椿の花の咲くころにーずっと尽くしてきたけど彼の選んだのは別の女性でした。だから私自身を大切にしたら幸せになりましたー

梅雨の人

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尽くす女はもやっとした気持ちを抱えた

週末、いつもの癖でついつい家主不在の雄太のアパートで洗濯と掃除を済ませてから、いつものクリーニング店に歩いて行った。 

(週末の食材は…今日は買わなくてよかったんだっけ...) 

先週預けていたスーツとワイシャツを雄太のアパートに戻してから、自宅に戻ることにした。 

ガタンゴトンと揺られる電車の中で、デート中のカップルを多く目にして羨ましいなと思ってしまった。もうしばらく雄太とデートらしいデートなんてしていない。 

お腹もすいたし自分への御褒美だと思って、途中駅で下車してデパ地下へ向かった。 

長らく訪れていなかったけどやっぱりいつ来ても迷ってしまうくらい美味しそうな食べ物であふれていた。 

ゆっくりと回って結局、カルバッチョ、カマンベールチーズと生ハム、スパークリングワイン、それから大好きなベークドチーズケーキを購入した。 

(よし、帰ろうっと...え?…雄太...と、確か営業の長瀬さん?どうして?雄太は出張って言っていたのに…どうして彼女と一緒にこんなところに……まさか…) 

人ごみにまみれてあっという間に雄太を見失ってしまった私はすぐに雄太にメッセージを送った。 

 

ピロンピロン♪ 

『出発が遅れて今から空港に向かうんだよ。先に営業先の土産を選んでたんだけど椿とすれ違ってたなんて驚いた。こっちに戻ったらまた連絡する。じゃあな。』 

(そうだよね…びっくりしちゃった…出張って一人じゃなかったんだ。長瀬さんって…確か書類を営業先に間違えて持って行っちゃって雄太に怒られた子だよね…一緒に出張に行くんだ…) 

わずかにもやっとした気持ちを抱えながら自分のアパートに戻って行った。 
週明け、雄太から出張から戻ってきたとメッセージをもらい、またいつものルーティンが始まった。 

週末に会えなかっただけなのに、それまで毎日会っていたせいか、雄太は自宅に戻って私を見るなり性急に求めてきた。なぜか言葉数もいつもより多いし、大阪のお土産が時間がなくて買えなかったからと、駅で買ってきたというシュークリームをもらった。 

「今週末は椿の好きな映画一緒に観ようぜ。何がいいか考えといて。…今日は駅まで送るよ。」 

久々に会った雄太は私にとても甘くて、そんな珍しい雄太に私も久しぶりにときめいてしまった。 

でも、その週の土曜の夕方、映画を観終わった私は雄太に送られて自宅のアパートに戻った。その日珍しく私のアパートに泊まった雄太は早朝、友人と約束があると言って出て行った。 

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