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DIY、流れて交わる
成長速度
しおりを挟む守護獣となったキマイラの名は『縁寄』。
この奇縁であり機縁を祝したその名は、神の創ったとされるエンキドゥという存在から取ったものだ。
まあ、あれはいずれ鎖で拘束されてしまうのだが……アイプスルという環境そのものが鎖だと考え、そこでずっと守護をしてもらえると定義しておこうか。
「……そうか、守護獣を手に入れたのか」
「さすがは神の試練の報酬だよな。能力を視たんだが、まだ子供だというのにスキルが豊富にあったぞ」
「うむ。高位の魔物や聖獣などはそういったものだぞ。未成熟故に完全に使いこなすことはまだ無理であろうが、その片鱗は確実にあるはずだ」
俺の知り得る限り、もっとも多くの守護する存在を『騎士王』以外に知らない。
なので相談も兼ねて、屋台で待っていると当然のように現れた『騎士王』にエンキについて話してみる。
……なお当然のことながら、俺は呼んでいないのに勝手に来た。
「まあ、それでなんだが……守護獣ってどれくらいの速度で成長するんだ? 代々継いでいるんだからそれぐらい把握してるよな?」
「ああ、当然だ。結論から言えば、『生者』の所の聖獣……いや、神獣は『生者』が生きている間に成体となるだろう」
「そりゃあありがたいが……やっぱり神獣に分類されるのか」
「そう気を張ることでもなかろう。神の創造した獣はすべて神獣、その使いたる存在が聖獣だ。神獣も一体ではない。伝承によると、かつての【魔王】も神獣を一体支配していたとされるぞ」
つまり、ドッペルゲンガーである【魔王】の手に掛かれば、それすらも模倣することができるわけだ……本当、当代の【魔王】は異常にチートな気がする。
「成長に関する話に戻そう。『生者』たちの世界は違うようだが、この世界では全盛期の肉体を維持する期間が長い。これは魔力による影響だとされている。そして、同時に成長の補正を行うのも魔力だ」
「だが、赤子がいきなり大人の体を得るわけじゃないんだろう? そういう細かい部分はどうなっているんだよ」
「私は研究家ではないのだがな……過剰な成長は身を滅ぼす。あくまで耐えられる範囲での成長というわけだな。レベルを上げることで肉体を強固なものにすることで、魔物は急速な成長を遂げられるのだ」
無理な成長は危険、か……。
魔物は異形と化すことで、多少の無茶をしようと生き残れる道を選んだ。
それにより、個が滅ぼうと種の繁栄が続くようになった。
一方で人族はその逆。
安全な環境で育てることで、個を生かす選択をした。
しかしそのうえで、種の繁栄も行う……その手段もすべてを肯定するやり方。
──集団で生きる、徒党を組むことで生きられるようになったのだ。
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