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DIY、冒険を求める
貢献イベント その24
しおりを挟む「──さて、残ったのは貴方だけですよ」
魔物たちの軍勢を払い続け、ついに残った魔物は一体のみとなった。
俺の足元……いや、周囲には魔物の残骸が至る所に散らばっている。
もがき苦しむような表情を浮かべた者や、全身が真っ黒焦げになった者、体をバラバラにされた者など、そのすべてを同じ方法で倒したわけではない。
あのままメスだけ使って勝ち、というのが俺のベストだったんだが、やはり奥に進みにつれてメスがポキポキ折れて逝ってな……もうメスの予備も尽きた。
自動修復機能があるから、明日には全部元通りなんだけど、今ストックが尽きたことに変わりはない。
そして、目の前の魔物に苦戦させられるんだろうなー、と思ってます。
「……ふっ、貴様が奴らの切り札となる新たな『超越者』であることは分かっている。それでもなお、こちらがすべての魔物を使ったことに、違和感を感じなかったのか?」
「『超越者』に、人の技術や獣の本能で勝てるとお思いで? 人智を超えた存在だからこそ、貴方のような人型の魔物などでは及ぶことなどありえません」
「……魔物、だと。この私が……魔物?」
魔物、という単語を告げると、目の前の魔物はプルプルと拳を強く握り締めながらこう言ってきた。
「おや、違ってましたか? あまりに浅はかな方でしたので、てっきり魔物が人になれるだけの存在かと」
「……貴様、殺されたいのか」
凄まじい殺気を放ってくるが、今さらというかなんというか……気にせず笑う。
「貴方も見ていたのでしょう? 私を殺し切ることは絶対にできませんよ。どうやっても死なない呪いのような力の持ち主、それがこの私なのですから」
「……フッ。何も肉体を傷付けるだけが、貴様を死に追いやる方法では無い。やり方ならいくつかある……味わうか?」
「いえ、遠慮しておきますよ」
そう言いつつ、ポケットの中からある物を取りだしておく。
たぶんコイツは、俺を封殺する術をこの戦いの中で見つけたのだろう。
だいたいのことは後からでも対処できるのだが、そこに含まれないことをされたら厄介である。
──さっさと終わらせるに、越したことはないんだ。
「早めに決着をつけませんと、互いに面倒なことになるでしょうし……どうでしょう? 一先ずここで、手打ちにするというのは」
こう、素晴らしいアイデアを提案する。
実に簡単、引き分け宣言だった。
「……貴様、ここまでしておいてそれが通じるとでも?」
「ええ、貴方はかなりやり手のように見えますし。ここで私が命を奪わない限り、貴方は必ず上に登り詰めるでしょう」
「…………それで、もし撤退したならば、こちらの利となることはなんなんだ?」
「それはですね──」
俺の提案することに、目の前の奴は熟考した後──受け入れて撤退した。
この場に残ったのは魔物の骸のみ。
「……とりあえず、素材を回収しようか」
俺がエルフの隠れ里に戻るのは、数時間後のことである。
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