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黒への分かれ道
第二章:10話 『黒白の代行者』
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「はぁ……はぁ…や、やっと着いた……」
息を切らしながら、登校によって疲れていた体をさらに疲労させたアレスが扉に手をかける。
そしてアレスたちはぎりぎりのタイミングで教室に入ることになった。なぜそうなってしまったかというと、ダインがアイリスの鉄拳制裁をすべて避けきったからだ。結局、それはアイリスが殴るのを止めたことによって幕を閉じた。アイリスはアレスの次に息を切らしているようだ。ちなみにダインは余裕な顔を………。
彼らは廊下側に3つ並んで空いていた席に座ると、ため息をついて同時に顔を伏せた……ダインを除いて……。
「何であんたはいつもいつも正解を選んでくるのよ…」
「はっはは~悪いな~、でも勘違いしないでくれよ。俺だって何の犠牲もなく正解を導き出しているわけじゃなんだからな」
「どの口がいうんだよ……」
二人の会話に割り込んでダインにツッコミを入れたのはアレスだ。今にも死にそうな顔をしているが、その目ははっきりと騒動の元凶を視界に捕らえ、今のも噛み付きそうな勢いで睨みつけている。
「それにしても先生なかなか来ないわね…」
「『来ない』じゃなくて『いらっしゃらない』だろ………あれ?…どっちが合ってんだ?」
そんなことどうでもいいだろ、と内心思いながら教師が来ないことに着眼点を戻し、再思考を始めるアレス。次の教科は『魔法科学』。それを担当する教師は、いつもなら時間ぴったりに号令をかけられるように、教室にいる。しかし、今この時、この場所に、その人はいない。他の生徒は、休み時間が延長していることに少しの疑問と多くの喜びの感情を持ち、各々やりたいことをしている。隣同士でしゃべっている者や復習している者、、そこに無いものを見ているかのようにボケ~っと座っている者もいる。
そんな中、アレスの心には他の者にはない感情が芽生え始めている。なぜなら、いつもと違うことが日常で起こることに対して、アレスはかなり敏感になっていたからだ。入学式でも、屋敷でも、下校中でも………。
一方のアイリスは不安……というか、何か別の感情を持っている感じがする。教師が来ないことに対する不安や心配というよりは、別のことに対する……期待感…?
さらにダインはというと、いつもどおりの陽気な面構えで頬杖をつきながらニコニコしている。何を考えているのかはまったくわからない。
「心配して損をしたっていうのが一番いい形なんだけどな……」
アレスがつぶやいた直後に教室の扉が開かれて、教師が姿を見せる。だが、それは同時に、アレスの期待を裏切る結果を示していた。
「やァー皆さんこんにちはー。遅れて申し訳ない」
講義開始予定時間を5分遅れてきたのは見覚えのある男だった。男は黒のタキシード(蝶ネクタイ)の上から白衣を着ている。その人は、巨大な黒板の前に申し訳ないていどにある教卓に教材をドサっと置き、両手をついて、
「前任の先生が急に病気で長期の休暇が必要になったため、代理として短い間だけ皆さんの教師をやることになりました。名をカイン・ヴェーテンと申します」
名前を名乗った。屋敷以来何の動きも見せなかった男が今になって動き出してきたのか、そのことに疑問を持ったが、そんなことよりも先に、些細な疑問がアレスの頭を支配した。
『ぜんぜん年とってなくね………』
カインの見た目は6歳のころに出会ったころと何も変わっていなかった。年からくる外見の変化があまり反映されない体質なのかも知れない。もしかしたらあの日よりも若々しく感じる……まるで高校生のころに戻ったような………。
しかし、アレスの中ですぐに自己解決し、本題の疑問に戻る。なぜ今頃なのか。
「時間通りに始められなくて申しわけありません。では、講義を開始します―――」
