1,171 / 3,179
DIY、三つの街
プログレス配布中篇 その06
しおりを挟む「……これは」
「なかなか似合っているぞ……ぷっ」
「う、うむ……意外とイケるのじゃ」
「狐魅童子様まで!?」
俺とコミが笑うのは、千苦の現状に関するもの──体の上に咲いた花についてだ。
なんというか非常にシュールである、コミも笑っているので千苦は怒れない。
「さっきコミにも説明したが、この能力は基本的に自分用だ。だが、ある条件を満たした場合は他者にも使うことができる……これはたぶん、コミが他の奴を思いやれる優しさがあるからこそだな」
「当たり前だ。狐魅童子様は、我らをいつも支えてくださる。ゆえに我らもまた、それに応えようと励むのだ」
「……言われた本人が物凄く照れているぞ。とにかく、『ブルームセンス』の場合、他者に能力で咲かせた花を付与することで、自分の能力の一部を分け与えられる。今はまだ一種類だけだが、いずれ複数も可能になるな」
赤や青など、異なる色の花で開花する潜在能力に差があるようだが。
今回は白色の花──効果は能力昇華、要するに持つスキルなどが強くなる。
説明した通り、コミ自身はそれらすべてを同時に使うのと同等の補正を受けている。
また、自分に花を咲かせることもできるようなので、二重で強化できるようだ。
「まあ、力を籠めれば相応の大きさの花が咲いて補正幅も上がるみたいだ。コミの燃費を考えて、少しずつ使っていけばレベルも挙げられていくだろう。あっ、魔石を使うのも忘れるなよ」
「大丈夫なのじゃ。魔石を落とす魔物は、この異界にも生息して居る」
「なら、大丈夫か。最悪、俺が別世界から輸入して儲けようとも思っていたんだが……欲しい魔石があったら、言ってくれよ。ここの魔物だけじゃ育てられない場合もあるから、そのときは物々交換でもしよう」
コミが魔石で行う強化をやれば、花の種類や同時開花数などを調整できそうだ。
他にも既存の花の増加、他には彼女自身への強化の度合いとかも変えられるだろう。
ただし、それはそれに該当する魔石が存在すれば、の話である。
メカドラは経験値さえあればできるが、劣化版である『プログレス』には魔石が必須。
魔石にはその存在の生涯が刻まれ、それを糧とし『プログレス』は能力を変質させる。
進化だったり強化だったり、だが魔石はその個体に関係する変質しかさせられない。
「うむ、民たちも得るであろうプログレスに合った魔石があれば、ぜひとも頼む」
「それはそいつらの適性によるが……まあ、魔石はいろいろと持ってくる予定だ」
そんな会話をした後、俺は暗躍街へ向けて転移を行う。
……なんだか、今回も厄介ごとに巻き込まれる気がするんだよな。
10
あなたにおすすめの小説
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる