40 / 51
その想いは伝わる
「ダニエル君、そんなに緊張しなくても大丈夫だ。…ああ、私たちは賛成だよ。陛下に話は聞いているから後は、エルザの意思に任せる。エルザ、ダグラス君と庭でも散歩してくるように。」
ウィリアムソン侯爵夫妻に見送られたダニエルは耳まで真っ赤になっており、エルザはただ言われるがままダニエルを庭園へ案内した。
「ああ…遂にエルザが私の元から去ってしまうんだな…ルーカス殿下の時は腹が立って仕方なかったのに、今回は全く逆の気分だ。しかし…私の可愛いエルザが…しかもまた王家に…」
「ふふふっ、あなたったら…エルザの幸せを祈りましょう?」
「ああ…そうだな…」
そんな会話を両親がしているなど思いもよらないエルザは、咲き誇る花々をダグラスと眺めていた。
「ダグラス様…顔が少し赤くなっているみたいですけれど、どこか具合でもお悪いのでしょうか?無理をなさらないで?」
「いやっ…具合が悪いわけではないんだよ、エルザ…。ふぅっ…………」
するとエルザを見つめたまま突然ダグラスはその場で跪いたのだった。
「エルザ…私は君のことがずっと好きなんだ。君だけをずっと見てきた。
エルザがルーカス殿下の婚約者に決まったときから白い結婚で戻ってくることになるまで、私は自分の気持ちを君に伝えるべきではないと思っていた。ずっとこの思いを胸に秘めていたがもうこの気持ちを抑えることが出来そうにない。
…実は先日、陛下よりルーカス殿下が廃太子されることが決まり、私が代わりに王太子の座に就くことになった。陛下とは私がエルザと共に在りたいという事を話してある。
もしエルザが望んで私の元へ来てくれるというのなら…エルザが再び王家に嫁ぐ了承を得てきた。
誤解しないでくれ。
私が王太子になるからエルザと一緒になりたいというのではなくて、私はエルザとしか一緒になりたくないんだ。
こんな私だが、エルザ…どうか私と生涯を共にしてはもらえないだろうか…」
「ダグラス様…私でよろしいのですか?
白い結婚で家に戻ってきた私などで、ダグラス様の妻が務まりますでしょうか…。
学園でも王宮に嫁いだ後も…私の辛いときにいつも寄り添って下さったダグラス様に感謝しております。
ダグラス様の傍はとても心地よくて…ずっとダグラス様の深い愛に守られていたのですね…、とても嬉しい。
好きにならないわけないではないですか…。今の私の心はダグラス様でいっぱいなのです。
こんな私でもダグラス様をお慕い申し上げていると伝えても宜しいのでしょうか…。」
「ああっ。ああ、もちろんだとも、エルザ!エルザ…エル…愛しているよ…」
長い月日をかけてようやく気持ちを通わせることが出来た二人はしばらくその場で抱きしめ合った。
ウィリアムソン侯爵夫妻に見送られたダニエルは耳まで真っ赤になっており、エルザはただ言われるがままダニエルを庭園へ案内した。
「ああ…遂にエルザが私の元から去ってしまうんだな…ルーカス殿下の時は腹が立って仕方なかったのに、今回は全く逆の気分だ。しかし…私の可愛いエルザが…しかもまた王家に…」
「ふふふっ、あなたったら…エルザの幸せを祈りましょう?」
「ああ…そうだな…」
そんな会話を両親がしているなど思いもよらないエルザは、咲き誇る花々をダグラスと眺めていた。
「ダグラス様…顔が少し赤くなっているみたいですけれど、どこか具合でもお悪いのでしょうか?無理をなさらないで?」
「いやっ…具合が悪いわけではないんだよ、エルザ…。ふぅっ…………」
するとエルザを見つめたまま突然ダグラスはその場で跪いたのだった。
「エルザ…私は君のことがずっと好きなんだ。君だけをずっと見てきた。
エルザがルーカス殿下の婚約者に決まったときから白い結婚で戻ってくることになるまで、私は自分の気持ちを君に伝えるべきではないと思っていた。ずっとこの思いを胸に秘めていたがもうこの気持ちを抑えることが出来そうにない。
…実は先日、陛下よりルーカス殿下が廃太子されることが決まり、私が代わりに王太子の座に就くことになった。陛下とは私がエルザと共に在りたいという事を話してある。
もしエルザが望んで私の元へ来てくれるというのなら…エルザが再び王家に嫁ぐ了承を得てきた。
誤解しないでくれ。
私が王太子になるからエルザと一緒になりたいというのではなくて、私はエルザとしか一緒になりたくないんだ。
こんな私だが、エルザ…どうか私と生涯を共にしてはもらえないだろうか…」
「ダグラス様…私でよろしいのですか?
白い結婚で家に戻ってきた私などで、ダグラス様の妻が務まりますでしょうか…。
学園でも王宮に嫁いだ後も…私の辛いときにいつも寄り添って下さったダグラス様に感謝しております。
ダグラス様の傍はとても心地よくて…ずっとダグラス様の深い愛に守られていたのですね…、とても嬉しい。
好きにならないわけないではないですか…。今の私の心はダグラス様でいっぱいなのです。
こんな私でもダグラス様をお慕い申し上げていると伝えても宜しいのでしょうか…。」
「ああっ。ああ、もちろんだとも、エルザ!エルザ…エル…愛しているよ…」
長い月日をかけてようやく気持ちを通わせることが出来た二人はしばらくその場で抱きしめ合った。
あなたにおすすめの小説
完結 この手からこぼれ落ちるもの
ポチ
恋愛
やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いからね?頼んだよ
僕が君に触れる事は無いけれど
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
嘘つきな貴方を捨てさせていただきます
梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。
「さっさと死んでくれ」
フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。
愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。
嘘つきな貴方なんて、要らない。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
11/27HOTランキング5位ありがとうございます。
※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。
1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。
完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
欲深い聖女のなれの果ては
あねもね
恋愛
ヴィオレーヌ・ランバルト公爵令嬢は婚約者の第二王子のアルバートと愛し合っていた。
その彼が王位第一継承者の座を得るために、探し出された聖女を伴って魔王討伐に出ると言う。
しかし王宮で準備期間中に聖女と惹かれ合い、恋仲になった様子を目撃してしまう。
これまで傍観していたヴィオレーヌは動くことを決意する。
※2022年3月31日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
もう、今更です
もちもちほっぺ
恋愛
伯爵令嬢セリーヌ・ド・リヴィエールは、公爵家長男アラン・ド・モントレイユと婚約していたが、成長するにつれて彼の態度は冷たくなり、次第に孤独を感じるようになる。学園生活ではアランが王子フェリクスに付き従い、王子の「真実の愛」とされるリリア・エヴァレットを囲む騒動が広がり、セリーヌはさらに心を痛める。
やがて、リヴィエール伯爵家はアランの態度に業を煮やし、婚約解消を申し出る。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。