TSしたダンジョン配信者は無自覚で無双する〜かわいい見た目と超絶スキルで美少女をイレギュラーから救いバズりの嵐を生む〜

マグローK

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第14話 解決感謝!

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 変なものを賭けた腕相撲なんて、やらない!

 やってたまるか!

「よーい、ドン!」

「って、うおっ」

 こんな時に限って能力を全力で使う不意打ち。
 えりちゃんの力で、俺はイスに座らされたかと思うと、気づいた時には負けていた。

「わたしの勝ち!」



 なんだかいよいよ高梨正一郎という人格が破壊されてきている気がする。

 俺は全力で猫のモノマネをした。未だ顔が熱い。

 そもそも俺の初撃無効はどこへ行ってしまったのか。
 えりちゃんを敵と思っていないから発動しないのか、それともえりちゃんはまったく悪意なくやっているのか。今の俺にはまだわからない。

「うふふ。大切にしよっと」

「男のそれ、保存してていいのか?」

「いいよー」

 俺の黒歴史がえりちゃんのスマホに保存されてしまった。
 楽しそうにスマホを見つめていることから、おそらく削除されることはないのだろう。

 ああ。思い出すだけでめまいがする。

「さて、お騒がせしました」

「いえ、全然問題ないです。むしろ俺がお騒がせしました」

「かわいかったですよ?」

「そうですか……あ、そうだ。昨日借りた服」

「それなら気にしなくて結構です。差し上げます」

「いや……」

「差し上げます!」

 今日の受付も宇野さん。
 昨日のことを根に持っているのか少し怖い。

「ありがたく頂戴します」

「はい!」

「しょうちゃん服借りたの?」

「うん。着れるのがなかったから、ここの受付の制服を」

「えー! 今度着てね!」

「えぇ……」

「着てよー」

「い、いつかね……機会があれば」

「うんうん!」

「それでは、お話を進めてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい」

 えりちゃんが話を通したり、ダンジョンへ入る前に受付の宇野さんの方からやってきたりと、どうにも普通ではない状況。
 素人の俺でも何かあったのだとわかる。

「では、高梨正一郎様。混乱の解決に尽力してくださり、誠にありがとうございました」

「え?」

「改めて、わたしからもありがとね。しょうちゃん」

「ありがとう!」

「伊井野さんが助かったのはあんたのおかげだ!」

「いいのんを救ってくれてありがとー!」

「え、え?」

 えりちゃんの感謝を皮切りに、今集まっている探索者の人たちからも、俺への感謝の言葉が飛んでくる。
 予想外のことに正直思考が追いついていない。
 悪いことがあったとかではない?

「いや、俺はえりちゃんに逃がしてもらっただけで」

「そんなことないって。それにこれはわたしから申し出たんだから、真っ直ぐ受け止めてほしいな」

「えりちゃん……」

 たまたまだったとしても、感謝を否定するのは失礼か。こんなに何度も伝えてもらってるんだしな。

 しかし、さっきは見ず知らずの人がわざわざ庇ってくれたし、改めて世界に向けて俺がやったことが大々的に広まっていることを実感する。
 そして、ただの強力なモンスターの発生ではなく、ボスが下の層に降りてくるイレギュラーの異常性を改めて認識した。
 本当に、倒せたのはラッキーだ。

「やっぱり、わたし一人じゃ無理だったなと思うよ。昨日は回復が時間かかって、なかなかここに戻ってこれなかったんだから」

「いいのんを助けてくれた神!」

「伊井野さん一人じゃ無理なんて、それを一撃か……」

 まあ、今回は多くの人が少しでも攻撃を与えて弱らせてくれていたはずだからなんとかなったのだと俺は思っている。
 それに、こういうのはきっと油断している時にまたやってくる。

「俺も、今回のことに恥じないように、これからも探索者をしていきたいです。こちらこそありがとうございます!」

 俺は思っていることを口にして頭を下げた。
 すると今度は、拍手の嵐が俺を襲った。

「人としてもできてる!」
「さすがだな」
「やっぱり、あの場に初日の探索者でも向かえる勇気がすごい」

 俺のことを高く評価しすぎな気がするが、やはりここで否定するのも失礼な気がする。
 少しずつボロが出てきてしまうだろうが、誰だってそうだと考えて、この場では受け入れることにしよう。

「それじゃあ、行こうか」

「うん」

「ちょっと待ってください!」

 俺たちは、一段落したと思い、ダンジョンに向かって歩き出したのだが、宇野さんに呼び止められた。
 なんだか神妙な表情をしている。まさか、本当はまた何か、ダンジョンの中で起こっているのだろうか。

「あの、実はですね。ダンジョンのボスもテイム。そうですね、仲間にすることができるようですよ。倒さずに力を見せればどんな時でも指示に従ってくれるみたいです」

「どうしてそのことを俺なんかに?」

「期待ですよ。あと、少しはここをひいきにしてほしいなと思ったからです。ダンジョンはここだけではありませんから」

「なるほど」

「まあ、閑散として、受付までモンスター退治に駆り出される場所もあるみたいだからね。わたしもできるだけ学校から近いここに来るようにはしてるよ」

「つまり、もっとモンスターを倒せと?」

「そうじゃないですよ。ただ、ここなら私もお力になれるので」

「そうですね。ありがとうございます」

 しかし、俺がボスをテイムなんて、夢のまた夢の話だろうけど、とりあえず頭の片隅にでも置いておこう。

「それと、最近、中層以降で何やら異変があるらしいです。ここでは、昨日のことがあったので当分はないでしょうが、気をつけてください」

「わかりました。ありがとうございます」

 さあ、ダンジョンへ行こうか。
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