17 / 49
実はあの時
しおりを挟む
「はぁー。なんてことだ、ルビー。ってことはあの時俺らは両思いだったんじゃないか。こんな大事なことを先に俺に言ってしまうなんて。
ルビー…本当に恐ろしいなぁ。」
「無自覚だなんて失礼ね。っていうか、ジョーも私のことが好きだったの?」
「またルビーは…。ああ。好きだったっていうか…まあそうだな…」
「なんだか煮え切らない言い方ね。ふふふっ」
「まあな…。なあ、覚えてるか?俺らがまだ小さなころよく一緒に遊んでたじゃないか。
兄貴らと一緒に駆けまわったりしてさ。
ルビーは負けず嫌いで、何でもかんでも一生懸命でさ。
それで、うまくいかないときは涙なんかためてて。
ルビーが涙たためるたびに俺まで泣きそうになるんだ。そしていつからか泣きそうなルビーも可愛いなんて思うようになってさ。ああ、もう絶対にルビーは俺が絶対に守るって決めてたんだ。
だから、両親にルビーを婚約者にしてくれって何度も頼んでたんだけど、その時丁度俺に、公爵家からの縁談話が入ってきたんだ。何とか断ってもらうよう粘っていたら、いつの間にかルビーは婚約してしまって。
本当にショックだったよ。
結婚式の時のルビーは本当にきれいで眩しくてさ。
なんで俺がルビーの隣にいることが出来ないんだって思ったよ。
だから結婚して幸せなルビーを見るのがつらくて、隣国に逃げたんだ。」
「ジョー…」
「ルビー、わかってる。今は色々あってルビーが悩んでる時だ。付け入るような言い方をしてしまってすまない。とにかく、ルビーの初恋が俺だってわかって本当に嬉しいんだ。」
「そう...。」
風邪でフワッと浮かんだ自身の髪の毛を優しく見つめるジョーンズの切ない眼差しにルビーは気がついていなかった。
ルビー…本当に恐ろしいなぁ。」
「無自覚だなんて失礼ね。っていうか、ジョーも私のことが好きだったの?」
「またルビーは…。ああ。好きだったっていうか…まあそうだな…」
「なんだか煮え切らない言い方ね。ふふふっ」
「まあな…。なあ、覚えてるか?俺らがまだ小さなころよく一緒に遊んでたじゃないか。
兄貴らと一緒に駆けまわったりしてさ。
ルビーは負けず嫌いで、何でもかんでも一生懸命でさ。
それで、うまくいかないときは涙なんかためてて。
ルビーが涙たためるたびに俺まで泣きそうになるんだ。そしていつからか泣きそうなルビーも可愛いなんて思うようになってさ。ああ、もう絶対にルビーは俺が絶対に守るって決めてたんだ。
だから、両親にルビーを婚約者にしてくれって何度も頼んでたんだけど、その時丁度俺に、公爵家からの縁談話が入ってきたんだ。何とか断ってもらうよう粘っていたら、いつの間にかルビーは婚約してしまって。
本当にショックだったよ。
結婚式の時のルビーは本当にきれいで眩しくてさ。
なんで俺がルビーの隣にいることが出来ないんだって思ったよ。
だから結婚して幸せなルビーを見るのがつらくて、隣国に逃げたんだ。」
「ジョー…」
「ルビー、わかってる。今は色々あってルビーが悩んでる時だ。付け入るような言い方をしてしまってすまない。とにかく、ルビーの初恋が俺だってわかって本当に嬉しいんだ。」
「そう...。」
風邪でフワッと浮かんだ自身の髪の毛を優しく見つめるジョーンズの切ない眼差しにルビーは気がついていなかった。
558
あなたにおすすめの小説
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。
我慢しないことにした結果
宝月 蓮
恋愛
メアリー、ワイアット、クレアは幼馴染。いつも三人で過ごすことが多い。しかしクレアがわがままを言うせいで、いつもメアリーは我慢を強いられていた。更に、メアリーはワイアットに好意を寄せていたが色々なことが重なりワイアットはわがままなクレアと婚約することになってしまう。失意の中、欲望に忠実なクレアの更なるわがままで追い詰められていくメアリー。そんなメアリーを救ったのは、兄達の友人であるアレクサンダー。アレクサンダーはメアリーに、もう我慢しなくて良い、思いの全てを吐き出してごらんと優しく包み込んでくれた。メアリーはそんなアレクサンダーに惹かれていく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
いつまでも変わらない愛情を与えてもらえるのだと思っていた
奏千歌
恋愛
[ディエム家の双子姉妹]
どうして、こんな事になってしまったのか。
妻から向けられる愛情を、どうして疎ましいと思ってしまっていたのか。
【完結】旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです
よどら文鳥
恋愛
貴族のことを全く理解していない旦那様は、愛人を紹介してきました。
どうやら愛人を第二夫人に招き入れたいそうです。
ですが、この国では一夫多妻制があるとはいえ、それは十分に養っていける環境下にある上、貴族同士でしか認められません。
旦那様は貴族とはいえ現状無職ですし、愛人は平民のようです。
現状を整理すると、旦那様と愛人は不倫行為をしているというわけです。
貴族の人間が不倫行為などすれば、この国での処罰は極刑の可能性もあります。
それすら理解せずに堂々と……。
仕方がありません。
旦那様の気持ちはすでに愛人の方に夢中ですし、その願い叶えられるように私も協力致しましょう。
ただし、平和的に叶えられるかは別です。
政略結婚なので、周りのことも考えると離婚は簡単にできません。ならばこれくらいの抵抗は……させていただきますよ?
ですが、周囲からの協力がありまして、離婚に持っていくこともできそうですね。
折角ですので離婚する前に、愛人と旦那様が私たちの作戦に追い詰められているところもじっくりとこの目で見ておこうかと思います。
心から信頼していた婚約者と幼馴染の親友に裏切られて失望する〜令嬢はあの世に旅立ち王太子殿下は罪の意識に悩まされる
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢アイラ・ミローレンス・ファンタナルは虚弱な体質で幼い頃から体調を崩しやすく常に病室のベットの上にいる生活だった。
学園に入学してもアイラ令嬢の体は病気がちで異性とも深く付き合うことはなく寂しい思いで日々を過ごす。
そんな時、王太子ガブリエル・アレクフィナール・ワークス殿下と運命的な出会いをして一目惚れして恋に落ちる。
しかし自分の体のことを気にして後ろめたさを感じているアイラ令嬢は告白できずにいた。
出会ってから数ヶ月後、二人は付き合うことになったが、信頼していたガブリエル殿下と親友の裏切りを知って絶望する――
その後アイラ令嬢は命の炎が燃え尽きる。
婚約解消したら後悔しました
せいめ
恋愛
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。
婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。
ご都合主義です。ゆるい設定です。
誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる