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第一章 初めての夜

8話

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グレンは目が覚めた。

昨夜と違って、両腕や身体はベットに拘束されていない。
ベットから起き上ろうとしたが、身体中が痛くて起き上がれなかった。

そして足には枷がついていて、そこから伸びた長い鎖がベットの足に繋がっていた。

「部屋から出れないのか…」

昨夜あんなにマルクとグレンの体液にまみれたベットも、グレンが寝ている間に整えられていた。

「なんだよ…」



ガチャリと鍵が開く音がしてドアが開いた。

「あれ、グレン、起きたの?おはよう」

朝食だろうか。
トレーに何かをのせたマルクが部屋に入ってきた。

「お、おはよう」

グレンはうつむき気味に答えた。

「どうしたの?元気ない?」

マルクがベットに近づいてくる。

「あるわけねぇだろ!身体は痛ぇし、鎖に繋がれてるし…」

グレンは顔をあげ、キっとマルクを睨んだ。

「ごめんね」

マルクの顔が少し曇った。

「謝るくらいなら外せよ!」

「だって、外したら逃げちゃうでしょ?」

「う、そ、それは…」

「ほら、否定しない」

マルクはトレーをベットサイドにおくと、グレンに近づいてきた。

「そうだ。まだおはようのチューしてなかったね」

そういって唇をあわせてこようとした。

グレンは咄嗟にマルクから顔を背けた。

「グレン」

マルクが冷たい声を出した。
その声の冷たさに驚いたグレンは思わずマルクの方を向いた。

「顔背けたお仕置き」

あっという間にグレンの口はマルクに覆われた。
舌が唇を開いて侵入してくる。

「んんんんん」

グレンの舌が嬲られる。
段々、息が苦しくなってグレンはマルクに離してもらおうとした。
しかしマルクはグレンが離そうとするほど、キスを激しくしていった。

「んんんん、げほげほげほ」

ようやく話してくれたころにグレンは酸欠で死にそうになっていた。

「ほら、シャワー行くよ」

マルクは息が整わないグレンをベットから連れ出した。
しかしグレンの身体は昨日の行為のせいで全く動かなかったので、マルクに抱き上げられてされるがままの状態だった。

お姫様抱っこの状態で浴室まで運ばれた。
じゃらじゃらと二人の後を鎖がついてくる。

浴室に入るとドアを開けたまま、グレンは湯船の縁に座らされた。

「準備するから待ってて」

「準備?」

マルクはホースと大きな注射器のようなもの風呂桶にいれて持ってきた。





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