今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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宝探しで見つけたものは

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「いや、大した用事ではないから私のことは気にしないでくれ。それより、来週の講義で必要な本を図書館で探すのを悪いが手伝ってもらえないだろうか。先ほど先生に頼まれてしまったんだ。エルザ嬢は昔から、宝探しが得意だったからね。今日こそは君に負けないつもりで私も張り切って探そうと思ってるんだ。」 

「まあ、ダグラス様!ふふふっ!ええ、是非お手並み拝見と行きましょう。」 

そうして図書館についた二人は手分けして本を探していたが、同時に、ふと人がいないはずの木々が立ち並ぶ学園の奥まった場所に人影を目にした。 

ダグラスが、あっ、と小さな声を漏らしたのも気にせずエルザはその人影を目にして動けなくなった。

エルザとダグラスが見つめるその先には、抱きしめあうルーカスとプリシアの姿があった。 


「エル、見るな。」 

ダグラスの声が聞こえたと同時に視線をダグラスの大きな手で塞がれたエルザは、その美しい瞳から次々と大粒の涙をこぼしていた。 

「うぅっ…」

無言のダグラスは震えながら涙を流すエルザを窓から遠ざけるため、エルザの肩に自身の手を添えた。

そしてすぐにエルザにそれ以上ルーカスたちを見せないようにエルを移動さたのだった。

エルザの涙が止むまでただ傍に寄り添っていたダグラスだったが、その持って行きようのない苛立ちでいっぱいになっていた。

そして、かつてこれほどまでに取り乱したエルザを目の当たりにしたことがなかったダグラスは、人目を避けエルザをウィリアムソン邸に密かに連れ帰ったのだった。 

一人では体を支えられなくなっていたエルザは、馬車を降りる際にダグラスに抱えられて屋敷に入って行った。

まだ学園にいるはずの愛娘が突然ダグラスに抱えられて屋敷に戻って来たので、ウィリアムソン侯爵夫妻と屋敷の者は驚きを隠せなかった。

すぐに私室に運ばれたエルザはふさぎ込んだままで、エルザの父や母が話しかけてもその日はエルザが部屋から出てくることはなかった。

そしてその日からエルザは、一週間以上もの間学園を休んだ。 
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