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ムスクの匂い
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「怖くないか、ルビー?」
「怖くないわよ、ジョー。心配してくれてるのね。ありがとう。」
ボートに乗る際にバランスを崩しかけた時に、しっかりと受け止め支えてくれたジョーンズが、ボートを漕いでくれながらもいまだに自分を気に掛けてくれたことにルビーは感心した。
目の前で悠然とボートを漕ぐジョーンズを見つめるのも違うような気がして、ルビーはふっと水面に目をそらした。
心地よい静寂が二人を包み、ルビーとジョーンズはしばらく景色を堪能していた。
「気持ちいいな。…ああ、久々にルビーと釣りに行きたくなってきた。覚えてるか?
まだ俺たちが幼かったころ、良く釣りに行っただろ?勇んで釣ったはいいが、釣った魚が怖いってルビーはいつも泣きそうな顔で俺に助けを求めてきてさ。魚にとってはルビーの方が怖いと思うぞってつい思ったことが口から出た時、ルビーがきょとんって顔して。
ぷくくっ…。あー…ものすごく可愛かったなぁ。」
「その話は覚えてるわ。魚にとっては私の方が怖いと思うって言われて目から鱗だったわ。魚も私も互いに怯え合ってたのね、なんて納得したの。
今思うと、確かにそうなんだけど…。っふ!ふふふっ!そのあと、得意げにしてたくせに、ジョーったら滑って転んで尻もちついて!」
「はははっ!それは忘れてて欲しかったやつだな。っと…ちょっと雨が降りそうだ…。ルビー、そろそろ戻ろうか。」
気が付けば雨雲が空を覆っていることに内心舌打ちしたジョーンズは、力一杯ボートを漕いで陸へ向かった。
雨が降りそうだからと頭に被されたジョーンズのジャケットはすっぽりとルビーを覆い、ジャケットからは好ましい落ち着いたムスクの匂いがした、
徐々に振り出してきた雨でジョーンズのシャツが濡れ、ボートを漕ぐたびに盛り上がる逞しい肉体がシャツ越しに垣間見えていた。
「怖くないわよ、ジョー。心配してくれてるのね。ありがとう。」
ボートに乗る際にバランスを崩しかけた時に、しっかりと受け止め支えてくれたジョーンズが、ボートを漕いでくれながらもいまだに自分を気に掛けてくれたことにルビーは感心した。
目の前で悠然とボートを漕ぐジョーンズを見つめるのも違うような気がして、ルビーはふっと水面に目をそらした。
心地よい静寂が二人を包み、ルビーとジョーンズはしばらく景色を堪能していた。
「気持ちいいな。…ああ、久々にルビーと釣りに行きたくなってきた。覚えてるか?
まだ俺たちが幼かったころ、良く釣りに行っただろ?勇んで釣ったはいいが、釣った魚が怖いってルビーはいつも泣きそうな顔で俺に助けを求めてきてさ。魚にとってはルビーの方が怖いと思うぞってつい思ったことが口から出た時、ルビーがきょとんって顔して。
ぷくくっ…。あー…ものすごく可愛かったなぁ。」
「その話は覚えてるわ。魚にとっては私の方が怖いと思うって言われて目から鱗だったわ。魚も私も互いに怯え合ってたのね、なんて納得したの。
今思うと、確かにそうなんだけど…。っふ!ふふふっ!そのあと、得意げにしてたくせに、ジョーったら滑って転んで尻もちついて!」
「はははっ!それは忘れてて欲しかったやつだな。っと…ちょっと雨が降りそうだ…。ルビー、そろそろ戻ろうか。」
気が付けば雨雲が空を覆っていることに内心舌打ちしたジョーンズは、力一杯ボートを漕いで陸へ向かった。
雨が降りそうだからと頭に被されたジョーンズのジャケットはすっぽりとルビーを覆い、ジャケットからは好ましい落ち着いたムスクの匂いがした、
徐々に振り出してきた雨でジョーンズのシャツが濡れ、ボートを漕ぐたびに盛り上がる逞しい肉体がシャツ越しに垣間見えていた。
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