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幸せに溢れた二度目の挙式
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厳かで壮大な結婚式が行われた。
エルザにとっては二度目の式。
第二妃としてルーカスと行った式とは比べ物にならないほど豪華なもので、今回こそは家族や友人からも満面の笑みが溢れているのを嬉しく思った。
その後、華やかなパレードには国内外から人々が見物に訪れ、辛い境遇に耐え、偽聖女と愚かな前王太子をそれでも支え続けた過去を持つ健気なエルザが、遂に新王太子ダグラスの妻となるのを皆が盛大に祝福した。
一方ルーカスは、第二妃としてとして自分に嫁いだ時のような貼り付けたような表情を全く見せず、むしろ急に花が開いたように見違えるほど美しく、皆が見惚れるような笑顔を見せているエルザを目の当たりにして心中は嫉妬と後悔で荒れ狂っていた。
盛大な宴がその後催され、どんな時でも主役の二人はぴったりと幸せそうに寄り添い続けていた。
ダグラスとエルザの互いを見つめあう瞳には熱が籠っており、ルーカスは激しい嫉妬で頭が焼き切れそうになった。
そしてついに初夜の時が来た。
ルーカスとの初夜で放置されたことを思い出したくもないのに、ふとそのことを思い出してしまったエルザは浮かない表情になっていた。
またルーカスの時のように放置されてしまうのではと不安な気持ちで部屋に入ると、なんとそこでは先にダグラスがエルザを待っていた。
初夜の慣例では、女が先に寝室で夫を待つものだが、妻の気持ちを慮ったダグラスはその慣例を無視してエルザを先に待っていたのだ。
エルザはそんなダグラスを見て、どれだけ自分の気持ちを理解しているのだろうと思うと涙が出てきた。
ダグラスの気持ちが嬉しすぎて、涙を流すエルザにダグラスは歩み寄り優しく抱きしめた。
「エル。どうかわたしだけを見ていてほしい。」
ダニエルの瞳はエルザだけを移しており、エルザは目の前にいる愛しいダグラスを見つめた。
「愛しているよエルザ…」
そうダグラスが囁き、初めて二人は互いに顔を近づけ熱いキスを繰り返した。
エルザにとっては二度目の式。
第二妃としてルーカスと行った式とは比べ物にならないほど豪華なもので、今回こそは家族や友人からも満面の笑みが溢れているのを嬉しく思った。
その後、華やかなパレードには国内外から人々が見物に訪れ、辛い境遇に耐え、偽聖女と愚かな前王太子をそれでも支え続けた過去を持つ健気なエルザが、遂に新王太子ダグラスの妻となるのを皆が盛大に祝福した。
一方ルーカスは、第二妃としてとして自分に嫁いだ時のような貼り付けたような表情を全く見せず、むしろ急に花が開いたように見違えるほど美しく、皆が見惚れるような笑顔を見せているエルザを目の当たりにして心中は嫉妬と後悔で荒れ狂っていた。
盛大な宴がその後催され、どんな時でも主役の二人はぴったりと幸せそうに寄り添い続けていた。
ダグラスとエルザの互いを見つめあう瞳には熱が籠っており、ルーカスは激しい嫉妬で頭が焼き切れそうになった。
そしてついに初夜の時が来た。
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「エル。どうかわたしだけを見ていてほしい。」
ダニエルの瞳はエルザだけを移しており、エルザは目の前にいる愛しいダグラスを見つめた。
「愛しているよエルザ…」
そうダグラスが囁き、初めて二人は互いに顔を近づけ熱いキスを繰り返した。
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