懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人

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愚かな俺3

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家に戻ってメグの旅行鞄が消えているのを確認した。
他は一見何もなくなっていないように見えるが、服が少し減っているのに気が付く。
やっぱりもう出て行ってしまったんだな、メグ----------。
この状況で俺は、メグが一体どこに行ってしまったのか見当もつかない。

それでもまた外に飛び出し、がむしゃらにメグを探し回った。

今は、絶望と後悔で何もする気にならない。

気が付けば、蟻がそこらを這うのを眺めていた。
メグは目の前にあるこの服を着て、あのケーキ屋に行ったんだ。
特別な日に訪れるあの店に。この服を着て。
なんで俺はメグと一緒にいなかったんだ------。

学生時代からメグ一筋の俺が浮気でこんなになるなんてな。
メグと一緒になるために、今まで死ぬほど頑張ってきた。
無自覚のあいつを他の奴らから守るのは大変だった。
性格良しであの美貌だ。ふつう、みんなほっとかないだろう。
ずっとメグだけを見てきたんだ。
そのはずなんだ--------。

サリーの子供は、成長するにつれ俺をパパと呼ぶようになった、
最初は戸惑ったけど、子供がいるってこんな感じかと思えばまんざらでもなかった。
ああ、俺は阿呆だ。
こんな賑やかな街で見つからないだろうなんて、
何の根拠もなく思ってしまっていた。

泊りがけで子供の誕生日を一緒に祝ってほしいと、
ベッドの中で、お願いされて頷いてしまった。
今まで、サリーの家に泊まったことなんかなかったのに。
メグには仕事で泊りがけになるからと、嘘をついてしまった。

サリーたちのことは愛していないと断言できる。
ただ、母子家庭で頑張って生きている二人に手助けしたかっただけだ。
そして、手助けした気でいる自分に酔っていたんだろう。
サリーを慰めた気で、俺の欲望を発散させていただけだ。
誰でもいいから俺を殴ってほしい。

とにかく、もうサリーたちとこの関係を断ち切らなければ-------------------。
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