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第8話 そうだ、迅さんとこにいこう!幸せのおすそわけ。
しおりを挟む「よー颯太。ごきげんだな」
「迅さん!」
どデカい足袋の中に詰まった甘いものを子供達に配る颯太に呆れ気味に声をかける迅。
「景気がいいとゆうか、大盤振る舞いとゆうか。」
むっ。
迅さんはいつもこれだよ。オレがやってることにいちいち水をささないで欲しい。
「なんだなんだ、天慶さまからまたせしめてきたのか?大概にしとけよ!」
「違いますよっ」
あせあせっ!
確かにいつも天慶さまのところに届いた貢ぎ物を持ち出してるけど...。
「迅さん、これとっても甘い!」
「颯太兄ちゃん、ありがとう!」
子供達に囲まれると自然、笑顔になる迅さん。
口は悪いけど悪い人じゃないんだよね。
「よかったな 颯太兄ちゃんはどデカい金袋をもってるから。かわいがってもらっとけよ。」
はっ?それどうゆう意味!むかっ!
子供たちはとゆうと、
よくわからないけど迅さんがそうゆうんならきっとお金持ちなんだろーか?
痩せこけて、冬だとゆうのに袖の短い寒そうな格好して着るものにも困ってそうだけど??
「はーい!」
しかし、きっとこんなに甘いものをいっぱーいくれるんだから!
「颯太兄ちゃーーあん♥️」
もっとくれー!すりすり。
こらっ!オレ複雑なんですけどー...。
とほほ。
悪い人じゃないかと思ったらこれだよっ。ぴえん。
でも迅さんを囲んで楽しそうに笑う子供たち。
あの時は、めっちゃ不安げで、
(この人について行って大丈夫なのか?)
って感じだったけど、今はしっかり懐いてて。
「迅さんこの子達どうです?」
「ああ、いい仕事してくれてる。」
ふふ。
迅さんのゆう仕事はなにも、日がな荷物を運んだり畑仕事をしたりとゆう訳じゃない。
小さな子供の力で一日働いても、たかが知れてる。
せいぜい炊き出しの手伝いとか、何かとってきてってゆうくらいなもの。
この子達は走り回って遊ぶのが仕事。
そして帰ってきたらどこで何をしてきたか?
そこでどんな話をきいたか?
を、話すのが仕事だ。
小さな子供はいろんなところにもぐりこめる。
人前でできない秘密の...、旨い話もやばい話も子供が聞いて覚えて迅さんの耳に入れてるとは誰も思わない。
みんな、迅さんの目となり耳となりいろんな話を聞き込んでくる。おもしろがってきいてくれる迅さんにいっぱいお話したいから。
子供達はそれで足を鍛え、道を覚え、言葉や世の中が今どうなってるのか見る力をつけ、情報を運んできて...。
迅さんは別になんか特別に指令したり命令したりなんかしないけど、そんなことをしなくても子供達の方が感じとって迅さんに有益になる情報を勝手に集めてくるようになる。
おもしろがってきいてくれる迅さんがあっと驚くような話がしたいから。
そんなことをしているうちにどんどん頭もよくなり体も鍛えられて使い物になったころ役目を与えられる。
「迅さんは、やばいけどいい人なのに...。」
「んっ?で、お前の方はどうなんだ?可愛がってもらってんだろー。この大盤振る舞い。
にやにや
どんなご奉仕したんだ?」
むっ。
これさえなきゃ!
迅さんがゆうアレなことはしてないけど、まあ大盤振る舞いの原因が天慶様であることには違いない。
足袋の中の贈り物はきっと天慶さまやみんなが用意してくれたに違いない。
だって夜中、みんなのひそひそ話す声が聞こえてたから。
だけど天慶さまからいただいたのはそれだけじゃない。
「お前が捨てられてたのは幸運だったな。」
思い出すと顔が緩んで恥ずかしいが、この言葉はなにより嬉しかった。
これからは小さな子供に在りし日の自分を映して、相あわれむ、ような...。明日をもしれない、みたいな気持ちじゃなくて。
きっと誰かがまってるから、その誰かに出会うために頑張って生きてね、と。
そんな気持ちになれたのってすごい贈り物じゃない?
いつも複雑な気持ちでみてたものを見る度に元気づけられるって!
そんな天慶さまにオレは何ができるんだろう?
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