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DIY、地平線を拝む
宿らないスキル
しおりを挟むアイプスル
「うーん、好い天気だなー」
そもそも、降らせようとでもしない限り天候は悪くならないけどさ。
天を包むナニカによって、世界は未だに黒い空を映している。
魔道具として見つけた陽光を生みだす照明が機能し、今は限りなく現実に等しい環境を生みだせてはいるものの、結局それはまやかしでしかない。
──まあ、妖界に子供たちを連れていく機会はあるので、そのときに本当の光を浴びて楽しんでもらおう。
「こんなときは普通に生産か? なんだか、最近はやってなかった気がするし……」
つい先日、神代魔道具をわざと劣化させた魔道具を作った記憶が新しい。
争いの種を生まないよう、できるだけ制限で縛っておいた魔道具だ……『SEBAS』の協力があって、完全コピーができないはずがないだろう?
《旦那様、それに関して報告が一つ》
「ん、なんだ?」
《やはり、と申しますか……スキルの効果が無い分、品質が落ちてしまいます》
「……いいアイデアだと思ったんだがな。こればかりは、民にやってもらう必要があるのか。風兎に報告しないと」
そうして、俺は無限の兵力を得た。
しかし争いの無いこの世界において、彼らの役割など第一次・第二次産業への従事ぐらい……しかし、地球とは異なりこの世界ではそれを望むのは難しいようだ。
品質の維持がスキルの高さや実行者の技術力で決まるこの世界では、高品質を求める者に機械化を勧めていないと分かる。
魂のない機械には、スキルが宿らない。
アンデッドなどの特殊例もあるにはあるのだが、少なくとも最初から魂が存在していなければスキルが発現することも無いのだ。
「スキルを持つ奴の動きを入れてみたが、それでも駄目だった。うーん、戦闘以外の用途で使うのは難しいか」
《どうなさりますか?》
「……傭兵が必要になったら使おう。それまでは封印しておいて。『SEBAS』は代わりとなる用途を考えておいてくれ」
《畏まりました》
PSを擬似的に再現できる戦闘であれば、スキルなど関係なく戦うことができる。
そして、それを最大限に発揮できる場所こそ戦場……この世界にもっとも似合わない単語であった。
代わりとなる案は、スーパーAIであらせられる『SEBAS』様が考えてくれる。
任せておけば、万事解決だ。
「今日は……そうだな、またポーションでも自作してみよっかな? あっ、それならついでに『錬金王』の下に行くのもいいか」
やることが決まれば、いざさっそく実行しなければならない。
冒険世界に向かう転位装置の元へ、俺は駆けだすのだった。
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