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エピローグ

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「はあ」
 与えられたことは基本的にできたことのない裕太は今とてつもなく人生を楽しんでいる。
「はあ」
 今までにない激務だが実力にあったことが始めてできて心の底から喜んでいる。
「はあ?」
 今がまさに人生最大の楽しい時期と確信している。
「うるさいんだけど」
「ごめん」
 裕太が英治とこんなやり取りをできるようになったのはひとえに少女の琴子のおかげだ。
 琴子がいなければきっと裕太は英治と仕事をすることはなかっただろうしい現状なんて絶対なかったことだろう。
 堕落した生活を抜け出せたことは祖母にとってもいいことだったらしくそれ以来当たりがソフトになっている。
 と、本人は思っているが裕太が英治といることが祖母にとっては重要なことなのだ。
 琴子とはあれ以来も会っておりこの間は誕生会にも参加させてもらった。
 当初はよく思っていなかった祖母も琴子の優秀さに面食らったようだ。
 英治の言ったことには反抗したが、裕太は実際は心のなかでそう思っている。
 あと一つ足りないとすれば。
「ありがとう。琴子」
 それだけだ。

「なんだって?」
「なんでもないよ」
 こうして裕太は二人目の親友を得たのだった。
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