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幸せ
「ローズマリー、行こうか。」
そう言って差し出してくれたお父様の掌の上に私も手を添えて、開かれた扉の向こうへゆっくりと歩いた。
私たちの向かう先には、マーカス様が待ってくれている。
マーカス様のところまでたどり着いたお父様は、名残惜し気にしかし覚悟を決めたように私の手をマーカス様の方へ渡してくれた。
幸せになるんだよ、と言ってくれたお父様とこうしてバージンロードを歩んだことを一生忘れないだろう。
誓いの場では、それはそれは息をするのも忘れてしまいそうなマーカス様の熱い誓いのキスをされてしまった。
オッホンという父の咳払いで我に返った私達だったが、式に参加してくださった皆様からは温かな笑い声を頂いた。
素晴らしい結婚式を迎えられたことを心から嬉しく感じながらも、参加者の方々に挨拶をしたりとなかなか忙しい時間は瞬く間にすぎた。
私は祝宴を一足先に退場し、湯あみをさせられ入念に体を磨かれた。
真っ白で肌まで透き通る生地の、どこかウエディングドレスを思わせた心もとない夜着を身に纏った私は思わずその姿に赤面してしまった。
これから始まることを考えると不安と期待が入り交ざった緊張感でのどがカラカラに乾いた。
用意された私たちの夫婦の寝室に足を踏み入れるとそこには既にマーカス様がいらした。
私を見たマーカス様は一瞬目を見開いた後赤面して、こちらに歩いてきたかと思ったら私を抱き上げそのままベッドの上に私を座らせてくれた。
「ローズ、とても綺麗だよ…。はぁっ。僕は本当に世界一の幸せ者だ。君と夫婦になれて本当に神に感謝している。僕を選んでくれてありがとう。その…こんな時にかっこいいこと言えなくて悔しいんだけど…いいかな?」
初夜なのにいいかな?なんて私に聞いてくるマーカス様のことが愛おしく感じられた。
「マーク、私もあなたと夫婦になれて本当に幸せよ。私を見つけてくれてありがとう。その…こんな時にのどがカラカラに乾いちゃって少しお水を頂く…っ」
そう言い切る前に、マーカス様は自ら水を口に含みそれを私に口移しで飲ませてくれた。それを何度も繰り返すうちに、ベッドにいつの間にか横たわっていた私はマーカス様に翻弄されていった。
いつの間にか一糸纏わぬ姿になった私の全身を隙間なく愛無され、何度も頭の中が弾けるような快感を与えられた私は、マーカス様のものが中で弾けたのを感じて幸せ過ぎて思わず涙が溢れてしまった。
涙を流した私にマーカス様がうろたえてしまったので、ついつい幸せ過ぎて涙が出てしまいましたと正直に伝えた。
それを聞いて瞠目したマーカス様は、はぁっと息を吐いた。
それから、とてもいいづらそうに、もう一度だけお願いなんて言われてしまったので、顔を真っ赤にした私はただただ頷くことしかできなかった。
結局、お願いを繰り返されてしまった私は夜明け頃までマーカス様に翻弄されてしまった。
初めてなのに手加減してほしかったと文句を言いたくなったが、あまりにも幸せそうにしているマーカス様を見ているとすぐに許してあげてもいいかという気持ちになってしまった。
それからの日々、歯止めの利かなくなったマーカス様の私への溺愛ぶりは社交界でも有名になった。
夜会では私の腰を抱いて決して傍を離れようとしないし、ダンスも他の男性と踊らせてくれない。
マーカス様も女性からの人気は相変わらず絶大で、ダンスの誘いがひっきりなしにあるのだがそれを全て断っている。
「僕は一生妻以外とは踊らないと決めている。」
が、マーカス様の決まり文句になってしまった。
女性たちからは夫婦の仲がよいことを大変羨ましがられるし、男性陣はマーカス様の執着ともいえるその行動に半ば呆れているようだ。
一度マーカス様に過保護すぎるのではと言ったことがあったが、
「君はその魅力に自覚がないようだからね。本当に心配だよ。はぁっ…。」
と言われた後、絶対に僕から離れられないようにと身をもってそれはしつこく躾けられてしまった。
それから4年後―――
今日も私は過保護すぎる夫の腕に抱きかかえられキスの嵐を送られていた。
先ほどまで庭を散歩中の私が転ばないように腰に手を回してくれていた夫だったが、これ以上はもう歩かせてはくれないらしい。
過保護な夫はいつもこうやって突然スイッチが入って、私を抱き上げたり膝の上に抱いたりなんだかんだと面倒を焼きたがる。
お腹が膨らんできた私を抱き上げキスをおくってくる夫に未だに胸がときめく私も大概だ。
お医者様には適度な運動をするように言われているのだが、なんだかんだといってすぐに夫に抱きかかえられてしまい、私もついつい甘えてしまう。
子供たちも使用人たちも、夫の子の行動に呆れ顔だ。
「父上ずるいー!また母上を独り占めして!」
そう言って次男と長女の手を両手で引っ張りながら歩いてきた三歳の長男は頬をぷっくら膨らませている。
結婚してすぐに妊娠が分かり、数年の間に長男、双子の男の子と女の子に恵まれた。
子供が出来てからもマーカス様はまるで新婚の時と変わらずに私を愛してくれている。
夫は子供にまで嫉妬するようになり、最近では子供たちを先回りしてでも私を独占しようとしている。
先回りするのに成功したときは大人の威厳なんてのはどこの風で喜んでいる夫をみるのも私のひそかな楽しみになっている。
「父上にとって母上は世界で一番大切人だからね。いつでも一緒にいたいんだよ。いいだろ?ローズ?」
「ふふふっ、しょうがないわね、マークったら。愛してるわ。」
「僕も愛してるよ、ローズ」
そう言って抱きしめあう私たちに、さっきまであきれ顔をしていた子供達も抱き着いてきた。
私は今日も幸せな笑い声と愛に包まれている。
【完】
そう言って差し出してくれたお父様の掌の上に私も手を添えて、開かれた扉の向こうへゆっくりと歩いた。
私たちの向かう先には、マーカス様が待ってくれている。
マーカス様のところまでたどり着いたお父様は、名残惜し気にしかし覚悟を決めたように私の手をマーカス様の方へ渡してくれた。
幸せになるんだよ、と言ってくれたお父様とこうしてバージンロードを歩んだことを一生忘れないだろう。
誓いの場では、それはそれは息をするのも忘れてしまいそうなマーカス様の熱い誓いのキスをされてしまった。
オッホンという父の咳払いで我に返った私達だったが、式に参加してくださった皆様からは温かな笑い声を頂いた。
素晴らしい結婚式を迎えられたことを心から嬉しく感じながらも、参加者の方々に挨拶をしたりとなかなか忙しい時間は瞬く間にすぎた。
私は祝宴を一足先に退場し、湯あみをさせられ入念に体を磨かれた。
真っ白で肌まで透き通る生地の、どこかウエディングドレスを思わせた心もとない夜着を身に纏った私は思わずその姿に赤面してしまった。
これから始まることを考えると不安と期待が入り交ざった緊張感でのどがカラカラに乾いた。
用意された私たちの夫婦の寝室に足を踏み入れるとそこには既にマーカス様がいらした。
私を見たマーカス様は一瞬目を見開いた後赤面して、こちらに歩いてきたかと思ったら私を抱き上げそのままベッドの上に私を座らせてくれた。
「ローズ、とても綺麗だよ…。はぁっ。僕は本当に世界一の幸せ者だ。君と夫婦になれて本当に神に感謝している。僕を選んでくれてありがとう。その…こんな時にかっこいいこと言えなくて悔しいんだけど…いいかな?」
初夜なのにいいかな?なんて私に聞いてくるマーカス様のことが愛おしく感じられた。
「マーク、私もあなたと夫婦になれて本当に幸せよ。私を見つけてくれてありがとう。その…こんな時にのどがカラカラに乾いちゃって少しお水を頂く…っ」
そう言い切る前に、マーカス様は自ら水を口に含みそれを私に口移しで飲ませてくれた。それを何度も繰り返すうちに、ベッドにいつの間にか横たわっていた私はマーカス様に翻弄されていった。
いつの間にか一糸纏わぬ姿になった私の全身を隙間なく愛無され、何度も頭の中が弾けるような快感を与えられた私は、マーカス様のものが中で弾けたのを感じて幸せ過ぎて思わず涙が溢れてしまった。
涙を流した私にマーカス様がうろたえてしまったので、ついつい幸せ過ぎて涙が出てしまいましたと正直に伝えた。
それを聞いて瞠目したマーカス様は、はぁっと息を吐いた。
それから、とてもいいづらそうに、もう一度だけお願いなんて言われてしまったので、顔を真っ赤にした私はただただ頷くことしかできなかった。
結局、お願いを繰り返されてしまった私は夜明け頃までマーカス様に翻弄されてしまった。
初めてなのに手加減してほしかったと文句を言いたくなったが、あまりにも幸せそうにしているマーカス様を見ているとすぐに許してあげてもいいかという気持ちになってしまった。
それからの日々、歯止めの利かなくなったマーカス様の私への溺愛ぶりは社交界でも有名になった。
夜会では私の腰を抱いて決して傍を離れようとしないし、ダンスも他の男性と踊らせてくれない。
マーカス様も女性からの人気は相変わらず絶大で、ダンスの誘いがひっきりなしにあるのだがそれを全て断っている。
「僕は一生妻以外とは踊らないと決めている。」
が、マーカス様の決まり文句になってしまった。
女性たちからは夫婦の仲がよいことを大変羨ましがられるし、男性陣はマーカス様の執着ともいえるその行動に半ば呆れているようだ。
一度マーカス様に過保護すぎるのではと言ったことがあったが、
「君はその魅力に自覚がないようだからね。本当に心配だよ。はぁっ…。」
と言われた後、絶対に僕から離れられないようにと身をもってそれはしつこく躾けられてしまった。
それから4年後―――
今日も私は過保護すぎる夫の腕に抱きかかえられキスの嵐を送られていた。
先ほどまで庭を散歩中の私が転ばないように腰に手を回してくれていた夫だったが、これ以上はもう歩かせてはくれないらしい。
過保護な夫はいつもこうやって突然スイッチが入って、私を抱き上げたり膝の上に抱いたりなんだかんだと面倒を焼きたがる。
お腹が膨らんできた私を抱き上げキスをおくってくる夫に未だに胸がときめく私も大概だ。
お医者様には適度な運動をするように言われているのだが、なんだかんだといってすぐに夫に抱きかかえられてしまい、私もついつい甘えてしまう。
子供たちも使用人たちも、夫の子の行動に呆れ顔だ。
「父上ずるいー!また母上を独り占めして!」
そう言って次男と長女の手を両手で引っ張りながら歩いてきた三歳の長男は頬をぷっくら膨らませている。
結婚してすぐに妊娠が分かり、数年の間に長男、双子の男の子と女の子に恵まれた。
子供が出来てからもマーカス様はまるで新婚の時と変わらずに私を愛してくれている。
夫は子供にまで嫉妬するようになり、最近では子供たちを先回りしてでも私を独占しようとしている。
先回りするのに成功したときは大人の威厳なんてのはどこの風で喜んでいる夫をみるのも私のひそかな楽しみになっている。
「父上にとって母上は世界で一番大切人だからね。いつでも一緒にいたいんだよ。いいだろ?ローズ?」
「ふふふっ、しょうがないわね、マークったら。愛してるわ。」
「僕も愛してるよ、ローズ」
そう言って抱きしめあう私たちに、さっきまであきれ顔をしていた子供達も抱き着いてきた。
私は今日も幸せな笑い声と愛に包まれている。
【完】
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