はあ、はあ。もう、止まって……
首筋を伝った汗が、背中を滑り、お尻を伝って、やがて女性器へ。
もちろん汗が、お尻の谷間から割れ目に流れてきた事に焦ってしまい、
――これは粘液? それとも汗? まさか体液? 臭いのは…愛液?
心臓は速く打ち、頬は赤くなり、一段と子宮が疼き、男の肉棒を求める。
やっと早朝のざわついた脱衣所に辿り着いた時も、
周りからの視線はなおも絡みつき、そんな中で浴衣の帯を解く。
「パリ…ペリ……カサ」
――肌に貼りついた布が、嫌な音を立てて落ちていく。
床に散ったのは、ほつれと穴だらけの布切れ。
しかし、それを周りの男達が見ることもない。
「すみません…色々あって…あはは…いやぁ~、なんででしょうね」
麗華は、自分の裸が周りから見られているのに、少しも隠さず、
大きな乳房が垂れ下がっていくのに、腰を大きく曲げて、
濡れた割れ目が見えているのに、お尻を突き出すように、
必死に落ちた残骸を拾う。
その時にも…また布が破れ…拾い…濡れた場所を、
自分の裸体を誇るように、腰や乳房を振って視線を集めた。
――あぁ……やっぱり……仕方ない。溶けてた……やっぱり……
麗華は苦笑を浮かべているが、心の奥には焦燥や興奮が渦巻いていく。
(今も見られている…そんなに変? やっぱり臭うの?)
老人ほど近くで、自分の身体を覗いてくる人はいないが、
少し離れた場所から、熱い視線を送る男達はいた。
麗華は絡みつく視線を感じながらも、ユックリ洗い場へ足を進め、
鏡に映る自分の姿を見た瞬間に、優越感と緊張が走った。
――やっぱり……そうよね。ふふ……。
麗華は、どこか嬉しそうに笑いながら腰を下ろし、
前に一人で身体を洗っていた時の事を思い返す。
服は溶ける――なら、全裸で挑めばいい。そう、溶けなかった。
大型ナメクジ――もう少しで倒せた。けれど小型が群がって邪魔をした。
もしまた、あの小さな群れに囲まれたら…
巨大な二匹を同時に、それ以上の数が出てきたら…
実は、それ以外の色々なナメクジがいるのかも…
(無理……無理よ。斬撃耐性。自動修復。軟体動物。そして……体液に粘液)
想像しただけで背筋に寒気が走り、同時に全身が震える。
――正面突破はない。一瞬で倒せなければ……あの、あれが……あの中に。
桶の湯面を見つめて、額に手を当てると、
ナメクジに囲まれて、全身が粘液まみれになった状況を思い出す。
その想いの中に、怒りとは別の熱い感情が混じっていた。
(エロナメクジ……絶対に許さない。お前に溶かされた髪!
陵辱された心! 本当に、それだけ? 本当に? 実は……)
熱めのお湯を全身に浴び、
石鹸を泡立て、首筋から腕、指の間まで丁寧にこする。
――あのヌルヌル……あぁ、この蕩けてるような……あの感触……
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