しかし、アレスが思考をめぐらせる前に講義が始まり、何事も起きず講義は進行。そして、そのまま講義は終了した。ちなみに講義の評判はよく、女子生徒からのうけも悪くは無かった…………チッ………。
息を切らしながら、登校によって疲れていた体をさらに疲労させたアレスが扉に手をかける。
そしてアレスたちはぎりぎりのタイミングで教室に入ることになった。なぜそうなってしまったかというと、ダインがアイリスの鉄拳制裁をすべて避けきったからだ。結局、それはアイリスが殴るのを止めたことによって幕を閉じた。アイリスはアレスの次に息を切らしているようだ。ちなみにダインは余裕な顔を………。
彼らは廊下側に3つ並んで空いていた席に座ると、ため息をついて同時に顔を伏せた……ダインを除いて……。
「何であんたはいつもいつも正解を選んでくるのよ…」
「はっはは~悪いな~、でも勘違いしないでくれよ。俺だって何の犠牲もなく正解を導き出しているわけじゃなんだからな」
「どの口がいうんだよ……」
二人の会話に割り込んでダインにツッコミを入れたのはアレスだ。今にも死にそうな顔をしているが、その目ははっきりと騒動の元凶を視界に捕らえ、今のも噛み付きそうな勢いで睨みつけている。
「それにしても先生なかなか来ないわね…」
「『来ない』じゃなくて『いらっしゃらない』だろ………あれ?…どっちが合ってんだ?」
そんなことどうでもいいだろ、と内心思いながら教師が来ないことに着眼点を戻し、再思考を始めるアレス。次の教科は『魔法科学』。それを担当する教師は、いつもなら時間ぴったりに号令をかけられるように、教室にいる。しかし、今この時、この場所に、その人はいない。他の生徒は、休み時間が延長していることに少しの疑問と多くの喜びの感情を持ち、各々やりたいことをしている。隣同士でしゃべっている者や復習している者、、そこに無いものを見ているかのようにボケ~っと座っている者もいる。
そんな中、アレスの心には他の者にはない感情が芽生え始めている。なぜなら、いつもと違うことが日常で起こることに対して、アレスはかなり敏感になっていたからだ。入学式でも、屋敷でも、下校中でも………。
一方のアイリスは不安……というか、何か別の感情を持っている感じがする。教師が来ないことに対する不安や心配というよりは、別のことに対する……期待感…?
さらにダインはというと、いつもどおりの陽気な面構えで頬杖をつきながらニコニコしている。何を考えているのかはまったくわからない。
「心配して損をしたっていうのが一番いい形なんだけどな……」
アレスがつぶやいた直後に教室の扉が開かれて、教師が姿を見せる。だが、それは同時に、アレスの期待を裏切る結果を示していた。
「やァー皆さんこんにちはー。遅れて申し訳ない」
講義開始予定時間を5分遅れてきたのは見覚えのある男だった。男は黒のタキシード(蝶ネクタイ)の上から白衣を着ている。その人は、巨大な黒板の前に申し訳ないていどにある教卓に教材をドサっと置き、両手をついて、
「前任の先生が急に病気で長期の休暇が必要になったため、代理として短い間だけ皆さんの教師をやることになりました。名をカイン・ヴェーテンと申します」
名前を名乗った。屋敷以来何の動きも見せなかった男が今になって動き出してきたのか、そのことに疑問を持ったが、そんなことよりも先に、些細な疑問がアレスの頭を支配した。
『ぜんぜん年とってなくね………』
カインの見た目は6歳のころに出会ったころと何も変わっていなかった。年からくる外見の変化があまり反映されない体質なのかも知れない。もしかしたらあの日よりも若々しく感じる……まるで高校生のころに戻ったような………。
しかし、アレスの中ですぐに自己解決し、本題の疑問に戻る。なぜ今頃なのか。
「時間通りに始められなくて申しわけありません。では、講義を開始します―――」
しかし、アレスが思考をめぐらせる前に講義が始まり、何事も起きず講義は進行。そして、そのまま講義は終了した。ちなみに講義の評判はよく、女子生徒からのうけも悪くは無かった…………チッ………。
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