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ダグラスの訪問
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何の前触れもなしにエルザが早退したと知った日、ルーカスは嫌な予感がしてすぐにエルザの見舞いに訪れたが、エルザの体調不良を理由に面会を断られてしまった。
その後も連日ルーカスはエルザを見舞おうとしたが、どうしてもエルザに会うことが出来ずルーカスの顔色は悪くなっていく一方だった。
そんな中、娘を心配するエルザの両親に会うためにダグラスは一人でウィリアムソン邸を訪れた。
「お久しぶりです、ウィリアムソン侯爵そして夫人。ご無沙汰しておりました。」
「かしこまらないでくれ。大きくなったね、ダグラス君。」
和気あいあいと和やかな昔話を互いに交わしたのもつかの間、意を決したようにダグラスはエルザの身の回りで起きている状況をウィリアムソン侯爵夫妻に説明したのだった。
「ああ…なんてことだ。だからエルザがこんなことになってしまったのか…!幼いころから互いに想いを通わせていたと思っていたからこそ安心していたのに…。あのクソ王太子め……エルザをあれほど大事にしていたように見えていた私の目は節穴だったのか…!」
クソ王子…ウィリアムソン侯爵の心の声を耳にしたダグラスは、内心では伯爵に大きく頷きながらも言葉を続けた。
「ええ、私も同感です。エルザほどの婚約者がありながら、あのような下品な男爵令嬢に殿下が靡いてしまった気持ちが私には理解できません。
しかしなぜか未だに、ルーカス殿下がエルザに向ける視線は愛する者に対するそれで、エルザを見舞おうと連日こちらの屋敷に向かっている殿下は、エルザのことを心から心配し愛しているようにしか見えないのです。
結婚前の一時的な浮気心…といっても、エルザの目の前でベタベタしてくるプリシア嬢を拒否しないのですから、殿下の方にも何か理由でもあるのかとも思っているのですが。」
確かに、ダグラスの話を聞いて居る限りでは、プリシアが聖女という以外でエルザが何ら劣っているところも感じられず、連日や屋敷に訪れているルーカスの表情からは、本心からエルザを心配し愛おしんでいるのが見て取れる。
しかし、だからといって結婚前から他の女にふらふら行ってしまうなど、ましてやエルザとの結婚式直前に許されることではないとウィリアムソン侯爵はルーカスに強い怒りと嫌悪を感じていた。
その後も連日ルーカスはエルザを見舞おうとしたが、どうしてもエルザに会うことが出来ずルーカスの顔色は悪くなっていく一方だった。
そんな中、娘を心配するエルザの両親に会うためにダグラスは一人でウィリアムソン邸を訪れた。
「お久しぶりです、ウィリアムソン侯爵そして夫人。ご無沙汰しておりました。」
「かしこまらないでくれ。大きくなったね、ダグラス君。」
和気あいあいと和やかな昔話を互いに交わしたのもつかの間、意を決したようにダグラスはエルザの身の回りで起きている状況をウィリアムソン侯爵夫妻に説明したのだった。
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しかしなぜか未だに、ルーカス殿下がエルザに向ける視線は愛する者に対するそれで、エルザを見舞おうと連日こちらの屋敷に向かっている殿下は、エルザのことを心から心配し愛しているようにしか見えないのです。
結婚前の一時的な浮気心…といっても、エルザの目の前でベタベタしてくるプリシア嬢を拒否しないのですから、殿下の方にも何か理由でもあるのかとも思っているのですが。」
確かに、ダグラスの話を聞いて居る限りでは、プリシアが聖女という以外でエルザが何ら劣っているところも感じられず、連日や屋敷に訪れているルーカスの表情からは、本心からエルザを心配し愛おしんでいるのが見て取れる。
しかし、だからといって結婚前から他の女にふらふら行ってしまうなど、ましてやエルザとの結婚式直前に許されることではないとウィリアムソン侯爵はルーカスに強い怒りと嫌悪を感じていた。
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