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DIY、高みへと挑む
梯子への挑戦 後篇
しおりを挟む盛り上がる通りを堂々と移動中。
よく使う『インビジブルクローク』の発現者は、やはり隠蔽スキルに頼らない身を隠す術があると『SEBAS』と確認した。
「……人だかりができているな、アレは?」
《現在、梯子から一定範囲への侵入がほぼ完全に遮断されているため、ああしてそのギリギリで待機しているようです》
「ほぼ、かぁ。それを押し通せる実力者じゃないと、そもそもダメとかじゃないか?」
ゲーム的に言うならば、イベント開始時刻までの封鎖だろう。
だがEHOにおいて、正しく言うなら運営が用意したイベント以外でソレは無い。
ほぼ、と称したのも無理を通せばいちおうはできなくもないという理由から。
分かりやすいたとえだと──[破天]、破壊不能な概念を砕くことができる特権。
同様に、壁抜けだの擦り抜けだのでもいいし、壁以上の優先度を誇るナニカを用いれば強行突破できなくも無いだろう……が、わざわざソレをして消耗するのもバカらしい。
そんなわけで、我先にと行きたい連中がギリギリでスタンバイしている。
それを遠目に観察し、自身の挑戦の糧とする連中が後方に居て人だかりができていた。
「とりあえず、ドローンで情報は随時集めておくとして……あとどれくらいだ?」
《十分もしない内に、壁が無くなります。天への梯子が一時的に物質化し、それを登ることが条件です》
「……数は?」
《ただ一つのみ、段数は不明です》
数えている暇なんて無いか。
ともあれ、重要なのはたった一本の道をこの場に居る連中と仲良く手を繋いで歩くことができるかという話──無理だよなぁ。
「最速で渡る、でもいいんだけどな。さすがに想定できていないことが多過ぎるし、順番待ちとはいかないが、やっぱり様子見からにしておこうか」
《最初の頃はどのように?》
「たしか、梯子の顕現と共に周囲の魔物が活性化するって話だったな? 原人たち的にはその魔物の素材……梯子一直線で権利を放棄したヤツのソレを集めるのが目的なわけだ。俺たちも、それをやっておこう」
前回訪れた時もこの孤島特有の魔物を見ているが、あの時よりも希少度の高い個体が発生したりするんだとか。
それを買いつけるのが、命懸けな原人たちがここに居る理由。
高く売れるらしい……そして、素材として充分に使える特殊なモノも多いんだとか。
《『羽持ち』、と呼ばれる個体は特に希少度が高く、また強大な力を有しております。遭遇時はお気をつけて》
「羽ねぇ……天使みたいな力が使えるとか、そういう感じか? まあ、素材として使えるならそれはそれで好都合」
エクリの体は使わず、虚弱ボディを結界で保護しながら挑む今回。
結界が薄れ、人々が吶喊しながら梯子へ向かう中……俺もまたゆっくりと歩き出した。
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