ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第九章 任務とクエスト

2話

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「じゃあ俺たちは、組織の居場所とどんなやつがいるのかを探ればいいんだな?」

グレンがギルドの二人に確かめる。

「はい、そうです」

二人は頷いた。

「組織潰さなくていいならすぐ終わりそうだね」

マルクはニヤリと微笑んだ。

「そう簡単にいかないかと…」

ギルドの責任者がすごすごと申し出る。

「は?」

マルクがギルドの責任者を睨んだ。

「今まで何人ものギルドの職員と冒険者、賢者、治癒者などを送り込みましたが、誰一人として情報を持ち帰れたものはおりません。全員行方知らずか、薬漬けになって帰ってきました…お二人がそうならないことを祈るばかりです…」

ギルドの職員が手を組んで祈っている。

「それ聞くと行きたくなくなるんだが…」

グレンが苦笑いを浮かべる。

「クエスト自体はとても簡単だそうですので…くれぐれも受け渡しの際にお気をつけください」

「受け渡してから行方知らずになるの?」

マルクが尋ねる。

「そうですね。クエストの完了報告は届いて、受け渡しに向かうという連絡を受けてから以降、一切の連絡が途絶えます。恐らくですがスパイとバレたら最後かと」

ギルドの責任者は額の汗を拭った。

「まぁうだうだしてても始まらないか」

マルクは椅子から立ち上がった。

「行こうか、グレン。さっさと終わらせよう」

「…おぅ、そうだな」

グレンも立ち上がった。

「お二人のご無事とご検討をお祈りしております」

「こちら細やかながらギルドからのプレゼントです…」

職員はアミュレットを差し出した。

「アミュレットですか?」

グレンが首を傾げる。

「これには麻薬を跳ね除ける効果がありますが、元々薬草である植物には抗体がないのでお気をつけください…」

職員の解説を聞きながら二人は受け取った。

「ふーん、ないよりマシだからもらっておく」

マルクは鼻で笑う。

「素直にお礼言えよ…ありがとうございます」

グレンはマルクの様子に苦笑しながらも職員に礼を言った。

「さぁ、出発しようか」

「おぅ」




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