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DIY、捌いて裁く
懇神会 その15
しおりを挟む雷を迸らせる[クノッソス]に対し、俺はジンリの『ドミネイトテリトリー』を起動。
強引に中断された『侵略者』の侵攻を再開し、この余興を盛り上げることに勤しむ。
「そう、私は勝たずとも良いのです……と言うより、勝たせてもらえないでしょうね」
討伐報酬などと言ったが、おそらく神練を突破する以前に[クノッソス]の討伐そのものができないと思われた。
災厄種、というより固有種たちの死は同時に報酬の生成と連動する。
そしてその報酬は、討伐に最も貢献した者にしか使うことができない。
例外はただ一つ──使用者が死んだ時。
だが休人に真の意味での死は無く、一度獲得した報酬が誰かの物になることは無い。
「防ぐのは簡単でしょうね。私がそもそも、討伐しなければよい。純粋な強さでは到底敵いませんし……そもそも、細工がされているでしょうからね」
呟いている間も、俺たちの小細工は続く。
俺が『侵略者』を広げるように、それを防ごうとする[クノッソス]の雷も広がる。
俺をどれだけ殺そうと、遅延になるだけで止めることはできないと察したようで。
弾き飛ばすこともせず、領域外にまで来ようとする『侵略者』を電気熱で焼殺する。
『──』
「ふむ、すべて処理されましたか。そして、領域への侵蝕ですか……」
『──ッ!』
「ですが、長すぎる余興もそろそろ飽きられてしまいます。迷宮の侵略もある程度進みましたし──始めましょうか」
迷宮を軽く侵略するだけでも罠を起動できたので、今はそれ以上のことも可能だ。
俺のやりたいことを『SEBAS』が読み取り、それを反映させてくれる。
「さぁ、潜りましょうか」
『──! …………ッ!?』
フィールド変遷、性質は水。
ついでに【救星主】を経由し、DPを供給することで性質を更に強化──海、それも深海をこの場に顕現した。
そこに『ドミネイトテリトリー』の能力が加わり、範囲を限定する。
その代わり、維持に必要なコストも軽くなり──[クノッソス]を拘束した。
傍から見た俺たちは水族館に展示された魚のようだろうか、局地的に展開された水の柱に封じ込められているのだから。
体を包む結界が呼吸を可能にする俺、対する[クノッソス]は強力な電気で水から酸素の抽出を行い生き延びている。
「とはいえ、酸素単体で取り込めばどうなるか……いえ、魔物ならばどうにかなるかもしれませんし、そもそも他の目的があるのかもしれませんね。少なくとも、『侵略者』は機能しなくなりました」
電気熱によって、水の温度が高まり急激に沸騰しつつある。
そのまま蒸発を狙っているのかもしれないし、俺を感電死させるつもりかもしれない。
まあ、このままでいても黙って死ぬことは無いだろう──俺もまた、動くつもりだ。
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