3 / 60
第3話 女の子になった!?
しおりを挟む
ダンジョンに入ったら女の子になった!?
どうにかしないと、でも……。
「ヤバイ。やばいやばいやばい。どうしよう」
自分の口から漏れる声が自分のものとは思えないほどかわいらしい声になっている。だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。
問題は俺のユニークスキルがマイナス効果だったことだ。
別に女性がダンジョン探索者として劣っているということはない。高校生だけでなく純粋に全体としてもトップレベルの実力を持つ伊井野さんもれっきとした女の子だ。
そう、そうじゃないのだ。
「せっかくのユニークスキルが女の子になるだけってなんだよ……」
もう、訳がわからない。
さすがにこんなイレギュラーは想定していない。
「体が変わっちゃたよ。服とかどうするんだよ。それに、なんだこれ、体……俺の、体……」
特に思い入れなんてなかったはずだが、失ってみると自分の体って大切だったんだなと気づかされる。
あんまりゆったりしている余裕はないが、どうなっているか少しは確かめておく必要があるだろう。
「髪は、長っ!」
頭だけやたら重いと思ったら、髪がめちゃくちゃ伸びている。
なんだこれ、つやっつやだし、さらっさらだ。いい匂いまでするような。
「……」
胸は残念ながらそんなにない。
もちろん、男だった時よりは膨らんでいるが、うーむ……。
「いや、待て待て待て」
こんなにゆっくり変化を確かめている余裕はない。
だいたいわかったのだ。整理しよう。
今、俺の体はバランスがズレまくっている。これは結構まずい。目線や手足の長さだけじゃなく身長、体重、髪とあらゆるところでズレまくってしまっている。
右利きなのに左手しか使えないみたいなぎこちなさだ。
どうやってモンスターを倒せと?
こんな時こそ冷静沈着に。
ユニークスキルがハズレなら、共通スキルを確認。
ユニークスキルが役に立たない場合、共通スキルで戦うものだ。
と言っても、自分のスキルを把握するには、他人に鑑定してもらうか、ダンジョンで入手できる鑑定の効果を持つ水晶でもないと無理だ。そして、そんなものは高価すぎて持っていない。
ここは一か八か……。
「ステータス! 出た!」
初めての実物。自分にしか見えないから実演してもらうこともできなかった。
どう見るのかまったくわからないけど、俺の名前とか基本情報が出てきた。
性別が女になっているのを無視してスキル欄を探す。
お、ここかな?
「えっと? ユニークスキルはTS……。違う。共通、共通。あった。共通スキルが収納、転移、基礎身体能力強化、基礎魔法、基礎魔力向上、鑑定、ステータス確認、現在位置把握、ダンジョン構造把握、敵感知、罠感知……ふむふむ」
共通スキルが想像以上に多くて全部は確認できないな。
だが、基本的なアタリ系共通スキルはありそうだ。素の身体能力は女の子になっているから頼りないが、強化系のスキルがあれば、上層くらいなら立ち回り次第で生き残れるだろう。
正直、もう転移して帰りたいが、今は登録先がないから即座に入り口に帰るような使い方はできない。
魔法も使えるようだし、こんなことなら魔法の練習もしておけばよかったと思うが、後の祭りだ。まったく才能がないと踏んで練習とかしてこなかったせいで一切使えない。
「ユニークスキルはハズレだったけど、脱出くらいならなんとかなりそうだな」
一応、うわさでは、状態異常必中(自分)とか、常時骨折とか、明らかなマイナススキルもあるにはあると聞いてはいたが、稀だしほとんどの人間はプラスだという話だった。
それなのに俺に当たるか?
まあ、不幸中の幸いとも言うべき共通スキルがあってよかった。
これも一応聞いていたことだが、ユニークスキルがハズレなほど、共通スキルが多く、優秀らしいからな……。
状況を整理して少し落ち着いてきたが、やはりこのままダンジョン探索の継続は無理だ。運がいいことに帰り道はわかるからすぐに帰ろう。
きっと、大丈夫だろう。多分。
「……にしても体が慣れない。はあ、こんな状態でモンスターにでも遭遇したらやばい。さっさと帰って……敵感知に反応!?」
通路の先に現れた小さめの影。
こんな時に最悪の相手と遭遇してしまった。
スライムだ。
プルンプルンの見た目、透き通りその先が見えるほどの透明感のある体で、青っぽい色味をした、言わずと知れたモンスター。
あれは誰がどう見てもスライムだ。
だが、ゲームと違い、スライムと言えど、ザコとは侮れない。今の俺なら特にそうだ。
呑気にぷよんぷよんと体を揺らしながら確実に俺の方に迫ってきている。
「だー。もう! もったいないけど」
共通スキルで高まった身体能力で袖と裾の邪魔な部分を引きちぎり、これまた共通スキルの収納スキルで収納していく。
これでも動きにくいことこのうえないが、袖や裾がダボダボの状態よりはよほどマシだ。
いけるか? いや、違う。
「やるんだ!」
残念なことに背後は壁。俺に、逃げるという選択肢は最初からない。
上層だけあり弱い方のスライムみたいだから、ここは俺一人でなんとかするしかない。
どうにかしないと、でも……。
「ヤバイ。やばいやばいやばい。どうしよう」
自分の口から漏れる声が自分のものとは思えないほどかわいらしい声になっている。だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。
問題は俺のユニークスキルがマイナス効果だったことだ。
別に女性がダンジョン探索者として劣っているということはない。高校生だけでなく純粋に全体としてもトップレベルの実力を持つ伊井野さんもれっきとした女の子だ。
そう、そうじゃないのだ。
「せっかくのユニークスキルが女の子になるだけってなんだよ……」
もう、訳がわからない。
さすがにこんなイレギュラーは想定していない。
「体が変わっちゃたよ。服とかどうするんだよ。それに、なんだこれ、体……俺の、体……」
特に思い入れなんてなかったはずだが、失ってみると自分の体って大切だったんだなと気づかされる。
あんまりゆったりしている余裕はないが、どうなっているか少しは確かめておく必要があるだろう。
「髪は、長っ!」
頭だけやたら重いと思ったら、髪がめちゃくちゃ伸びている。
なんだこれ、つやっつやだし、さらっさらだ。いい匂いまでするような。
「……」
胸は残念ながらそんなにない。
もちろん、男だった時よりは膨らんでいるが、うーむ……。
「いや、待て待て待て」
こんなにゆっくり変化を確かめている余裕はない。
だいたいわかったのだ。整理しよう。
今、俺の体はバランスがズレまくっている。これは結構まずい。目線や手足の長さだけじゃなく身長、体重、髪とあらゆるところでズレまくってしまっている。
右利きなのに左手しか使えないみたいなぎこちなさだ。
どうやってモンスターを倒せと?
こんな時こそ冷静沈着に。
ユニークスキルがハズレなら、共通スキルを確認。
ユニークスキルが役に立たない場合、共通スキルで戦うものだ。
と言っても、自分のスキルを把握するには、他人に鑑定してもらうか、ダンジョンで入手できる鑑定の効果を持つ水晶でもないと無理だ。そして、そんなものは高価すぎて持っていない。
ここは一か八か……。
「ステータス! 出た!」
初めての実物。自分にしか見えないから実演してもらうこともできなかった。
どう見るのかまったくわからないけど、俺の名前とか基本情報が出てきた。
性別が女になっているのを無視してスキル欄を探す。
お、ここかな?
「えっと? ユニークスキルはTS……。違う。共通、共通。あった。共通スキルが収納、転移、基礎身体能力強化、基礎魔法、基礎魔力向上、鑑定、ステータス確認、現在位置把握、ダンジョン構造把握、敵感知、罠感知……ふむふむ」
共通スキルが想像以上に多くて全部は確認できないな。
だが、基本的なアタリ系共通スキルはありそうだ。素の身体能力は女の子になっているから頼りないが、強化系のスキルがあれば、上層くらいなら立ち回り次第で生き残れるだろう。
正直、もう転移して帰りたいが、今は登録先がないから即座に入り口に帰るような使い方はできない。
魔法も使えるようだし、こんなことなら魔法の練習もしておけばよかったと思うが、後の祭りだ。まったく才能がないと踏んで練習とかしてこなかったせいで一切使えない。
「ユニークスキルはハズレだったけど、脱出くらいならなんとかなりそうだな」
一応、うわさでは、状態異常必中(自分)とか、常時骨折とか、明らかなマイナススキルもあるにはあると聞いてはいたが、稀だしほとんどの人間はプラスだという話だった。
それなのに俺に当たるか?
まあ、不幸中の幸いとも言うべき共通スキルがあってよかった。
これも一応聞いていたことだが、ユニークスキルがハズレなほど、共通スキルが多く、優秀らしいからな……。
状況を整理して少し落ち着いてきたが、やはりこのままダンジョン探索の継続は無理だ。運がいいことに帰り道はわかるからすぐに帰ろう。
きっと、大丈夫だろう。多分。
「……にしても体が慣れない。はあ、こんな状態でモンスターにでも遭遇したらやばい。さっさと帰って……敵感知に反応!?」
通路の先に現れた小さめの影。
こんな時に最悪の相手と遭遇してしまった。
スライムだ。
プルンプルンの見た目、透き通りその先が見えるほどの透明感のある体で、青っぽい色味をした、言わずと知れたモンスター。
あれは誰がどう見てもスライムだ。
だが、ゲームと違い、スライムと言えど、ザコとは侮れない。今の俺なら特にそうだ。
呑気にぷよんぷよんと体を揺らしながら確実に俺の方に迫ってきている。
「だー。もう! もったいないけど」
共通スキルで高まった身体能力で袖と裾の邪魔な部分を引きちぎり、これまた共通スキルの収納スキルで収納していく。
これでも動きにくいことこのうえないが、袖や裾がダボダボの状態よりはよほどマシだ。
いけるか? いや、違う。
「やるんだ!」
残念なことに背後は壁。俺に、逃げるという選択肢は最初からない。
上層だけあり弱い方のスライムみたいだから、ここは俺一人でなんとかするしかない。
21
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる