今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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一人じゃない

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「ダグラス君、わざわざ足を運んでもらってすまなかった。本当に感謝する。なんと不甲斐ないことか、君に知らされるまでこんなことになっているなんて夢にも思わなかったよ。

今日はありがとう。これからもエルザの良き友人でいてやってほしい。よろしく頼むよ。」

他を慮るばかりに己を犠牲にしすぎるエルザが、父であるウィリアムソン侯爵夫妻にあの王子のことを相談できていないのではないかと心配になったダグラスだった。

しかし、余計なお世話だったかもと思いつつも、エルザを心から愛してやまない侯爵夫妻と話すことが出来て正解だったのだとダグラスは胸をなでおろした。 
 


「エルザ、入るよ?」 

「お父様、ええ…どうぞ。」 

「エルザ、具合の方はどうだい?」 

「お陰様で多少良くなってきましたわ。」 

「そうかそれはよかった。…エルザ、私はエルザにとって頼りにならない父親だろうか?」 

「そんなことありません、お父様はいつだって私を守ってくれる優しくて強いお父様です。」 

「はははっ!エルザからそう言ってもらって安心したぞ。頼りないなんて言われたらもう立ち直れそうになかったからね…。エルザ…お前は一人じゃないんだ。いつもお前のそばにに私たちが付いているという事を覚えていてほしい。エルザがどうしてこんなことになってしまったのか、そしてあの聖女の娘とルーカス殿下について先程聞いてきた。」 

「…お父様、不甲斐ない娘で申し訳ございません…」 

「ああ…エルザ…おいで。大丈夫だ。エルザは何も悪くない。エルザは私達の自慢の娘だ…」 

涙を流す愛しい娘の顔色は青褪めていた。

結婚する前にルーカスがそういう類の男と分かって良かったというべきか、相手が聖女だからエルザの気持ち次第では、婚約破棄を行うのも互いに都合がよくなるだろうから良かったというべきか。

こうなったからにはルーカスとエルザの将来は暗いものになるのではとエルザの父はすばやく思考を巡らせた。

それからのエルザの父の行動は早く、早速その次の日、王のもとにエルザの父から謁見の申し込みが届けられたのだった。 
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