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尽くす女は相合傘でびしょ濡れになっても気が付かれない
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「なあ椿、ところで明日から雨らしいぜ。週明けまでずっと。ゴルフも恐らく中止になりそうだし久々に土曜は映画でも行くか?たまにはテレビじゃなくて映画館でみようぜ。」
「うん!良いね、すごく楽しみ。じゃあその後は、お昼、どこかで食べようか?」
「いいな、それ。…あーでもなあ。ゴルフクラブ数本、新調したばっかで今月厳しいんだよな。」
「そうなの?ゴルフクラブってそんなに高いんだ?」
「ああ、40万位だったっけ?」
「よっ40万?!そんなに払っちゃったの?」
「何驚いてんだよ、それでも俺が本当に欲しかったのはもっと高かったんだぜ。これでも安かった方なんだぜ。」
「そ…そっか。じゃあさ、別に映画館に行かなくても家で映画見たほうが良いんじゃない?」
「俺と出かけるのが嫌なのか?」
「いや、だって…」
(…雄太にそう言われると断れないよね…別に驕れとか言ってるわけではないけど、懐が寂しい時は別に無理して外出する必要はないのにと思ったから、家で映画を観ようと提案しただけだったのだけど。 )
「よし、決定!」
私がうじうじと考えている間のこの雄太の一声で、週末は雄太と一緒に映画館に行くことになった。
そして雨が継続的に降り続ける土曜日、私と雄太は映画館にむかった。
丁度雄太の家には傘が一本しかなかったから、私がもう一本をコンビニで買おうとしたら雄太に相合傘で行けばいいだろと止められてしまった。
背の高い雄太が傘を持ってくれているけど、無意識なのか、傘の大半が雄太が濡れないように動いてしまっていて、私の腕はびっしょり濡れてしまっていた。
そんなことにも雄太は映画館についても気が付くことはなかったけれど。
「おっ、これ面白そ。このアクション映画すっげ―面白いらしいぞ?よし決まりだな。行くぞ椿。」
「え…うん。あ…私がチケット買うよ。後は、ポップコーンと飲み物のセットでいいよね?」
「ああ、じゃあ、俺ジンジャーエールとキャラメルポップコーンがいいな。Lサイズで頼む。」
アクション映画が嫌いというわけではないけども、どちらかといえば恋愛映画の方が実は好きだなんて、いまだに雄太に言い出せずいる。
ポップコーンと飲み物を手に二人で席に座って、雄太の選んだアクション映画を観た。映画の内容よりも、雄太と一緒にこうして時間を過ごしたことに満足をしてしまっているのだから私も重症だ。
「くしゅっ!…」
映画館はかなり冷房が効いていて、濡れてしまった腕がかなり冷えたけどおかげですぐに服が渇いてくれた。
結局お腹が空いたと不機嫌になってしまった雄太をなだめるように近くのイタリアンレストランに入った。
「何にしようか?あ、ランチスペシャルだってよ?」
「ランチスペシャルって、なんか安っぽくない?俺、このスモークサーモンと四種類のキノコのクリームソースパスタと、カプチーノのマグサイズにする。あ、あとこのガーリックブレッドも食べる。」
食べ終わった雄太はやっと一息付けたようで私もほっとした。
お腹が空いた時の雄太はとにかく不機嫌になってしまうのだ。
私の前でだけだと雄太はいつか言っていたけど、これを他でやらかしてしまうと周りも大変だろうなと思う。
結局支払いの時に雄太が私の後ろに立ったまま何も言わないし、雄太が金欠なのも知っていたので、私が支払いを済ませた。
それからまた相合傘をして雄太のアパートに戻った。相変わらず私の腕も肩もびっしょり濡れてしまっていたけど、雄太はやっぱり気が付いていなかった。
「うん!良いね、すごく楽しみ。じゃあその後は、お昼、どこかで食べようか?」
「いいな、それ。…あーでもなあ。ゴルフクラブ数本、新調したばっかで今月厳しいんだよな。」
「そうなの?ゴルフクラブってそんなに高いんだ?」
「ああ、40万位だったっけ?」
「よっ40万?!そんなに払っちゃったの?」
「何驚いてんだよ、それでも俺が本当に欲しかったのはもっと高かったんだぜ。これでも安かった方なんだぜ。」
「そ…そっか。じゃあさ、別に映画館に行かなくても家で映画見たほうが良いんじゃない?」
「俺と出かけるのが嫌なのか?」
「いや、だって…」
(…雄太にそう言われると断れないよね…別に驕れとか言ってるわけではないけど、懐が寂しい時は別に無理して外出する必要はないのにと思ったから、家で映画を観ようと提案しただけだったのだけど。 )
「よし、決定!」
私がうじうじと考えている間のこの雄太の一声で、週末は雄太と一緒に映画館に行くことになった。
そして雨が継続的に降り続ける土曜日、私と雄太は映画館にむかった。
丁度雄太の家には傘が一本しかなかったから、私がもう一本をコンビニで買おうとしたら雄太に相合傘で行けばいいだろと止められてしまった。
背の高い雄太が傘を持ってくれているけど、無意識なのか、傘の大半が雄太が濡れないように動いてしまっていて、私の腕はびっしょり濡れてしまっていた。
そんなことにも雄太は映画館についても気が付くことはなかったけれど。
「おっ、これ面白そ。このアクション映画すっげ―面白いらしいぞ?よし決まりだな。行くぞ椿。」
「え…うん。あ…私がチケット買うよ。後は、ポップコーンと飲み物のセットでいいよね?」
「ああ、じゃあ、俺ジンジャーエールとキャラメルポップコーンがいいな。Lサイズで頼む。」
アクション映画が嫌いというわけではないけども、どちらかといえば恋愛映画の方が実は好きだなんて、いまだに雄太に言い出せずいる。
ポップコーンと飲み物を手に二人で席に座って、雄太の選んだアクション映画を観た。映画の内容よりも、雄太と一緒にこうして時間を過ごしたことに満足をしてしまっているのだから私も重症だ。
「くしゅっ!…」
映画館はかなり冷房が効いていて、濡れてしまった腕がかなり冷えたけどおかげですぐに服が渇いてくれた。
結局お腹が空いたと不機嫌になってしまった雄太をなだめるように近くのイタリアンレストランに入った。
「何にしようか?あ、ランチスペシャルだってよ?」
「ランチスペシャルって、なんか安っぽくない?俺、このスモークサーモンと四種類のキノコのクリームソースパスタと、カプチーノのマグサイズにする。あ、あとこのガーリックブレッドも食べる。」
食べ終わった雄太はやっと一息付けたようで私もほっとした。
お腹が空いた時の雄太はとにかく不機嫌になってしまうのだ。
私の前でだけだと雄太はいつか言っていたけど、これを他でやらかしてしまうと周りも大変だろうなと思う。
結局支払いの時に雄太が私の後ろに立ったまま何も言わないし、雄太が金欠なのも知っていたので、私が支払いを済ませた。
それからまた相合傘をして雄太のアパートに戻った。相変わらず私の腕も肩もびっしょり濡れてしまっていたけど、雄太はやっぱり気が付いていなかった。
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