クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実は俺を独占したい女神様の計画通り、権能を与えられたので、悠々自適に暮らします〜

マグローK

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第33話 ギルドで実力チェック

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「フード?」
「俺や河原、あとはフェイラが大人数にバレるとまずいから一応な」
「なるほどね」

 ドラゴンを立ち去らせた俺たちはエルディーに死の山を攻略したとみなされた。
 その結果、詳しい話も聞けていないままどこかの街へと連れてこられた。

 溺愛の権能をだいぶコントロールできるようになったおかげで、無闇に効果を与えなくて済むようにもなった。そのため、今は街の人が俺に対してやたらめったら接近してくることはない。
 だが、コントロールできてもリセットはされないようで、河原、エルディー、その他山にいる面々からの俺への好感度が変わらずだった。
 なんとなく、フェイラによって強制的に上げられても変わらず接してくれる河原とエルディーの様子を見れば、高そうなことはなんとなくわかってきた。

 俺が愛してるかどうか、愛されているかどうかはわからないが、何にしても気分はそう悪くはない。洗脳ではないらしいし。

 しかし、街のような人のいる場所は久しぶりだ。
 どれだけの時間が経ったのか正確にはわからないが随分と長い間山にいた気がする。

「そうだ。今、エルディーが街をウロウロしていいのか?」
「なに、問題はない。口を割るようなやつらじゃない。」
「ならいいけど」
「にしても長いよー。まだ歩くの?」
「もうすぐですよ。あそこです」

 エルディーの指さす先にはおそらく冒険者ギルドのような建物があった。
 何か用があるのかわからないが、おそらくは口ぶりからしてエルディーのなじみの場所なのだろう。

「ここには私の顔馴染みがいる。だから大丈夫だ。それに、心配させたみたいだが、必要な道具を自分で調達していると判断されるだけだろうからそもそも問題はない」

 そう言うと、エルディーは建物の扉に手を置いた。
 扉が開かれると室内にたちこめる酒のにおいが一気に放出され鼻をつく。

「おう。エルディー。久しぶりに顔を出したな。今まで何してたんだ?」
「少しな」

 中から現れたのはベテランらしきおっさんだった。
 目の前のおっさんが顔見知りだろうか。強そうで柄が良さそうだ。

「ここに来たっつーことはあの国のおっさんの仕事か? 物好きだよな。お前も……。いや、悪い」
「なに、ことは少しずつ進んでいる。問題ない」
「そうか、よかった。で、そこのひよっこはなんだ? 今日は何しにきた?」
「私が手塩にかけて育てた三人だ。そこの三人の実力と少しの金のため。パーティでクエストを受けたい」
「ほーう? だがどいつもヒョロイな。おう。俺っちはオンケラ。よろしくな」
「リュウです」
「ユーキです」
「フェイです」

 とりあえず偽名。疑う様子もなく、ガッハッハと笑っている。

「こいつら。しかもここの連中を使わないとは今回の仕事と関係があるのか?」
「まあな。だが、この三人はお前より強いぞ? パーティをここで探さないのも納得のはずだ」
「あん? そりゃ言っていいことと悪いことがあるぜ? この俺がこの三人の新入りより弱いって?」
「そう言ったが? 理解できなかったか?」

「ぎゃはは、はっはっは!」

 突然、目の前のオンケラというおっさん含めギルド中が笑い声に包まれた。

「おいおい。今忠告してやったばっかりだぜ? 自分で育てたから強いと思いたい気持ちもわかるが、俺はここで一番のベテランだ。ヒヨッコに負けるほどやわじゃあない。な、お前らどう思うよ?」
「そーだそーだ。オンケラさんは弱かない!」
「少しずれてんじゃねーの? 地上最強さん?」
「エルディーにもそういう一面があるのね」

 実際に投げかけられる言葉だけでなく、俺たちが勝つことは無理だという雰囲気をひしひしと感じる。
 事実、体格的に俺、河原、フェイラはここの誰よりも小さく、細い。
 見た目だけで判断するなら俺たちに勝ち目はないと思われても仕方ないだろう。

「そこまで言うなら試してみるか?」
「それはこっちのセリフだ! やってやろうじゃねぇかよ! エルディー。吠え面かくなよ?」
「ああ。何なら私が負ければ私の手持ちの金、全て渡してもいいぞ?」
「上等だコラ! お前の師匠であるこの俺を孫弟子で負かすってんだからそれくらいやってもらわないとな。なら俺は俺秘蔵の剣を渡してやんよ! 俺が負けたあかつきにはな! ま、そんなこと十中八九ないだろうがな」
「面白い。受けて立とうじゃないか」

 勝手に賭けまで含め戦いが決まってしまった。
 クエストを受けにきたはずなのだが。

「ねえ、いいの? 溝口、どう思う?」
「大丈夫ってエルディーが言ってるんだし大丈夫だろう」
「そうそう。エルディーちゃんが言ってるんだし」
「でも……」
「不安がる必要はないさ。な、そうだろエルディー?」
「ああ。そうだ。三人はここの誰よりも死地を超えている。心配ないさ。ここまで剣技に優れた弟子を取れて私は嬉しいのだからな」
「エルディーさん……」

 さすがに河原も納得してくれたようだ。
 不安げだった目に少しだが闘志が見える。

「エルディーがこう言ってるし、大丈夫だろ?」
「溝口はもう少し相手を警戒しようか。根拠があるのは分かったけどさ」
「俺は別に警戒してないわけじゃないが……」

 俺としてはただ、ドラゴンよりすごいやつなんてそうそういないと思っているだけだ。
 というより、ここまでやって負けてたんじゃ何をしていたんだと自分で自分をののしらなくてはならない。

「こんなひよっこだ。ビビってるみたいだし三人がかりでいいぜ? フードのお三人さん、俺はこれでもエルディーを育てた男だ。師匠の師匠っつーことで遠慮はいらねぇ。どんとこい」
「そういえば、エルディーの師匠ってのは本当か?」
「事実かどうかで言えば事実だな」

 うん。そうそういないだろうやつが相手かもしれない。

「問題はない。私より弱いからな」
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