151 / 368
第5話:『六本木ストックホルダー』
◆03:嫌煙職場と元刑事-2
しおりを挟む
いつもの応接間に入ると、そこには二人の先客が居た。一人は我がアシスタント七瀬真凛。そしてもう一人、真凛の隣に座っている、よれよれの背広の男におれは声をかける。
「お呼びですか、須江貞チーフ」
「ああ。また連荘させてしまってスマンな。新たな任務だ」
そう言って、彼、我らがチーフたる須江貞俊造がおれに席を勧めてくれた。
一言で言って、くたびれた印象の男である。
おれのような一般市民はさておいて、この事務所に所属する連中が良くも悪くも際立った印象を与えるのに比べると、基本的に平均的な日本人の男性の範疇を出ない。
歳はまだ三十半ば。二十代の頃徹底的に鍛え上げたのであろう体躯は、今もなお贅肉を寄せ付けていない。短めに刈りこんだ頭髪と、薄く無精髭の浮いた顎。その顔はまあ、どちらかと言えば整っている部類に入るだろう。
いずれのパーツも素材はそう悪く無いはずなのだが、年季の入った背広、しみついた煙草の臭い、やつれた頬あたりが、なんとなくうらぶれたオーラを醸成しているような気がする。有態に言えば、徹夜続きの刑事そのものである。
それもそのはず、もともと須江貞チーフは本庁でも腕利きで知られた刑事だったのだ。紆余曲折を経て警察を去り、経理の桜庭さんの伝手でウチに就職したのが数年前。創立メンバーである所長と桜庭さんに次ぐ最古参である(と言ってもそもそも十人程しかいないわけだが)。
チーフとは言っても先の理由により、あまり現場でおれや直樹とコンビを組む事は無い。普段はもっぱら外交――すなわち、他の派遣会社や依頼主、あるいはターゲットである企業との揉め事を、オモテ、ウラに関わらず処理している。
実はいつぞやおれ達がザラスの地下金庫から金型を奪還したときも、ザラス上層部からの有形無形の圧力があったものだ。それをきちっと排除してくれたのが、他ならぬチーフである。
そんなチーフが現場に出張ってくる場合は二つ。一つは、前に言ったかも知れないが、ウチの総力を結集するとき。実働部隊の文字通りチーフとして指揮をとる。
そしてもう一つは、前職の経験を生かした任務。例えば、捜査、追跡、立証を中心とする仕事はチーフの独壇場である。また、おれ達ガキんちょ部隊には手の余る、ダークな要素が介在する案件。あるいはちょいと心霊風味の案件なども主に担当している。
「珍しいですね、羽美さん来音さんに加えてチーフまでが事務所にいるなんて」
おれは真凛に軽く手を挙げて挨拶すると、ソファに腰を沈める。
「ようやくヤヅミの債権回収の件が片付いてな。今度は自分の机の上を片付けるために事務所に顔を出したというわけだ」
管理職であるチーフの机には、おれ達の作製した任務報告書も含めて様々な書類が流れ込んでくる。
事務処理のエキスパートたる来音さんがいるのでそれでも随分軽減されているが、チーフとしての決済を下さなければならないものも多いのだ。本来はそれらを捌きつつ自分の報告書も作らなければならない要職であるわけなのだが、そこは元叩き上げの刑事、現場と書類のどちらを優先させるかは言わずもがな。
かくして主が不在のチーフの机の上にはマリンスノーのように紙の束が降り積もってゆく。羽美さんの研究室とチーフの机の上が、目下の所、我が事務所の二大カオス製造装置なのである。
「そろそろ処理しないと笠桐さんに怒られてしまうからなあ」
この増税路線一辺倒のご時世でも手放さないマルボロを灰皿に押しつけ、チーフはぼやいた。一番事務所にいなければいけない人間の癖に、おれより事務所に顔を出したがらないというのはいかがなものだろう。
「ま、来音さんが怒るかどうかは別として、書類を何とかして欲しいのはおれとしても同感ではありますね」
来音さんが怒るとしたら、多分それは書類が片付かないからではなくアナタが顔を出さないせいです。
「こないだの地震の時は大変だったよね」
真凛がさりげなく灰皿から立ち昇る煙から身をかわす。
「ああ。あれは大変だったな。あのアイガーの北壁のような書類が大崩壊を起こした時はこの世の終わりかと思ったぜ、マジで」
「応接室以外を禁煙にしておいて良かった。灰皿から引火してたら大変だったよ」
「まさしく英断だったな。これはもう、事務所内完全禁煙にしろという天のお告げに違いないだろ」
「……お前達なあ、そうやって遠まわしに社会的マイノリティの喫煙者を追い詰めて楽しいか?」
チーフが泣きそうな顔になる。ウチのメンバーで喫煙組はチーフと羽美さんだけである。仁サンも超人的な体力を維持する為に喫煙は避けているし、所長は『二十歳で卒業した』との事である。
おれは吸えない事もないが、全く美味いと思えないので、カッコをつけるときだけ専門。直樹、来音さんにいたってはそもそも体がニコチンを弾いてしまうので効かないのだそうだ。世界的な禁煙の流れを受けて、とうとうウチも依頼人が訪れる応接以外は全面禁煙になった。
「「タバコは百害あって一利無し」」
おれと真凛の声がハモる。チーフはその声に追いやられるようにソファの隅っこに座りなおし、寂しく天井の換気扇に向かって煙を吐いた。
「いいじゃないかよぅ、独り身三十代の日々で楽しい事って言ったらこれくらいなんだからよぅ」
じゃあ結婚でもすりゃいいのに。テンパイしてるくせにリーチをしないとは何事か。と、おれは今さらながら、普段いない人がいる代わりに、よくいる人がいないことに気づいた。
「そう言えば所長はどうしたんですか?」
「CCCのマハタ社長って人と会食だって」
「……おいおい。そりゃ業界としてはちょっとしたニュースだな」
派遣業界最大手と、派遣業界最問題児の会談となれば、何か色々勘ぐりたくなってしまう。
「ああ。そうだな、お前達には今のうちに言っておくか」
吸殻を灰皿に押し付けたチーフが解説してくれた。
「ひょっとしたらもうすぐ大掛かりな仕事が来るかも知れんのだ。ウチだけでなく、CCCや、他の数社と共同戦線を張るような、な。今日の会食はその調整だ。いずれお前達にも色々頼む事があるかも知れん」
「へぇ……」
もしそれが実現するとしたら、おれも経験したことのないビッグプロジェクトになるだろう。もっとも、それまで何人生き残っているかは知らないが。
「まあ、そう言うわけで、今日は俺が代わりにお前達に依頼を回すと言うわけだ。イズモ・エージェントサービスは知っているな?」
「そういや、依頼の話でしたっけね」
いつまでもヨタ話をしていても仕方がない。おれは応接テーブルの上に置いてあった任務依頼書を手に取った。
「当たり前でしょ。この業界でイズモを知らなかったらモグリですよ」
「ボク、今日初めて知ったんだけど……」
ああ、そりゃそうか。本格的に真凛が調査系の仕事に入るのは、いつぞやの偽ブランド事件以来、二回目だったっけか。
「イズモの仕事っつったら、やっぱり人探しですかね?」
「お呼びですか、須江貞チーフ」
「ああ。また連荘させてしまってスマンな。新たな任務だ」
そう言って、彼、我らがチーフたる須江貞俊造がおれに席を勧めてくれた。
一言で言って、くたびれた印象の男である。
おれのような一般市民はさておいて、この事務所に所属する連中が良くも悪くも際立った印象を与えるのに比べると、基本的に平均的な日本人の男性の範疇を出ない。
歳はまだ三十半ば。二十代の頃徹底的に鍛え上げたのであろう体躯は、今もなお贅肉を寄せ付けていない。短めに刈りこんだ頭髪と、薄く無精髭の浮いた顎。その顔はまあ、どちらかと言えば整っている部類に入るだろう。
いずれのパーツも素材はそう悪く無いはずなのだが、年季の入った背広、しみついた煙草の臭い、やつれた頬あたりが、なんとなくうらぶれたオーラを醸成しているような気がする。有態に言えば、徹夜続きの刑事そのものである。
それもそのはず、もともと須江貞チーフは本庁でも腕利きで知られた刑事だったのだ。紆余曲折を経て警察を去り、経理の桜庭さんの伝手でウチに就職したのが数年前。創立メンバーである所長と桜庭さんに次ぐ最古参である(と言ってもそもそも十人程しかいないわけだが)。
チーフとは言っても先の理由により、あまり現場でおれや直樹とコンビを組む事は無い。普段はもっぱら外交――すなわち、他の派遣会社や依頼主、あるいはターゲットである企業との揉め事を、オモテ、ウラに関わらず処理している。
実はいつぞやおれ達がザラスの地下金庫から金型を奪還したときも、ザラス上層部からの有形無形の圧力があったものだ。それをきちっと排除してくれたのが、他ならぬチーフである。
そんなチーフが現場に出張ってくる場合は二つ。一つは、前に言ったかも知れないが、ウチの総力を結集するとき。実働部隊の文字通りチーフとして指揮をとる。
そしてもう一つは、前職の経験を生かした任務。例えば、捜査、追跡、立証を中心とする仕事はチーフの独壇場である。また、おれ達ガキんちょ部隊には手の余る、ダークな要素が介在する案件。あるいはちょいと心霊風味の案件なども主に担当している。
「珍しいですね、羽美さん来音さんに加えてチーフまでが事務所にいるなんて」
おれは真凛に軽く手を挙げて挨拶すると、ソファに腰を沈める。
「ようやくヤヅミの債権回収の件が片付いてな。今度は自分の机の上を片付けるために事務所に顔を出したというわけだ」
