ダンジョン行くなら監禁するよ？

第六章 久しぶりにギルドに行く

2話

廊下を進むと扉が見えてくる。
扉の中に入るとたくさんの職員が事務仕事を行っている。

「グレンじゃないか！」

職員の一人がグレンに気が付いた。

「あぁ、どうも」

グレンは軽く頭をさげる。

「この部屋に何の用だい？クエストなら別の部屋だろ？」

「ん？あぁ、ちげぇよクエストじゃねぇから」

「じゃあ何をしに…」

職員が一歩、グレンに近づいた時だった。
グレンと職員との間にマルクがぐいっと入ってきた。

「結婚証明の報告に」

マルクはニコリと男に微笑みかけるが、目は冷たいままだった。

「お、おぉ、そ、そうか結婚報告か…って結婚！！？？」

職員は大声をあげた。
周りの職員がばっと一気に3人をみる。

「あ、すまん…いやでもグレンが結婚するなんてなぁ…今まで浮いた噂の一つもなかったじゃないか！」

職員はグレンに近づこうとするが、間にマルクがいるので近づけない。

「グレンは生まれた時から俺のものなんで」

マルクは職員に証明書を押し付ける。

「そ、そういうことだから」

グレンは照れ顔で申請書を差し出す。
職員は青い顔になってそれを受け取った。

「わ、わかった…今、手続きしてくる…」

肩を落としながらトボトボと処理しに行った。

「なんであいつ落ち込んでるんだ？」

グレンは職員の様子に首を傾げる。
マルクは鼻で職員の様子を嘲笑った。

「ざまぁみろ！」

「何がだよ」

二人が話しているうちに職員が戻ってきた。

「…これでギルドでの手続きは終わりだよ。おめでと」

「おう、ありがとな！」

グレンは笑顔で受領書を受け取る。

「あ、あぁ」

「どうも」

マルクは全力の笑顔でグレンの方を抱くと扉を開けて事務室を後にした。

「ほらやっぱりグレン狙われてたじゃん」

「どこがだよ。狙われてねーよ」

「あの職員、絶対グレンのこと狙ってたって」

マルクが唇を尖らかす。

「とりあえず帰ろうぜ」

「その前にちょっとクエスト見てもいいか？」

グレンが恐る恐る尋ねる。

「まぁ見るだけなら許す」

マルクは呟いた。

「行こうぜ」

二人はクエストが書かれている掲示板の前にやってきた。