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DIY、一先ず配達終了
プログレス配布後篇 その01
しおりを挟むすべての休人が目指し、しかし誰も到達していない禁忌の領域──魔族大陸。
正式名称は別にあるのだが、休人たち共通の認識は、魔族が生息する大陸という点だ。
数々のクエストを達成し、移動手段と常時構築されている結界を打ち破るための手段を得ることでようやく上陸できる大陸……今なお、休人たちはその達成に挑んでいる。
だがしかし、休人の中で唯一その前提条件から外れる者がいた。
魔族と独自に交渉を重ね、【魔王】との謁見すらも果たした男こそ──
「……なんて語りがあったら、俺のあくどい手口も偉業に感じられるよな」
《旦那様が世に生みだした発明によって、本来運営が目論んでいたシナリオはすでに崩壊しております》
「運営は正当な冒険譚を、クエストとして設定していたんだっけ? クエストを進めればレアな職業とかスキルがゲット出来て、最後の【魔王】戦で有利になるとか」
《裏付ける情報は上がっておりませんので、不確定ではございますが。冒険世界では、そういった展開を望むと思われます》
忘れてはいけないが、休人たちは自分の能力やスキルに合った世界にログインして、そこで活動をしている。
戦いに明け暮れたいなら戦闘世界。
魔法に明け暮れたいなら魔法世界。
生産に明け暮れたいなら生産世界。
基本はこの三つに加え、俺や家族が活動している冒険に明け暮れる世界──冒険世界のどこかを活動拠点とする。
しかしイベント用の世界、幽源世界、そしてアイプスルなど……それ以外にも世界は無数に存在していた。
「……他の世界とは接点が無いから、まだ配れてないんだよな。そういえば、初ログインがそっちの奴らは持っているんだよな?」
《はい。発現させた能力の情報が送られておりますので、間違いございません》
「ふむ……まあ、それに関しては考えていても仕方ないか。待たせない内に、とっとと面会をしようか」
協力をしてほしいこともあるし。
やっぱり、持つべきものは友だな。
◆ □ ◆ □ ◆
「久しいな、我が友『生者』よ」
「お久しぶりです、【魔王】様」
「我が友から贈られてきたプログレス、とても重宝しておるぞ。どうも、我自身の力は、アレには通用しないようでな。間接的にとはいえ、拝借できる能力が目覚めてよかった」
「それはそれは。さすがは複写のマスターに選ばれし【魔王】様です」
見て触れた対象を、記憶から存在まですべて複製できるドッペルゲンガーの【魔王】。
しかし、その対象は生命体限定……生き物ではない『プログレス』には通用しない。
だがその問題点を補うように、複製対象を『プログレス』に特化した力が目覚めた。
……本当に、強者にとって都合のいい世界になっているよ。
10
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