今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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ルーカスの変化

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「プリシア嬢、君は今日も元気がいいのだな。さあ、そろそろルーカス殿下からこの手を放してもらおうか?」 
 
「あっ!ダグラス様、すみません。そんなつもりじゃなかったのに…エルザ様にもそんなに怖い顔をさせてしまって…」 
 
怖い顔といわれても、そんな顔をしているつもりのなかったエルザは言葉を失った。

そして、プリシアの非常識な言動に驚きつつも、それを許しているルーカスに内心呆れていたエルザと目が合ったルーカスは、若干気まずげな表情を浮かべた。 

それからというもの、ルーカスに体を押し付けるように密着するプリシアを見かねて、ダグラスが根気強く引き離そうとすることが増えていった。

しかし、ルーカス本人がプリシアに何も注意をしない為に、いつしかエルザの目の前でプリシアがルーカスと腕を組んだり抱きついたりする異様な光景が毎日見られるようになってしまった。 

そして、ふと気が付けばルーカスとプリシアの姿が見えなくなることが増えていったのだった。 

「エルザ嬢、大丈夫か?一体ルーカス殿下はどうしてしまったというんだ。いくら聖女だからといっても、殿下がプリシア場を諫めないとは。」 
 

「ルーカス様、ご心配をおかけしてしまいまして申し訳ございません…。きっとルーカス殿下にも思うところがあるのでしょう。」 

そうは言ったものの、エルザの心はプリシラにいいようにさせているルーカスへの不信感で苦しくなっていた。


「…エルザ嬢…。覚えているかい?君がルーカス殿下の婚約者に決まる前、よく私達で駆けまわって遊んでいたころを。」 

「ええ、もちろんですわ、ルーカス様。あの頃は本当に楽しくて、ダグラス様とお別れするのが寂しくて私はいつも別れ際に泣いてばかりで…。思い出しただけで本当に恥ずかしいですわ…」 

「はははっ!そんな泣き虫でおてんばな君を知っているなんて、私は本当に恵まれているよ。他のみんなは、君が淑女の鏡のような女性だと思っているからね。…エル…辛ければいつでも私を頼ってほしい。」 

「…ありがとうございます…ダグ様…」 

「どういたしまして…エル…」 
 

エルザがルーカスの婚約者となる以前の幼いころに、ダグラスとエルザが互いに呼び合っていた愛称を久々に口にしたエルザの顔に笑顔が戻ったのを見て、ダグラスも嬉しそうに微笑むのだった。 
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