36 / 54
サミュエル
初恋と婚約者1
しおりを挟む
私の兄ウィリアムは何をさせても呑み込みが早く大変優秀で、この国の将来も兄がいるから安泰だと父や家臣は満足していた。
弟ルイスは私と年子で生まれてきたので兄よりも弟と接する機会が多かった。
ルイスも兄に似て一を聞いたら十を知るような天才肌で、一歳年上の私が勉強していた内容をその弟は実は既に理解していることに気が付いたのはまだ私が十歳にもならない頃だった。
私も天才だと言われてきたが、兄サミュエルと弟ルイスには到底かなわないことを知り歯痒い思いをした。
ただ私に遠慮してなのか、ルイスはその優れた才能を自慢することもなく、むしろその事実をルイスが口にすることはなかった。
そして、ウィリアム兄上の婚約者が決まり、その婚約者であるブリアナを初めて目にした瞬間、体中に雷に打たれたような衝撃を受けて立ち尽くした。
彼女は笑顔で何か話していたのだったが、頭の中がフワフワして一体彼女が何を話していたのかなんて全く頭に入ってこなかった。
「よろしくお願いいたします、サミュエル殿下」
ああ、これが恋に落ちるとかいうやつかと納得した瞬間だった。
ブリアナはそれから王宮に王太子妃教育を受けに登城するようになり、私は駄目だと分かっていても結局何かと口実を作っては彼女に接触を図っていった。
王太子妃教育で落ち込むブリアナに付け入り、私はここぞとばかりに彼女に寄り添い気が付けば涙を流す彼女を慰めるようになっていた。
兄上とブリアナが婚約者となった直後から私の婚約者探しが始まったが、どうしたことか非常に難航していたようだった。
そして、婚約者探しが始まって二年後、私が14歳の時、私とローズとの婚約が結ばれた。
何度か茶会であいさつを交わしたことはあったが、婚約者として初顔合わせで見せたローズは、儚く可憐で目が離せない美しい少女として私の目に映った。
弟ルイスは私と年子で生まれてきたので兄よりも弟と接する機会が多かった。
ルイスも兄に似て一を聞いたら十を知るような天才肌で、一歳年上の私が勉強していた内容をその弟は実は既に理解していることに気が付いたのはまだ私が十歳にもならない頃だった。
私も天才だと言われてきたが、兄サミュエルと弟ルイスには到底かなわないことを知り歯痒い思いをした。
ただ私に遠慮してなのか、ルイスはその優れた才能を自慢することもなく、むしろその事実をルイスが口にすることはなかった。
そして、ウィリアム兄上の婚約者が決まり、その婚約者であるブリアナを初めて目にした瞬間、体中に雷に打たれたような衝撃を受けて立ち尽くした。
彼女は笑顔で何か話していたのだったが、頭の中がフワフワして一体彼女が何を話していたのかなんて全く頭に入ってこなかった。
「よろしくお願いいたします、サミュエル殿下」
ああ、これが恋に落ちるとかいうやつかと納得した瞬間だった。
ブリアナはそれから王宮に王太子妃教育を受けに登城するようになり、私は駄目だと分かっていても結局何かと口実を作っては彼女に接触を図っていった。
王太子妃教育で落ち込むブリアナに付け入り、私はここぞとばかりに彼女に寄り添い気が付けば涙を流す彼女を慰めるようになっていた。
兄上とブリアナが婚約者となった直後から私の婚約者探しが始まったが、どうしたことか非常に難航していたようだった。
そして、婚約者探しが始まって二年後、私が14歳の時、私とローズとの婚約が結ばれた。
何度か茶会であいさつを交わしたことはあったが、婚約者として初顔合わせで見せたローズは、儚く可憐で目が離せない美しい少女として私の目に映った。
651
あなたにおすすめの小説
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
元婚約者に未練タラタラな旦那様、もういらないんだけど?
しゃーりん
恋愛
結婚して3年、今日も旦那様が離婚してほしいと言い、ロザリアは断る。
いつもそれで終わるのに、今日の旦那様は違いました。
どうやら元婚約者と再会したらしく、彼女と再婚したいらしいそうです。
そうなの?でもそれを義両親が認めてくれると思います?
旦那様が出て行ってくれるのであれば離婚しますよ?というお話です。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる