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DIY、刺客に抗う
生産世界初訪 その16
しおりを挟む生産世界のギルド総長たちに、創造神様の御業について語った。
すべては失名神話(仮)の布教のため、俺は:DIY:の一部を語る。
「創造神……それはいったい、どの神話体系の神なんだ?」
事情は説明していないが、魔材ギルドの総長は俺に協力的だ。
ゆえに他の総長が余計なことを言う前に、説明ということで俺の話を聞かせる。
「……神話の名は失われています。皆さんが知るような神々の名も、おそらくは存在しません。ゆえに私は名を出さず、ただ創造神様とお呼びしたのです」
正確には、名前はあっても人の身でそれを認識できない、というのが正しいだろうか。
だからこそ、本来は布教ができない……偽りの名では神々に布教の効果が届かない。
「ですが、私は創造神様より御業の一部を授かることができました。この非力な身に、ありとあらゆる物作りのための技量と知識……それ、私のもう一つの権能の正体です」
「……ふーん、名も無い神話にそんな力が本当にあるのか分からないねぇ。だけど、そんなことはこっちには関係ない事情だね。結果として、アンタには神の……それも創造神の知識がある、それだけで充分さ」
「ふむ……何か、ご要望が?」
「決まっているさね。その知識、この世界のために役立たせな。世のため人のため、その方がアンタの言う神様も喜んでくれるんじゃないかい?」
言い方はともかく、割と当たってはいる。
元より、:DIY:を持っていた時点から俺は擬似的な『使徒』だった。
だが今は正式に【使徒】にも就職しているし、失名神話(仮)の布教を行うという使命も持っている。
ゆえに、俺の行いはある意味神の慈悲。
俺に感謝する気持ちが自動的に神々への感謝として変換され、信仰という形で神々の下へ届けられる。
生産世界はまだまだ未開発な場所が多く、求められる場所は数多にあるだろう。
そのすべてに対応できる:DIY:は、お互いにWinWin……とも言える。
「創造神様は、私の行動に制限を設けておりません。信仰を広めようとしているのも、あくまで私の独断に過ぎません。工匠ギルドの総長さん、そのうえでお答えしましょう──私は、したいことだけをします」
「……つまり、NOと言いたいわけ?」
「一部を除いて、ですね。条件次第で、受け入れますよ。魔材ギルドの総長さんも、そうして私の満足のいく報酬をご用意してくださりました。ええ、感謝しております」
「なに、気にするな。俺も満足させてもらったからな」
そう言いつつ、これ見よがしにペンダントになった特典をチラつかせていた。
彼らはこの世界でも指折りの職人たち、一目見ただけでその性能を理解したようだ。
何も言わない、ただじっと見るだけ。
だがその途中、スッとペンダントを胸元にしまい……怒鳴られる。
「──おい、魔材の! もっとしっかりと見せろよ!」
「おっと、これ以上は有料だな。あれだけ凄い物を、ただで少しでも見せてもらえただけ感謝してもいいと思うんだがな」
「くそっ、事実だから否定できないね……」
なんてことを言いながら、この後は見物のために交渉を行い始めたギルド総長たち。
魔材ギルドの総長は分かっているはず……さて、上手くいくかな?
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