虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
836 / 3,179
DIY、就職活動へ

仮想戦闘 後篇

しおりを挟む


「無理無理無理無理無理!」

《再現率20%でしたが……やはり、と言うべきでしょうか》

「さすがだな、おい。それだけでもここまでの実力なのか──『騎士王』は」

 戦闘データは一度目の来訪、そして二度目の来訪である程度集めてある。
 特に二度目は魔族と魔物相手との闘いだったので、それなりに力を振るっていた。

 だがそれでも本気ではなく、『騎士王』はまだまだ余裕を保っていたんだとか。
 そんな戦闘データなので、あくまで完全体ではないのだ。

「しかもこいつ、まだ魔術まで使えるし……あと聖鑓も」

 いろいろとチートすぎる『騎士王』。
 レベルの上では俺の方が上だが、能力値というか才覚の差が天と地の違いなのだ。

 振るっているのも聖剣だけ、俺がプレゼントした聖鑓を使った情報など渡した時の試し振りぐらい……それでも、先ほどまで闘っていた休人を模した人形を倒せるようだが。

「やっぱり相手が格上すぎる。ラスボスっていうか、それを超えた存在だからな……全休人で挑んでも勝てるか分からないし」

 数の力は偉大だが、それすらも圧倒できるのがこの世界に住まう人々だ。

 その中でも最上位の一人『騎士王』、万能の権能を自在に扱う彼女は一騎当千以上に凄まじい力を有している。

「【魔王】は……もっと戦闘データが少ないよな。『SEBAS』、再現できたとしてどれくらいだ?」

《およそ10%かと。同様に、この状態で休人と闘わせた場合は圧勝となります》

 もう一人の最強──【魔王】。
 俺とは異なる形で複数の職業の力を操り、さらに種族も書き換えることができる。

 そして何より、歴代【魔王】の能力も振るえるので……まさに歴史が生んだ化け物だ。

「まあ、もう一度だけやってみるか──再起動してくれ」

《畏まりました。擬似『騎士王』を再起動、戦闘を開始します》

 再び起動した人形だが、その手にいちおうとはいえ聖剣を持たしているためか存在感が休人を再現した時とは段違いである。

「制限なんて不要だ──『闘仙』を再現、細胞は『拳王』と『闘仙』を半々で」

《仰せのままに》

 仙丹の充填速度が高められ、物理攻撃貫通と連撃時の威力向上が発現する。
 集められた仙丹を脚に籠め、推進力として使って人形へ近づき──ジャブを一発。

「うわぁ……まったく効かない」

 ここでまず一度死亡。
 完全に動きを読み切られ、スッと添えられた剣をなぞりそのまま死ぬ。

「こんなのの連続だからな。これでまだ20とか……無理ゲーだろ」

 無理ゲーだと興奮するとか、そう言うヤツではないからな。
 今回はここまでにして──もうカンストしてしまった【騎士】を別の職業にしよう。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」

みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。 というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。 なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。 そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。 何か裏がある―― 相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。 でも、非力なリコリスには何も手段がない。 しかし、そんな彼女にも救いの手が……?

処理中です...