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DIY、発明する

古代交渉 その03

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 俺の使った『巨槌[星砕き]』には、本当に星を砕くだけの性能が宿っている。
 素材からして星由来の物だし、多種族の技術の髄を費やして生み出された逸品だ。

 もちろん、そんな物を全力全開で使ってしまえばこの世界が滅んでしまう。
 無数のセーフティ機能で制限を課して、普通に使えるレベルに抑えてあるぞ。

「それでも、純粋な質量の一撃で圧殺するだけの威力はあるんだよな……まだ気絶しているし。どうせなら、今度『みねうち』機能でも搭載してみようかな?」

 つい先ほどまで、俺と死闘を繰り広げていたティラノサウルス。
 ちょうど[星砕き]の被害に遭ったその魔物は、今もなお地面に伏している。

《……現在の[星砕き]には、これ以上の術式追加を行うだけの余地がございません。制限を解除すれば、旦那様のお望みになられた機能を搭載することも可能でしょう》

「それはさすがにな。少しでも緩めたら、どこにどんな影響に及ぶか分からないぞ。そういう用途が必要な時は、別のアイテムを用意すればいいだけの話か……うん、そろそろ本題に移らないとな」

 やることを思い出したので、ポーションを取り出して奴に掛け……ようとしたが、どれくらい掛けていいか分からなかった。

 大きさで薬の効き目が違うというのは、現実でもよくある話だろう。
 この世界でも、魔物用の毒や薬は特濃か大盛かのどっちかだし。

「『SEBAS』、ドローンを飛ばして全身に吹きかけてくれないか?」

《畏まりました》

 空間の歪みからドローンを飛ばし、装着させた霧吹きでポーションを掛けてもらう。
 皮膚呼吸の要領で全身に取り込ませると、しばらく放置して……回復を待つ。

『……ウグゥ』

「ああ、ようやく起きたのか。悪いな、加減ができなかったんだ」

『なんだ、あの力は』

「武器のことなら、[星砕き]の名前で察してくれ。死なないことに関しては、死んでも死なない呪いみたいなものだ」

 死の定義にもよるが、忘れられるという意味なのであれば不死に違いない。
 たとえ殺されようと、即座に復活する奴のことを忘れるはずがなかろう。

「それで、満足したか?」

『……ああ、完敗だ。貴様はこの世界の主であり、従うべきお方であるのだな』

「そういう敬いは不要だ。これから人族と話はしてもらうが、別にそのすべての要求に従う必要もないからな」

『ならばそうしよう……人族は好かん。それはこれまでと変わらんのだからな』

 完全な支配をする気は最初から無かった。
 変に押し付けるよりは、ティラノサウルス自身が納得できる纏め方をした方がいい。

 ──というか、まだ一体目なんだよな。
 なのに俺、もう死んでいるじゃないか。

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