幼馴染の息子に転生した俺は人生を復讐に捧げます。

西脇 るい

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留守番戦争

第一章:6話 『悲劇の少女』

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 入学式から2日が経った。あの騒動があったせいか、授業が始まるのが遅れることになった。あれからユーナは事情徴収をされている。今回侵入者の狙いはユーナであったため、念のために面識がないかなどさまざまなことを聞かれるようだ。
 
 一方のアレス、

「だあぁ~疲れたぁーー!」

 貴族の休日は忙しい。今日も読書と稽古でいっぱいだった。その日課を終えて、自分の部屋のベッドでくつろいでいるときだった。

「おーい!アレスいるかーー!」
 
 いつもは呑気な声で話しかけてくる父親がアレスを呼んでいる。だが、今回のその声にはそんな呑気さなど皆無だった。というか、いつもより真剣だった。

「(次から次へと…)何ぃ?」

 部屋に入ってきたグランの顔にはやはり一切の平和的感情はなかった。さらに、いつもと違うのはそれだけではなかった。グランの右手は別の人の手が握られている。その人は同い年くらいの少女だった。全体的に整った顔、まん丸とくりくりしたかわいらしい赤色の瞳にシュッとした鼻、柔らかそうでデフォルトも綺麗なピンク色の唇、さらにそのすべてを際立たせる綺麗な銀の短髪の少女。おそらく将来は有望だろう。

 だが、その少女は悲しげな顔をしていた。目の周りは少し赤くなっている。

「その子は?」

「ああ、この子の名前はアイリス・ユニコール。ユニコール家の子供なんだが、うちで預かることになった。とりあえずこの子を部屋に送ってから話がある。」

 大体グランが何を話してくるのかはなんとなくわかっていた。5分ほど待っていると扉からノックの音が聞こえてきた。アレスはベッドから起き上がり、ベッドに座ってグランの話を聞く体勢になった。

「アレス、いいか?」

「何の話をするの?」

 グランは一呼吸置いてから、口を開いた。

「あの子のことだよ。」

 あの子というのはさっきのアイリス・ユニコールのことだろう。

「彼女は入学式の騒動で両親を失ったんだよ。だからうちで引き取って一旦面倒を見ることになったんだ。もともとユニコール家とは昔から関係を持っていたからね、俺も彼らを失ったのはとても残念だよ…。」

 グランはそのことを告げるとアレスに背を向けて、部屋から静かに出て行った。アレスは再びベッドに寝転がり少し考え事をしていた。周りの大事な人が急にいなくなることの苦しさ、悲しさ、むなしさ、、恐怖、孤独…を……。

 アレスは考え事をしているうちにうとうとしてきた。しかし、あと少しで意識が闇に移ろうとしたとき、再び扉のほうからノック音がした。またグランだった。

「そういえば父さんはこれからユニコール家の今後についての話し合いに行ってくるから留守番頼んだぞ。まあ、しっかり者のお前なら心配ないんだがな。」

 さっきまでの表情とは一変して、明るいいつもの父の顔がそこにあった。いや、もしかしたら無理やり作っているのかもしれない。隠しきれていない悲しみがアレスには人目でわかった。

「とりあえずあの子のところに行ってみるか…。」

 アレスは全身の体重を広範囲に預けていたベッドから起き上がり、そのまま部屋を出て少女のいる部屋に向かう。しかし、

「そういや父さんからアイリスのいる部屋の場所聞いてなかった……。手当たりしだい当たってみるか…。」

 それから15分がたったが、

「やっぱりこの屋敷広すぎる…、地図とか作ったほうがいいんじゃないのか…。メイドに……聞けないよなぁ~…。」

 いまだに見つからなかった。今日に限ってメイドは最近入った年の近いド新人メイドにそこそこ長く仕えているベテランメイド(それでも20代に見間違えるほどの美貌)の二人しかいなかった。ド素人メイド―ルキエル・フレンヤードは部屋の配置を覚えているかどうか不安だし、ベテランメイド―テーラ・メインドールはちょうど買い物に行っている時間でこの屋敷にはいない。

 つまり、

「自力で探すしかないのか……。」

 アレスはいっそう肩を落とし、もう一度彼女の部屋を探すために振り返ると、目の前の扉が開いた。そこから出てきたのは紛れもないあの少女―アイリス・ユニコールだった。

「――――――っ!!」
 



 
 
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