愛を知ってしまった君は

梅雨の人

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聞きたいこと

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「ねえ、ルビー。本当に良かったの?」 

「ええ、ジョー。良いのよ。」

「そっか、それならいいんだけど。本当に、ルビーから手紙を貰った時はびっくりしたよ。まさか、結婚したはずのルビーからお誘いを受けるなんて思ってなかったからさ。ルビーがいるってのに、あいつ...
。まあ、自業自得だろうけどな。」 

「そうね、私もまさかノアが浮気するなんて。まだジョーには詳しい話はしてなかったわね。手紙に書ける内容でもなかったし仕方ないんだけど。」 

「無理に話さなくていいんだ、ルビー。ルビーが考えるのは、今日は俺にどこに連れて行ってもらって何を食べるか楽しみにすることだ。」 

「ふふふっ!ありがとう、ジョー。なんだかとても楽しみになって来たわ!」 


ジョーンズに向かい合って座るルビーは、いたずらが成功したような笑いを見せる男に安心したような笑顔を見せた。 

しばらくして馬車が止まったのは、王都にある広い森林公園だった。 

ゆったりとした空間に人もまばらで、目を閉じると風に揺られる木々の音と軽やかに鳴く動物たちの声が心を癒してくれる。 

遊歩道に沿って歩いた二人は湖に浮かぶ白鳥の群れを眺めていた。 
 

「ありがとう、ジョー。ここに連れてきてくれて。とても綺麗だわ…。」 

「ルビーがここを気に入ってくれてよかったよ。久々に会えたんだ。今日はルビーとのんびりしたいと思ってさ。」 

「ねえ、ジョー?」 

「なんだい、ルビー?」 

「何か聞きたいことがあるんじゃない?」 

「はははっ。やっぱりルビーにはかなわないな。」 

「聞きたいことが山ほどありそうだから今日は一つだけ答えてあげる。」 

「そっか。うーん、じゃあやっぱりこれから聞こうかな。なあ、ルビー。深い事情は知らないけどさ、どうして今回俺を誘ったの?」 

「それはあなたが私の初恋だからよ。」 

 
思いがけないルビーの告白にジョーンズの耳まで赤くなってしまった。 
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