382 / 3,179
DIY、闇に潜む
カジノ その01
しおりを挟む賭博場はすぐに見つかった。
眩いネオンがそこで彩りを放ち、欲望を湧き立て餌を取り込もうとしている。
「……ここが、カジノか」
ラスベガスのカジノ……ほどではない。
なぜならそれは、ここがこの街で一番大きな賭博場ではないからだ。
最大規模のカジノには、前提条件として別の場所で一定額の勝利を収めていなければ入ることが許されない。
なので俺は今回、一定額を稼ぐためにここへやってきたのだ。
「なお、貰ったカードにはいくつか小細工が施されていたので使わないのだ。……正規の方法でも、どうせ行けるんだしな」
もちろん、俺がそのカードを使ったという情報が『賭博』に伝達されるし、他にも厄介な効果が付与されている。
ただ、便利な点に関しては嘘が無い。
言っていた機能はおそらくすべて使えるだろうし、カジノにもちゃんと入れる。
「『SEBAS』、頼んだぞ」
《お任せください。最適な形で入場できるように補助します》
そして一呼吸してから、カジノの中へ入っていく。
入口で持ち込んだアイテムを、すべて点検されることになる。
だが、俺の創ったアイテムの偽装能力は凄まじく、何も揉めることなく入場できた。
「中も凄いな……」
《西洋系のものが多いですね。コンセプトがここにある、そう推測できます》
スロットやルーレット、ポーカーなどたくさんのゲームが用意されている。
そこでは少し派手な格好をした者たちが、カジノの結果に一喜一憂していた。
「どれに挑むべきかな? 目押しじゃないから、スロットは論外だが」
《ルーレットで行きましょう》
「分かった、それにしようか」
チップはすでに換金済みで、最高レートのチップが山のように準備できている。
空いているルーレットの席に座り、ゲームが始まるのを待つ。
「お客さん、ルールの方は?」
「いちおう、お願いします」
男のディーラーから説明を聞いてみれば、地球のルールとほぼ同じだった。
違う点としては、魔法やスキルの使用を危惧した制限であろうか。
バレたら賭け金はすべて没収、そうでなくとも強制退場の場合がある。
「では、始めます」
ディーラーは回転する円盤の中に小さな金属の球を入れ、グルグルと回転させていく。
そこに法則性を見つけることはできず、すべては運任せ……俺だけならば。
《解析完了。黒の4です》
了解、と言外に告げるためにチップのうち三分の一をそこに乗せる。
コロコロと回るルーレット台の中で、黒色の下地の上に4と書かれた穴──そこにボールはすっぽりと収まった。
運ゲーじゃなくて、確率ゲーだな。
これなら『SEBAS』が手伝ってくれることで、大儲けができそうだ。
11
あなたにおすすめの小説
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」
みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。
というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。
なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。
そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。
何か裏がある――
相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。
でも、非力なリコリスには何も手段がない。
しかし、そんな彼女にも救いの手が……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる