24 / 27
イザック視点: 後悔2
王女殿下との夢物語はあっさりと終ってしまった。
夢から覚めた僕は、己が一番守りたかったはずの存在を軽んじ傷つけ続け最後に最低なやり方でとどめを刺してしまっていたことを自覚した。
王女殿下がこの国でも婚約を破綻させたという事は既にあちらの国にも伝わっているらしい。
醜聞を恐れたあちらの国王は予定を大幅に繰り上げ、近日、王女殿下を帰国させそのまま例の婚約者のところへ嫁がせることを決定したと父に説明された。
それを聞いても僕は何も感じなかった。
国に戻ったあの王女殿下は前途多難な人生をおくっていくのだろう。
数々の婚約を破綻させたことにより多くのあちらの貴族からは恨みをかっているだろうし、婚姻後は夫となる男の女癖の悪さが本当なら最悪な結婚生活を送るのだろう。
あの日王子殿下に真実を知らされるまで王女殿下に溺れていたのに、もう王女殿下について聞いても何も思うところなどない。
なぜ僕だったんだろうと思うと憤りを感じる。
それは自分自身になのか、王子殿下になのかはわからない。
ローズマリーがいたのになぜ僕は王女殿下に心を許してしまったんだ。
そして、王子殿下はなぜ僕にあの王女殿下の世話係を任せてしまったんだ。
最初からあの王女殿下に気をつけろと一言でも伝えてくれても良かったんじゃないかと、今更ながらに王子殿下に対して怒りがふつふつと湧いてくる。
あの女のことを知っていたから自分たちは距離を置いて、僕を差し出したんだ。
影があの女についてるくらいなら、せめて僕の過ちが報告された最初の時点で警告してほしかった。
そうしたらせめてあの日、ローズマリーにあんなものを見せなくて済んだだろうに。
まさかローズマリーにあんな場面を見られていたなんて……。
後悔で握りしめたこぶしを壁にたたきつけ怒りをぶつける。
傷ついたのはローズマリーの方なのに、大切な存在にそんなものを見せてしまったというショックを受けている僕自身に腹が立つ。
あの日、僕は彼女と婚約出来て本当に嬉しかったんだ。
そうだ…そして、僕は彼女の為に責任感の強い男になりたくて頑張って来たんだ。
そう、彼女に好かれる男になる為に。彼女の為だけに。
それなのに僕は儚い見た目に目がくらみ、王女殿下の為なんて言って、頼まれてもいないのに休日も放課後も全ての時間をささげてしまった。
普通に考えて馬鹿だろ。
ああ、ローズマリーはそんな僕を見てどう思っていたんだろう。
後悔ばかりが頭をもたげる。
ローズマリーの笑顔を最後いつ見たのか、最後にいつ会話をしたのかなんて全く思い出せない…。
夜会や茶会の席で彼女は僕がいなくて大丈夫だったのだろうかなんて、今更心配してどうする…。
ずっと僕があの女をエスコートしているのをみて、ローズマリーはどんな気持ちでいたんだろうな…。
放課後や週末だってそうだ。
婚約者であった僕があんなだったからきっと、寂しい思いをさせたに違いない。
約束だって破ってばかりで…彼女はずっと約束場所で僕を待ってくれていたのだろうか…。
朝迎えに行った馬車の中で僕たちは一体何を話していただろうか。
僕はいつもあの女のスケジュールを確認するので忙しかったから、ローズマリーに気を配ることなんてできてなかった。
彼女はその時どんな顔をしていた?馬車から降りた後、ローズマリーをひとりにさせてしまっていたのに彼女は僕に何の愚痴も溢さなかった。
手紙やプレゼントさえ送らず、ましてや約束もすっぽかし手紙の返事も送らなかった。
愛想をつかされても当たり前のことを続けていたのにもかかわらず、彼女は僕を待っていてくれたんだ。
それなのに、彼女の理想の男になるために頑張ってきたはずの僕は、いとも簡単に道を踏み外してしまった。
婚約は解消されたと分かってはいるが、今はどうしても彼女の声を聴きたいと願ってしまう。
無理だと頭では理解しているが、跪いて許しを乞いたい。
夢から覚めた僕は、己が一番守りたかったはずの存在を軽んじ傷つけ続け最後に最低なやり方でとどめを刺してしまっていたことを自覚した。
王女殿下がこの国でも婚約を破綻させたという事は既にあちらの国にも伝わっているらしい。
醜聞を恐れたあちらの国王は予定を大幅に繰り上げ、近日、王女殿下を帰国させそのまま例の婚約者のところへ嫁がせることを決定したと父に説明された。
それを聞いても僕は何も感じなかった。
国に戻ったあの王女殿下は前途多難な人生をおくっていくのだろう。
数々の婚約を破綻させたことにより多くのあちらの貴族からは恨みをかっているだろうし、婚姻後は夫となる男の女癖の悪さが本当なら最悪な結婚生活を送るのだろう。
あの日王子殿下に真実を知らされるまで王女殿下に溺れていたのに、もう王女殿下について聞いても何も思うところなどない。
なぜ僕だったんだろうと思うと憤りを感じる。
それは自分自身になのか、王子殿下になのかはわからない。
ローズマリーがいたのになぜ僕は王女殿下に心を許してしまったんだ。
そして、王子殿下はなぜ僕にあの王女殿下の世話係を任せてしまったんだ。
最初からあの王女殿下に気をつけろと一言でも伝えてくれても良かったんじゃないかと、今更ながらに王子殿下に対して怒りがふつふつと湧いてくる。
あの女のことを知っていたから自分たちは距離を置いて、僕を差し出したんだ。
影があの女についてるくらいなら、せめて僕の過ちが報告された最初の時点で警告してほしかった。
そうしたらせめてあの日、ローズマリーにあんなものを見せなくて済んだだろうに。
まさかローズマリーにあんな場面を見られていたなんて……。
後悔で握りしめたこぶしを壁にたたきつけ怒りをぶつける。
傷ついたのはローズマリーの方なのに、大切な存在にそんなものを見せてしまったというショックを受けている僕自身に腹が立つ。
あの日、僕は彼女と婚約出来て本当に嬉しかったんだ。
そうだ…そして、僕は彼女の為に責任感の強い男になりたくて頑張って来たんだ。
そう、彼女に好かれる男になる為に。彼女の為だけに。
それなのに僕は儚い見た目に目がくらみ、王女殿下の為なんて言って、頼まれてもいないのに休日も放課後も全ての時間をささげてしまった。
普通に考えて馬鹿だろ。
ああ、ローズマリーはそんな僕を見てどう思っていたんだろう。
後悔ばかりが頭をもたげる。
ローズマリーの笑顔を最後いつ見たのか、最後にいつ会話をしたのかなんて全く思い出せない…。
夜会や茶会の席で彼女は僕がいなくて大丈夫だったのだろうかなんて、今更心配してどうする…。
ずっと僕があの女をエスコートしているのをみて、ローズマリーはどんな気持ちでいたんだろうな…。
放課後や週末だってそうだ。
婚約者であった僕があんなだったからきっと、寂しい思いをさせたに違いない。
約束だって破ってばかりで…彼女はずっと約束場所で僕を待ってくれていたのだろうか…。
朝迎えに行った馬車の中で僕たちは一体何を話していただろうか。
僕はいつもあの女のスケジュールを確認するので忙しかったから、ローズマリーに気を配ることなんてできてなかった。
彼女はその時どんな顔をしていた?馬車から降りた後、ローズマリーをひとりにさせてしまっていたのに彼女は僕に何の愚痴も溢さなかった。
手紙やプレゼントさえ送らず、ましてや約束もすっぽかし手紙の返事も送らなかった。
愛想をつかされても当たり前のことを続けていたのにもかかわらず、彼女は僕を待っていてくれたんだ。
それなのに、彼女の理想の男になるために頑張ってきたはずの僕は、いとも簡単に道を踏み外してしまった。
婚約は解消されたと分かってはいるが、今はどうしても彼女の声を聴きたいと願ってしまう。
無理だと頭では理解しているが、跪いて許しを乞いたい。
あなたにおすすめの小説
一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
妃が微笑んだまま去った日、夫はまだ気づいていなかった
柴田はつみ
恋愛
「セラフィーヌ、君は少し、細かすぎる」
三秒、黙る
それから妃は微笑んで、こう言った。
「そうですね。私の目が曇っていたようです」
翌朝から、読書室に妃の姿はなかった。
夫への礼は完璧。公務も完璧。微笑みも完璧。
ただ妻の顔だけが、どこにもなかった。
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。