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思わぬ再開
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馬車で目的地まで半日かかる道のりを、ルビーとジョーンズは寄り道しながら綺麗な景色を楽しみつつゆっくり進んでいた。
予定通り、目的地に夕方前にはたどり着いた二人は、宿に向かう前に夕暮れに染まる静かな湖畔をゆっくりと歩くことにした。
見事に夕焼けに染まる湖畔の周辺では、ルビーたちのようにゆったりと過ごす人々でにぎわっていた。
「ジョーンズ様?」
突如呼びかけられた声に振り返ったジョーンズとルビーの前には、美しい銀髪を夕焼け色に染めた眩しいばかりの美女が立っていた。
そしてその零れ落ちそうな瞳を見開いてジョーンズを見つめていた。
「お久しぶりです。カルバイン侯爵令嬢。ここであなたに会うとは思っておりませんでしたので驚いてしまいました。失礼。」
「気になさらないで。あの…そちらのご令嬢は…ジョーンズ様がおっしゃっていたお方でございますか…?」
「ええ…。ルビー、こちらカルバイン侯爵令嬢だ。私が帝国でお世話になっていた際にお世話になった。」
「初めまして、ルビー様。キーラ・カルバインと申します。」
「お初にお目にかかります。ルビー・アボットと申します。」
「そう、あなただったのね…。どのような方か気になっていたの。」
「カルバイン侯爵令嬢…。すまないがそれ以上は…。」
「ええ、承知しました…。今回わざわざこの国まで来たのも、もしかしたらあなたにもう一度会えるかもしれないなんて淡い望みを抱いていたからなの。絶対にかないっこないって思ってたのに…。
またあなたに会えてうれしい…。でもそう思っているのは私だけみたいね…。
そんな満たされたあなたの表情を見たことがなかったわ。本当に…愛しているのね…。」
「…。ええ。」
「そう。…ごめんなさい。まだあなたの幸せを祈ってあげられそうにないわ…。だから私はだめなのね…。ふふっ…。…ご機嫌よう。さようなら…、ルビー様、…ジョーンズ様…。」
すれ違うように去っていったキーラの瞳が夕日の色で溢れててしまっていたのは見間違いではないだろう。
それでもジョーンズはルビーの傍から一歩たりとも離れることはなかった。
「行こうか、ルビー。」
何事もなかったかのように振る舞うジョーンズにルビーは黙って頷くと、再び二人でゆっくりと歩きだした。
予定通り、目的地に夕方前にはたどり着いた二人は、宿に向かう前に夕暮れに染まる静かな湖畔をゆっくりと歩くことにした。
見事に夕焼けに染まる湖畔の周辺では、ルビーたちのようにゆったりと過ごす人々でにぎわっていた。
「ジョーンズ様?」
突如呼びかけられた声に振り返ったジョーンズとルビーの前には、美しい銀髪を夕焼け色に染めた眩しいばかりの美女が立っていた。
そしてその零れ落ちそうな瞳を見開いてジョーンズを見つめていた。
「お久しぶりです。カルバイン侯爵令嬢。ここであなたに会うとは思っておりませんでしたので驚いてしまいました。失礼。」
「気になさらないで。あの…そちらのご令嬢は…ジョーンズ様がおっしゃっていたお方でございますか…?」
「ええ…。ルビー、こちらカルバイン侯爵令嬢だ。私が帝国でお世話になっていた際にお世話になった。」
「初めまして、ルビー様。キーラ・カルバインと申します。」
「お初にお目にかかります。ルビー・アボットと申します。」
「そう、あなただったのね…。どのような方か気になっていたの。」
「カルバイン侯爵令嬢…。すまないがそれ以上は…。」
「ええ、承知しました…。今回わざわざこの国まで来たのも、もしかしたらあなたにもう一度会えるかもしれないなんて淡い望みを抱いていたからなの。絶対にかないっこないって思ってたのに…。
またあなたに会えてうれしい…。でもそう思っているのは私だけみたいね…。
そんな満たされたあなたの表情を見たことがなかったわ。本当に…愛しているのね…。」
「…。ええ。」
「そう。…ごめんなさい。まだあなたの幸せを祈ってあげられそうにないわ…。だから私はだめなのね…。ふふっ…。…ご機嫌よう。さようなら…、ルビー様、…ジョーンズ様…。」
すれ違うように去っていったキーラの瞳が夕日の色で溢れててしまっていたのは見間違いではないだろう。
それでもジョーンズはルビーの傍から一歩たりとも離れることはなかった。
「行こうか、ルビー。」
何事もなかったかのように振る舞うジョーンズにルビーは黙って頷くと、再び二人でゆっくりと歩きだした。
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