TS転生したら、カードゲーム系アニメのノリで美少女令嬢とダンジョン探索してた

マグローK

文字の大きさ
26 / 44

第25話 テイム! きみを捕まえた!!

しおりを挟む
 さて、メタモルキャットを治すと決めた訳だけど、手当てできるようなものは何かあっただろうか。

 僕のスキルには特に回復させられるようなものはない。

「2人はスキルでこの子を治すのに使えそうなものってある?」

「わたしはないよ」
「あたしもないです」

 2人は首を横に振って教えてくれた。
 なるほどわかりやすい。

 日本の聖職者と言えばお坊さんとかが近そうだし、身近にはなかなかいないのかもな。

 僕の場合、自分の体になかなか異常が出ないからそういうスキルも与えてくれなかったのか?
 便利なスキルは大抵ある雰囲気だっただけに今の今までない事に気づいていなかった。

「となると、簡易的にはなるけど、薬草とかアイテムでの手当てってことになるかな」

「女子力……」

 ぼそっと言ったみふだちゃんの言葉を聞き逃してしまった。

「なに? 有益な方法があるとか?」

「う、ううん。女子力が高いなーって思って。ね」

「はい。薬草なんて、絆創膏みたいにそんなすぐ出てこないですよ」

「え? 2人とも持ってないの?」

「うん」
「持ってないです」

「探索者はみんな携帯してるものじゃないの?」

「ないよね?」
「ないです」

 むしろ、なんでお前は持っているんだ、と言いたげなきょとんとした顔をされてしまった。

「いや、こっちが聞きたい。どうして持っていないのか」

「ケガしたとしても帰るから、身軽な方がいいんだよ」

「みふだちゃんはダンジョンと家が近いじゃん。近いというか、家の敷地内にダンジョンがあるからでしょ?」

「そうだけど」

「え、千伊香ちゃんは?」

「あたしはヒーラーが必要そうだと事前にわかっているなら、都度道具を買います」

「メンバーは?」

「募集するよりアイテムですね。安全に探索できるように気をつけているのと、カジュアルにダンカを楽しんでいるので、薬草は売ってます」

「えぇ……? そういうもの?」

「うん」
「ですです」

 個人的に意外すぎて、つい掘り下げてしまった。

 これは僕がゲーマーだからなのか?
 でも、女子力よりそっちの方が納得できる。だって根っこは女子じゃないもん。

 まあ、ここは僕が持っていたからよしとしよう。
 ついでに2人は薬草の使い方も知らないらしいので、メタモルキャットには僕が使用することとなった。

 あれぇ? そういえば、探索者資格講座の中に薬草を取り扱ったものもあったはずなのだが……?

 みふだちゃんはまだしも、千伊香ちゃんはどうしてこれで合格できているのだろう……。才能の差を感じる。



「さて、終わり」

 色々なモヤモヤを押し流すように集中していたらあっという間に手当ては終わった。

「これでもう大丈夫なはずだよ」

 ようやく狂戦士からも解放されたメタモルキャットは、すぐにぴょんぴょこ跳ね出した。それでも傷は痛まないようで、動きに猫らしいキレがある。

 勝負になるか、逃げてしまうか。

 少しの間、武器を構えていたが、どういう訳か、メタモルキャットは逃げも襲いもしてこなかった。
 またしても警戒されている、と言う雰囲気でもない。

「これが俗に言うゲットチャンス、友情ゲットというやつか」

「そうだね。力を示した訳じゃないけど、テイムの条件も満たしてるんじゃないかな」

 言われて思い出したが、モンスターを従属させるためには、カードへの封印だけでなく、力を示すということでも可能らしい。いわゆるテイムと呼ばれるヤツだ。
 今の状況はそれに似ているのかもしれない。
 目の前のメタモルキャットは喋る個体じゃないみたいだからわからないけども、みふだちゃんが言うのだから間違いないだろう。

「みふだちゃん。どうしようか。誰の子にする?」

「そんなの決まってるよ。歴ちゃんだって」

「いいの? もう少し話し合った方がいいんじゃない? 千伊香ちゃんも異論あるよね?」

「ありませんよ。あたしがそんな無粋な真似をすると思っていたんですか?」

「無粋かな?」

「無粋です。このシチュエーションはお姉様に決まってますもん。もう、膝の上に乗っている姿が目に浮かぶようです」

「にゃあ」

 メタモルキャットも千伊香ちゃんに同意するように鳴いた。
 顔を見ると、まるでお前がいいと期待する目を向けてきているように見える。
 膝の上に乗ってくれるかはわからないが、信頼を感じる目だ。

「いいんだな?」

「なぁ!」

「わかった」

 僕はカードダンジョンで手にしたSRのブランクカードをメタモルキャットへとかざした。
 すると、メタモルキャットは抵抗する事なく、カードの中に封印された。

「メタモルキャット、ゲットだ!」

「やったね! 名前は何にするの?」

「そうだな……。なんこう、かな」

「な、軟膏……?」

「なんこうだよ。かわいでしょ? なあって鳴いたにゃんこだから、なんこう」

「……」
「……」

 2人は返事もせず、顔を見合わせて固まってしまった。

 どうしてこの名前のよさがわからないんだ?
 せんちょーの時は伝わったのに。
 なあ、と鳴いてくれたのは本当じゃないか。

 はっ……! もしかして、前回も気を遣われていた!?

「ち、千伊香ちゃんはこの名前のよさがわかるよね?」

「ははは。そうですね!」

 明らかな愛想笑い。
 好意は感じるけれど、気を遣われているのが確定してしまった。
 ガックリくるな……。

 僕は気を散らすようにカードを見た。
 内容を確認すると、B+というランクが目に入る。どうやらみふだちゃんの読みが正しかったみたいだ。
 ただ、カードにも完全には消せなかった傷の跡が描き出されている。

「た、ただ。ケガをしていたってことは、元凶がいるってことだよね」

 ランクB+のモンスターにケガを負わせられるほどのモンスター。ただものではないに違いない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

処理中です...