TSしたダンジョン配信者は無自覚で無双する〜かわいい見た目と超絶スキルで美少女をイレギュラーから救いバズりの嵐を生む〜

マグローK

文字の大きさ
21 / 60

第21話 俺に会いたい先輩!?

しおりを挟む
 ちょっと待とう、と思ったら、タイコウはその場で手招きし出した。

「いいってさ。来いよ」

 タイコウとはたまたま出くわしただけなのだが、俺に会いたい人とやらは、すでに同じ場所にいたらしい。

「まったく、遅いよ坂本くん。君は交渉が下手だよね」

「悪かったな。だが、ダメだって言われてたらこんな機会はなかったんだ。アネゴに感謝するんだな」

「自分より強い相手には、なんとかっす、って話すんじゃないのかい?」

「オイラはお前にゃ負けてない」

「そうかい。まあ、君の容姿の変わりようから観察していたことは正解だった。ということでよしとしよう」

「ああ?」

 やってくるなりタイコウと喧嘩している女性が、俺に会いたい人なのだろう。

 これまた俺でも知っているほどの有名人。またしても探索者である。探索者用のカリキュラムを採用している珍しい高校ということもあり、探索者を目指している生徒が多いことも関係しているのだろう。

 お相手は、一応同じ学校だということを耳にしていたものの、一度もその姿を見たことがなかった人物。
 昨年まで女子高生最強と言われていた、多様な魔法の使い手、関唯《せきゆい》先輩。高校生ながらミステリアスな雰囲気をまとった俺の先輩に当たる人だ。

「すまない。君を待たせるつもりじゃなかったんだ。悪かった高梨正一郎くん」

「お前、アネゴの名前どうして知ってんだよ」

「ちょっと黙っててもらえるかな?」

「俺からもお願い」

「う。アネゴが言うなら、仕方ないっす」

 俺としても、どうして俺の名前を知っているのか聞きたいところだが、想像することは難しくない。
 事前準備、研究、そして実践。そういったことを大切にし、短い間で他の探索者よりも突出しているのだから、俺の名前を調べる程度、難しいことでもないだろう。

「さて、高梨くん。一夜にして有名人なった気分はどうだい?」

「会いたい理由って、それが聞きたいからですか?」

「一つはね」

 真意はわからないが、単純に興味というだけで、嫉妬や揚げ足取りということではなさそうだ。
 ブレずに知りたいという姿勢は、えりちゃんとはまた違った芯が通った人物ということなのだろう。

「それで、どうだい? 今の気分は」

「正直、まだ実感は湧かないです」

「そうか。まあ、そうだろうね。ワタシも同じように言うと思う」

 俺よりよほど有名人な気がする関先輩は満足そうに頷いた。
 色々と考えたが、案外、雰囲気と違ってミーハーなのかもしれない。

 いや、もしかしたら、実は深遠な理由がある可能性も……?

「さて、本題に入ろうか」

 ない、か。

「坂本くんを相手に物怖じせず、返り討ちというのは誰にでもできることではない。これはすごいことだ」

「あ、ありがとうございます? でも、俺の力なんてまだまだですよ」

「事実を述べただけだ。卑下する必要はない」

「そうっすよ。もっと胸を張っていいっすよ。アネゴは控えめすぎるんす」

「いやぁ。そうですかね?」

 評判はどうしても俺の思っている以上のところがあるから、当てにならないと思うのだけど。
 タイコウの出来事に関しても、本気の戦闘ではなかったということで、勝ちに含めていいのか、返り討ちとカウントしていいのか怪しいし。

「ひとまず、謙遜として捉えて話を次に進めようか」

「はい」

「そう、あまり緊張することはない」

 関先輩は、ジリジリと俺に近づいてくる。

「え、あの」

 不敵な笑みを浮かべ、何も言わずに近づいてくる。
 逃げるより早く、すぐ後ろにあった壁に背中がぶつかった。
 そして関先輩は、俺から逃げ場を奪うようにすぐさま壁に手をついて見下ろしてきた。

 息がかかる距離。
 何をされるのかわからず心臓の鼓動が速くなる。
 存外、最近は他人に見下ろされる経験もなくなっていたのだが、身長が縮んだことで思いのほか人から見下ろされて焦る。

「その力、ワタシとしてはとても興味深い。ぜひワタシに研究させてほしい」

 パチパチと瞬きを繰り返すと、関先輩の顔は少しだけ優しい笑みに変わった。

「研究、ですか?」

「ああ。もちろん、タダでとは言わない。君に得があるように計らうつもりだ」

「なるほど」

 確かに、俺のスキルは稀かもしれないけども、研究か。
 実際にどうやっているかまでは俺も知らないんだよな。どうやっているのだろう。

「方法がわからない。そんなところかな?」

「はい」

「それもそうだろう。ワタシも研究成果とは名ばかりで、実力をより高めることばかり求めていて、結果の報告はなあなあになってしまっているからね。けれど、やっていることは簡単さ。ダンジョンへ行き使う。ただそれだけのことだよ」

「なるほど?」

 つまりダンジョンを探索するってことだよな。
 話は悪くない。実力のある人物と探索ができるのだ。

 初日、実際に今のスキルに目覚めて、探索者は無理だと思った。
 俺としても、そうそう簡単に探索者であることを諦めたりはできない。
 今できることをやってどうにかやって、探索者を続けていきたい。昨日、えりちゃんとダンジョンへ行ってそう思った。

「一つ、聞いてもいいですか?」

「もちろん。突然のことだからね。疑問が解消されるまで答えよう」

「スキルを試す時、人がいないところで試すなら、ダンジョンじゃなくてもいいんじゃないですか?」

「それはスキルによるかな。例えば、足が速くなるスキルならば、校庭を走ってスキルを確かめることもできる。けれど、火の玉を飛ばしたり、電撃を飛ばしたりするなら、試せるような場所は限られるだろう? なら初めからダンジョンへ行った方が我々探索者にとっては都合がいいのさ」

「その通りですね」

 剣術もスキルとして使えるレベルならば、例え剣道の達人でも相手ができなくなる。
 やはり、力を高めるためにもダンジョンへ行くしかない。

「他はないかな?」

「はい!」

「それじゃあ」

「ちょっと待ったあ!」

「ん!?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

処理中です...