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プロローグ
プロローグ 『来世への余熱』
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「将来あなたのお嫁さんになる!」
「ええっ!?」
少女の無邪気な発言に少年が驚く。
「何?嫌なの?」
少女は腰に手を当てて、少年の顔に自分の顔を10cmほどにまで近づける。
片方の頬を膨らませていて、少し怒ったような表情がなんとも可愛らしかった。
「いやっ、あっ!今のは『嫌だ』って意味じゃなくて、その、何というか…。」
「男ならハッキリする!」
「はっはい!…うん…僕もなり…たい。」
少女の表情は一変し、子供らしい可愛い笑顔になる。
「「将来、絶対結婚しよう!!」」
―これは少年と少女がまだ6歳の時のお話―
==========================
あれから何年か経ち、平凡な家庭に生まれた少年は高校生になった。
しかし唯一、普通と違っているところは、少年が今通っている学校が超エリート魔術学校であることだ。
この高校の生徒は主に超大金持ちの家系の子が占めているが、少数のエリートも在校している。
その少数の中に少年は含まれていた。
だが、少年は生まれつき魔力が多く持っているわけでも、魔術の発動速度や消費魔力が少ないわけでもない。
前述の通り、少年は『平凡』なのだ。
なぜ、そんなエリート学校に入れたかというと、少年は人よりも努力し、実技は不得意だが学科は1番だったからだ。
なぜそんなに頑張るかというと、
「おい見ろよ!学園の女王様だぜ!」
「ホントだ!めっちゃ可愛いなぁ~。」
昔、結婚を約束した少女のためだ。
「53人の男が告ったらしいけど全滅だってよ。」
「何だよ、もしかして『私に似合う男じゃない』とか、そんな理由か?」
「いや、好きな人がいるらしいぞ。」
「えっ、マジかよ!」
『学園の女王』と呼ばれるのが、その少女だ。
お金持ちの家系、さらに容姿端麗で学業も文句なし、周りからの人望もある完璧な人だった。
「誰なんだろうな、その好きな人って…。」
少年の近くにいた男たちの話はそこで終わった。
話が変わってしまったが、要するに少年は平凡、少女はお金持ちエリートなので、少しでも彼女に似合う男になりたい、身分の差を埋めたい、そんな理由だった。
しかし、そんな努力は…
虚しく
儚く
哀れに
―――散る―――
=========================
18歳になり、卒業も間近という時期にそれは起きた。
少年は、『学園の女王』…幼馴染の少女に呼び出されたため指定の場所である校舎裏にやってきた。
校舎裏は比較的人がいないところ。
そこで、
「もう、終わりにしましょう…。」
少年の頭の中は、その瞬間空白になった。
========================
理由も聞かされずに少女と別れてから2年が経った。
少年はそろそろ青年になるという時、ある出来事を知る。
『あの幼馴染の少女が結婚する』ということだ。
またしても空白。
空っぽな意識。
白く塗りつぶされた思考。
絶望に似た感覚が少年を襲う。
それは嫉妬か。
それは裏切られたことに対する憎しみか。
それは取られたことへの怒りか。
それともこの世の残酷さへの悲しみか。
さらに最悪は続く。
それは人生最後の最悪であり災厄だった。そう、人生最後の。
全てに絶望し、何の考えもなく夜中に街中を歩いていた時のこと。
少年は、ふらふら歩いていたため馬車にはねられてしまう。
10m以上飛ばされた後、少年は後頭部を強打つ。
これは馬車側ではなく、完全に少年側に非がある事故だった。
―――くそっ―――
もしも、いつも通りの少年だったら起こらなかっただろう。
完全な前方不注意。
―――何でだよ―――
少年の心の中は怒りと悲しみ、失望、ありとあらゆる負の感情が空白を埋めた。
―――ふざけんじゃねぇ―――
少年の失血量が致死量の8割を超える。
―――まだ―――
少女ーユーナ・アルカディアルから理由も聞けずに、
―――死ぬわけには―――
少年ーイオン・リベリオルは、
―――死にたくない―――
とうとう失血量が致死量を超え、直前の空白も、空白を埋めようとした負の感情も、その思いすらも、すべて黒く塗り替えられ、イオンは死を迎えた。
「ええっ!?」
少女の無邪気な発言に少年が驚く。
「何?嫌なの?」
少女は腰に手を当てて、少年の顔に自分の顔を10cmほどにまで近づける。
片方の頬を膨らませていて、少し怒ったような表情がなんとも可愛らしかった。
「いやっ、あっ!今のは『嫌だ』って意味じゃなくて、その、何というか…。」
「男ならハッキリする!」
「はっはい!…うん…僕もなり…たい。」
少女の表情は一変し、子供らしい可愛い笑顔になる。
「「将来、絶対結婚しよう!!」」
―これは少年と少女がまだ6歳の時のお話―
==========================
あれから何年か経ち、平凡な家庭に生まれた少年は高校生になった。
しかし唯一、普通と違っているところは、少年が今通っている学校が超エリート魔術学校であることだ。
この高校の生徒は主に超大金持ちの家系の子が占めているが、少数のエリートも在校している。
その少数の中に少年は含まれていた。
だが、少年は生まれつき魔力が多く持っているわけでも、魔術の発動速度や消費魔力が少ないわけでもない。
前述の通り、少年は『平凡』なのだ。
なぜ、そんなエリート学校に入れたかというと、少年は人よりも努力し、実技は不得意だが学科は1番だったからだ。
なぜそんなに頑張るかというと、
「おい見ろよ!学園の女王様だぜ!」
「ホントだ!めっちゃ可愛いなぁ~。」
昔、結婚を約束した少女のためだ。
「53人の男が告ったらしいけど全滅だってよ。」
「何だよ、もしかして『私に似合う男じゃない』とか、そんな理由か?」
「いや、好きな人がいるらしいぞ。」
「えっ、マジかよ!」
『学園の女王』と呼ばれるのが、その少女だ。
お金持ちの家系、さらに容姿端麗で学業も文句なし、周りからの人望もある完璧な人だった。
「誰なんだろうな、その好きな人って…。」
少年の近くにいた男たちの話はそこで終わった。
話が変わってしまったが、要するに少年は平凡、少女はお金持ちエリートなので、少しでも彼女に似合う男になりたい、身分の差を埋めたい、そんな理由だった。
しかし、そんな努力は…
虚しく
儚く
哀れに
―――散る―――
=========================
18歳になり、卒業も間近という時期にそれは起きた。
少年は、『学園の女王』…幼馴染の少女に呼び出されたため指定の場所である校舎裏にやってきた。
校舎裏は比較的人がいないところ。
そこで、
「もう、終わりにしましょう…。」
少年の頭の中は、その瞬間空白になった。
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理由も聞かされずに少女と別れてから2年が経った。
少年はそろそろ青年になるという時、ある出来事を知る。
『あの幼馴染の少女が結婚する』ということだ。
またしても空白。
空っぽな意識。
白く塗りつぶされた思考。
絶望に似た感覚が少年を襲う。
それは嫉妬か。
それは裏切られたことに対する憎しみか。
それは取られたことへの怒りか。
それともこの世の残酷さへの悲しみか。
さらに最悪は続く。
それは人生最後の最悪であり災厄だった。そう、人生最後の。
全てに絶望し、何の考えもなく夜中に街中を歩いていた時のこと。
少年は、ふらふら歩いていたため馬車にはねられてしまう。
10m以上飛ばされた後、少年は後頭部を強打つ。
これは馬車側ではなく、完全に少年側に非がある事故だった。
―――くそっ―――
もしも、いつも通りの少年だったら起こらなかっただろう。
完全な前方不注意。
―――何でだよ―――
少年の心の中は怒りと悲しみ、失望、ありとあらゆる負の感情が空白を埋めた。
―――ふざけんじゃねぇ―――
少年の失血量が致死量の8割を超える。
―――まだ―――
少女ーユーナ・アルカディアルから理由も聞けずに、
―――死ぬわけには―――
少年ーイオン・リベリオルは、
―――死にたくない―――
とうとう失血量が致死量を超え、直前の空白も、空白を埋めようとした負の感情も、その思いすらも、すべて黒く塗り替えられ、イオンは死を迎えた。
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