管理職であるチーフの机には、おれ達の作製した任務報告書も含めて様々な書類が流れ込んでくる。
事務処理のエキスパートたる来音さんがいるのでそれでも随分軽減されているが、チーフとしての決済を下さなければならないものも多いのだ。本来はそれらを捌きつつ自分の報告書も作らなければならない要職であるわけなのだが、そこは元叩き上げの刑事、現場と書類のどちらを優先させるかは言わずもがな。
かくして主が不在のチーフの机の上にはマリンスノーのように紙の束が降り積もってゆく。羽美さんの研究室とチーフの机の上が、目下の所、我が事務所の二大カオス製造装置なのである。
「そろそろ処理しないと笠桐さんに怒られてしまうからなあ」
この増税路線一辺倒のご時世でも手放さないマルボロを灰皿に押しつけ、チーフはぼやいた。一番事務所にいなければいけない人間の癖に、おれより事務所に顔を出したがらないというのはいかがなものだろう。
「ま、来音さんが怒るかどうかは別として、書類を何とかして欲しいのはおれとしても同感ではありますね」
来音さんが怒るとしたら、多分それは書類が片付かないからではなくアナタが顔を出さないせいです。
「こないだの地震の時は大変だったよね」
真凛がさりげなく灰皿から立ち昇る煙から身をかわす。
「ああ。あれは大変だったな。あのアイガーの北壁のような書類が大崩壊を起こした時はこの世の終わりかと思ったぜ、マジで」
「応接室以外を禁煙にしておいて良かった。灰皿から引火してたら大変だったよ」
「まさしく英断だったな。これはもう、事務所内完全禁煙にしろという天のお告げに違いないだろ」
「……お前達なあ、そうやって遠まわしに社会的マイノリティの喫煙者を追い詰めて楽しいか?」
チーフが泣きそうな顔になる。ウチのメンバーで喫煙組はチーフと羽美さんだけである。仁サンも超人的な体力を維持する為に喫煙は避けているし、所長は『二十歳で卒業した』との事である。
おれは吸えない事もないが、全く美味いと思えないので、カッコをつけるときだけ専門。直樹、来音さんにいたってはそもそも体がニコチンを弾いてしまうので効かないのだそうだ。世界的な禁煙の流れを受けて、とうとうウチも依頼人が訪れる応接以外は全面禁煙になった。
「「タバコは百害あって一利無し」」
おれと真凛の声がハモる。チーフはその声に追いやられるようにソファの隅っこに座りなおし、寂しく天井の換気扇に向かって煙を吐いた。
「いいじゃないかよぅ、独り身三十代の日々で楽しい事って言ったらこれくらいなんだからよぅ」
じゃあ結婚でもすりゃいいのに。テンパイしてるくせにリーチをしないとは何事か。と、おれは今さらながら、普段いない人がいる代わりに、よくいる人がいないことに気づいた。
「そう言えば所長はどうしたんですか?」
「CCCのマハタ社長って人と会食だって」
「……おいおい。そりゃ業界としてはちょっとしたニュースだな」
派遣業界最大手と、派遣業界最問題児の会談となれば、何か色々勘ぐりたくなってしまう。
「ああ。そうだな、お前達には今のうちに言っておくか」
吸殻を灰皿に押し付けたチーフが解説してくれた。
「ひょっとしたらもうすぐ大掛かりな仕事が来るかも知れんのだ。ウチだけでなく、CCCや、他の数社と共同戦線を張るような、な。今日の会食はその調整だ。いずれお前達にも色々頼む事があるかも知れん」
「へぇ……」
もしそれが実現するとしたら、おれも経験したことのないビッグプロジェクトになるだろう。もっとも、それまで何人生き残っているかは知らないが。
「まあ、そう言うわけで、今日は俺が代わりにお前達に依頼を回すと言うわけだ。イズモ・エージェントサービスは知っているな?」
「そういや、依頼の話でしたっけね」
いつまでもヨタ話をしていても仕方がない。おれは応接テーブルの上に置いてあった任務依頼書を手に取った。
「当たり前でしょ。この業界でイズモを知らなかったらモグリですよ」
「ボク、今日初めて知ったんだけど……」
ああ、そりゃそうか。本格的に真凛が調査系の仕事に入るのは、いつぞやの偽ブランド事件以来、二回目だったっけか。
「イズモの仕事っつったら、やっぱり人探しですかね?」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
負けヒロインに花束を!
遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。
葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。
その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる