4 / 4
初めての勇者との闘い
しおりを挟む
小柄で初老の悪魔はベフェモットと言うらしい。
さっき元いた世界から魔界に飛ばされ、魔王生活を乗り切ろうとしたのもつかの間、どうやらありえないくらい強い勇者が山を一つ焼き払った直後に私は戻ってきてしまった。
ベフェモットが魔法で勇者を映し出している。
そこに映っていた勇者はロン毛でボサボサ、ひげも生え散らかって、服はズタボロの布服だ。
とてもじゃないが勇者には見えない。
「ベフェモットこれが本当に勇者なのか?浮浪者にしか見えないのだが」
「魔王様、、、私もまったく同じことを思っていました、こんな汚い勇者を見たのは長年生きてきて初めてでございます」
ベフェモットもぽかんとした表情で映像を見ていた。
「それで、この勇者の分かっている情報は?」
私がそういうと、「うーん」と首を傾げた。
「それがこの勇者、魔法は一切使わず錆びついた剣のみで山を一つ焼き払いました」
「錆ついた剣で山を燃やした?どいうことだ」
「それが現場から命からがら逃げてきたゴブリンによると、すごい勢いで錆びた剣を木に擦っていたそうでして、、、信じがたいですがおそらく摩擦で山を焼き払ったのかと、、、」
摩擦で山を焼き払った?おいおいおい、勘弁してくれ、なんで魔王生活初日でそんなにわけのわからん脳筋放浪者勇者と戦わないといけないんだ。
もっとこう、普通の勇者が来てくれ、チュートリアルだぞこっちは。
「それで魔王様どういたしましょうか、、、」
「うーむ、ベフェモット、この勇者を見てて気づいたんだが、泥酔してないか?しかもとてつもなく」
「たしかに顔が真っ赤でフラフラでございますね、あ、勇者が倒れこみましたぞ」
「よし、今だ、強めの拘束呪文で捕らえよう」
「かしこまりました魔王様。しかし魔王様いつもとは何か違いますな」
しまったばれたか?いや、特になにもしていないのにそんなことあるか?
「いつもと何が違うか言ってみろ」
「いつもでしたら雑魚勇者相手にトロールを百体進軍、ゴブリンを千体出せなど、明らかにコストオーバーな作戦をたてるではないですか、それにあなたが勇者を捕らえろなどという命令を下したのは初めてです」
なるほど魔王がいつも作戦を否定される理由はこれか、、、明らかにアホだ。だがそれで落ち込んでいたということは本人は真面目に考えていたのだろう。
「ベフェモット、私は生まれ変わったのだ、今までの私だともうな?」
「さようでございますか、、、」
ベフェモット、の反応は何ともあっけなかった。もっと追及されると思ったのだが。
「ベフェモット、私はいったん部屋へ戻るぞ、勇者を牢に入れたら報告をしてくれ」
「かしこまりました魔王様」
私は部屋に戻りベッドに横になった、魔界に来てからたった一時間だと言うのにもう魔王という存在に疲れてしまった。
正直帰りたいとも思ったが、魔王に楽しめといった以上私は魔王をやりつくすと決めたのだ。
はあ、魔王はいま妻と娘とどんなことをしているのだろうか、、、そんなことを考えているうちに私は眠りについた。
さっき元いた世界から魔界に飛ばされ、魔王生活を乗り切ろうとしたのもつかの間、どうやらありえないくらい強い勇者が山を一つ焼き払った直後に私は戻ってきてしまった。
ベフェモットが魔法で勇者を映し出している。
そこに映っていた勇者はロン毛でボサボサ、ひげも生え散らかって、服はズタボロの布服だ。
とてもじゃないが勇者には見えない。
「ベフェモットこれが本当に勇者なのか?浮浪者にしか見えないのだが」
「魔王様、、、私もまったく同じことを思っていました、こんな汚い勇者を見たのは長年生きてきて初めてでございます」
ベフェモットもぽかんとした表情で映像を見ていた。
「それで、この勇者の分かっている情報は?」
私がそういうと、「うーん」と首を傾げた。
「それがこの勇者、魔法は一切使わず錆びついた剣のみで山を一つ焼き払いました」
「錆ついた剣で山を燃やした?どいうことだ」
「それが現場から命からがら逃げてきたゴブリンによると、すごい勢いで錆びた剣を木に擦っていたそうでして、、、信じがたいですがおそらく摩擦で山を焼き払ったのかと、、、」
摩擦で山を焼き払った?おいおいおい、勘弁してくれ、なんで魔王生活初日でそんなにわけのわからん脳筋放浪者勇者と戦わないといけないんだ。
もっとこう、普通の勇者が来てくれ、チュートリアルだぞこっちは。
「それで魔王様どういたしましょうか、、、」
「うーむ、ベフェモット、この勇者を見てて気づいたんだが、泥酔してないか?しかもとてつもなく」
「たしかに顔が真っ赤でフラフラでございますね、あ、勇者が倒れこみましたぞ」
「よし、今だ、強めの拘束呪文で捕らえよう」
「かしこまりました魔王様。しかし魔王様いつもとは何か違いますな」
しまったばれたか?いや、特になにもしていないのにそんなことあるか?
「いつもと何が違うか言ってみろ」
「いつもでしたら雑魚勇者相手にトロールを百体進軍、ゴブリンを千体出せなど、明らかにコストオーバーな作戦をたてるではないですか、それにあなたが勇者を捕らえろなどという命令を下したのは初めてです」
なるほど魔王がいつも作戦を否定される理由はこれか、、、明らかにアホだ。だがそれで落ち込んでいたということは本人は真面目に考えていたのだろう。
「ベフェモット、私は生まれ変わったのだ、今までの私だともうな?」
「さようでございますか、、、」
ベフェモット、の反応は何ともあっけなかった。もっと追及されると思ったのだが。
「ベフェモット、私はいったん部屋へ戻るぞ、勇者を牢に入れたら報告をしてくれ」
「かしこまりました魔王様」
私は部屋に戻りベッドに横になった、魔界に来てからたった一時間だと言うのにもう魔王という存在に疲れてしまった。
正直帰りたいとも思ったが、魔王に楽しめといった以上私は魔王をやりつくすと決めたのだ。
はあ、魔王はいま妻と娘とどんなことをしているのだろうか、、、そんなことを考えているうちに私は眠りについた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる