24 / 27
黒への分かれ道
第二章:9話 『朝からパンツ』
しおりを挟む
学園についてまず最初に声をかけてきたのはダインだった。走ってきたせいで少し体がだるく感じたが重い扉を右手で開けた先に彼はいた。
「おーす、おはよっさん。…って、なんかお前やけにお疲れだな?………おっ!さてはお前、アイリスとベッドで激しくやったんだろ?」
「「ふんッ!!」」
ダインが最後まで言おうとした瞬間、アレスは気だるい体に再度力を込めてダインの腹部めがけて正義の拳を叩き込もうとする。その瞬間、いつの間にかダインの真後ろに潜んでいたアイリスがミニスカートだというのに大胆にも回し蹴りをかます。しかし、ダインはその二つの襲撃をいとも簡単に避ける。真正面のダインが少し屈みながら左に避けたことで、その真後ろにいたアイリスの全身がアレスの視界に入ってくる。
「―――あ………」
2人の攻撃は終了し、次に沈黙が始まる。
アイリスの回し蹴り途中の全身が見えるということはだ……
「ピンクのパンツ……似合ってるぞ……」
「ふんッ!!」
顔を真っ赤に染めたアイリスの渾身の一撃はアレスにとっては効果抜群のようだった。
というか、言わなきゃいいのに……。ちなみに顔面にクリーンヒット。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「―――…………」
「あのぅ~」
2時限目が終わり、講義と講義の間の休憩時間が終わりに差し掛かるというのにアイリスは未だに不機嫌だった。
「人を不法投棄されたゴミを見るような目で見るのやめない?」
「大丈夫、その辺に落ちてるクソを見てる気分だから」
「貴族の端くれなんだからそんな言葉遣いはやめてー!」
朝からこんな調子だった。ちなみにパンツを見られたから怒っているわけではない。そのあとが問題だった。
アレスは成績もずば抜けて優秀で、顔もどちらかといえばいい方である。さらに、魔法の才能にも恵まれ、家がお金持ち。これだけの材料とアレスの性格があればモテないわけがない。流れを簡単に説明するとこうだ。
①パンツを見られ、蹴りをかます。
②他の女子が嫉妬し、アレスに味方がつく。
③アレスがその女子達をなだめると歓声が。
④それに対して、ツンデレヒロイン的なアレが発動し、怒る。
こんなところか。まぁ、アレスは④に気づいていないが……。
「そんなことよりも次の講義の準備はしなくていいの?そろそろ行くよ」
アイリスはいつの間にか次の講義の準備をしていたらしく、教科書を持って立ち上がった。
「えっ!許してくれるの!?」
「その話はまた今度けりをつけてあげる…」
殺意のこもったセリフを女の子から聞けるなんて思ってもみなかった。
「わわわかったわかった。その話は一旦置いておこう。そうだ!準備準備っと」
ダインが隣でニヤニヤしているの見て、少し苛立ちを感じながら着々と次の講義の準備を進めるアレス。忘れ物はないかを確認し、アレスも教科書を持って立ち上がり、歩き出した。
「元はと言えばお前のせいでもあるんだぞ、ダイン」
講義が行われる教室に向かう途中の廊下でアレス、ダイン、アイリスの3人で朝の出来事について話していた。ちなみにアレスが真ん中で、右にダイン、左にアイリスがいるという構図。
「いや~、だってお前の腹パン結構痛かったんだもん」
「何言ってんだよ。結局当たらなかったじゃねぇか」
「そうだったそうだった、ごめん」
「そっちの話は終わったかしら?」
アイリスがダインとアレスの間に体を強引にねじ込ませて会話に入ってきた。そんなに無理矢理体をくっつけられるとデカパイが腕に当たるんだよ!少しは思春期の男の子のこと考えろ!
「一応終わったぞ」
「そう。なら、一旦置いといた話をここに運んでくるのもオッケーってことね」
「ごめん、それどこかに置いたっきり無くしてしまいました」
「大丈夫。私がちゃ~んと大事に保管して置いてあげたから」
アイリスの笑顔は怖い。初めてこんなことを思ってしまった。相変わらずダインは他人事のようにお気楽な顔をしている。
「本当にごめんよ。仕方ないじゃないか、思春期の男の子なんだから。むしろ、ケダモノと例えられるほどこの時期の男の子は盛んなんだからもっと貴族の女の子として恥じらいを持って欲しいもんだ……よ………アイリスさん……その殺意を収めていただけるとぉ~………ごめんなさい…」
アレスの言葉を受け、アイリスは普段絶対に見せない鬼の形相をしていた。
「本当に悪いと思ってる?」
「はい…」
「ならいいの。アレスとのこの話はこれでおしまい」
さっきまでの殺意はどこにやら。鬼のようなしかめっ面だったのが一瞬で無邪気な笑顔に変化して言った。ふとその顔を見ると小さい頃のユーナに似てるような……
「さて、アレスとのお話は終わったわ。ねぇ、ダイン?」
「―――え?」
ダイン、貴様も同罪だ!!
「おーす、おはよっさん。…って、なんかお前やけにお疲れだな?………おっ!さてはお前、アイリスとベッドで激しくやったんだろ?」
「「ふんッ!!」」
ダインが最後まで言おうとした瞬間、アレスは気だるい体に再度力を込めてダインの腹部めがけて正義の拳を叩き込もうとする。その瞬間、いつの間にかダインの真後ろに潜んでいたアイリスがミニスカートだというのに大胆にも回し蹴りをかます。しかし、ダインはその二つの襲撃をいとも簡単に避ける。真正面のダインが少し屈みながら左に避けたことで、その真後ろにいたアイリスの全身がアレスの視界に入ってくる。
「―――あ………」
2人の攻撃は終了し、次に沈黙が始まる。
アイリスの回し蹴り途中の全身が見えるということはだ……
「ピンクのパンツ……似合ってるぞ……」
「ふんッ!!」
顔を真っ赤に染めたアイリスの渾身の一撃はアレスにとっては効果抜群のようだった。
というか、言わなきゃいいのに……。ちなみに顔面にクリーンヒット。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「―――…………」
「あのぅ~」
2時限目が終わり、講義と講義の間の休憩時間が終わりに差し掛かるというのにアイリスは未だに不機嫌だった。
「人を不法投棄されたゴミを見るような目で見るのやめない?」
「大丈夫、その辺に落ちてるクソを見てる気分だから」
「貴族の端くれなんだからそんな言葉遣いはやめてー!」
朝からこんな調子だった。ちなみにパンツを見られたから怒っているわけではない。そのあとが問題だった。
アレスは成績もずば抜けて優秀で、顔もどちらかといえばいい方である。さらに、魔法の才能にも恵まれ、家がお金持ち。これだけの材料とアレスの性格があればモテないわけがない。流れを簡単に説明するとこうだ。
①パンツを見られ、蹴りをかます。
②他の女子が嫉妬し、アレスに味方がつく。
③アレスがその女子達をなだめると歓声が。
④それに対して、ツンデレヒロイン的なアレが発動し、怒る。
こんなところか。まぁ、アレスは④に気づいていないが……。
「そんなことよりも次の講義の準備はしなくていいの?そろそろ行くよ」
アイリスはいつの間にか次の講義の準備をしていたらしく、教科書を持って立ち上がった。
「えっ!許してくれるの!?」
「その話はまた今度けりをつけてあげる…」
殺意のこもったセリフを女の子から聞けるなんて思ってもみなかった。
「わわわかったわかった。その話は一旦置いておこう。そうだ!準備準備っと」
ダインが隣でニヤニヤしているの見て、少し苛立ちを感じながら着々と次の講義の準備を進めるアレス。忘れ物はないかを確認し、アレスも教科書を持って立ち上がり、歩き出した。
「元はと言えばお前のせいでもあるんだぞ、ダイン」
講義が行われる教室に向かう途中の廊下でアレス、ダイン、アイリスの3人で朝の出来事について話していた。ちなみにアレスが真ん中で、右にダイン、左にアイリスがいるという構図。
「いや~、だってお前の腹パン結構痛かったんだもん」
「何言ってんだよ。結局当たらなかったじゃねぇか」
「そうだったそうだった、ごめん」
「そっちの話は終わったかしら?」
アイリスがダインとアレスの間に体を強引にねじ込ませて会話に入ってきた。そんなに無理矢理体をくっつけられるとデカパイが腕に当たるんだよ!少しは思春期の男の子のこと考えろ!
「一応終わったぞ」
「そう。なら、一旦置いといた話をここに運んでくるのもオッケーってことね」
「ごめん、それどこかに置いたっきり無くしてしまいました」
「大丈夫。私がちゃ~んと大事に保管して置いてあげたから」
アイリスの笑顔は怖い。初めてこんなことを思ってしまった。相変わらずダインは他人事のようにお気楽な顔をしている。
「本当にごめんよ。仕方ないじゃないか、思春期の男の子なんだから。むしろ、ケダモノと例えられるほどこの時期の男の子は盛んなんだからもっと貴族の女の子として恥じらいを持って欲しいもんだ……よ………アイリスさん……その殺意を収めていただけるとぉ~………ごめんなさい…」
アレスの言葉を受け、アイリスは普段絶対に見せない鬼の形相をしていた。
「本当に悪いと思ってる?」
「はい…」
「ならいいの。アレスとのこの話はこれでおしまい」
さっきまでの殺意はどこにやら。鬼のようなしかめっ面だったのが一瞬で無邪気な笑顔に変化して言った。ふとその顔を見ると小さい頃のユーナに似てるような……
「さて、アレスとのお話は終わったわ。ねぇ、ダイン?」
「―――え?」
ダイン、貴様も同罪だ!!
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「帰ったら、結婚しよう」と言った幼馴染みの勇者は、私ではなく王女と結婚するようです
しーしび
恋愛
「結婚しよう」
アリーチェにそう約束したアリーチェの幼馴染みで勇者のルッツ。
しかし、彼は旅の途中、激しい戦闘の中でアリーチェの記憶を失ってしまう。
それでも、アリーチェはルッツに会いたくて魔王討伐を果たした彼の帰還を祝う席に忍び込むも、そこでは彼と王女の婚約が発表されていた・・・
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】
積み上がった伏線の回収目前!!
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる